「おばけキャッチ」─カードに対応するコマを素早くつかむスピード競争─

「おばけキャッチ」は、場に出たカードに対応する木製コマを素早くつかむ、スピード競争のゲーム。カードとコマの対応ルールにひとひねりあって、頭の中がねじれたような感じになるのが楽しいです。

ゲームは2~8人で遊べて、何人でプレイするときもセット例はこんな感じ。5種類のコマを少し離して中央に置き、60枚のカードを裏向きに重ねて山札とします。

準備ができたら最初にめくる人を決め、サッと山札から1枚めくって場に出します。その瞬間からコマ争奪のスピード競争が始まります。

カードは大きく分けて2パターンあります。1つ目は、描かれているモノの中に、コマと同じ色のモノがあるタイプ。このタイプのカードが出てきた場合、そのコマをつかみます。

2つ目は、描かれているモノがどれもコマとは色が違うタイプ。このタイプのカードが出てきた場合、描かれている「色」でも「モノ」でもないコマを取ります。上のカードの場合、「ネズミでもビンでもなく、赤でも青でもないコマ」を取るのが正解。つまり、「白いおばけ」というわけです。カードはこっちのタイプの方が多く出てきます。

カードに対応するコマを取った人はそのカードを得点として手に入れ、自分の前に置いておきます。続いて次のカードをめくってゲームを進めて…を繰り返し、山札がなくなった時点でゲームはおしまい。手に入れたカードの枚数で競います。カードをよく見て、対応するコマを素早く見つけるのがポイントです。

山札の中に2つのパターンのカードは混在しています。頭のスイッチを切り替えるような感覚で探す…という感じかもしれません。

間違えたコマをつかんでしまったらお手つき。そのカードに対応するコマをつかんだプレイヤーに、これまで手に入れたカードから1枚渡します。素早く判断するのは大切ですが、間違えたときのペナルティは大きいので正確に処理することもポイントです。

スピード&アクションタイプのゲームでときどきあるのは、実力差がはっきり出ること。このゲームもそうかと思います。

説明書では山札が付きたら終了ですが、私が遊ぶときは3~5枚先取で1ゲームおしまいというルールにすることもあります。1ゲームを短くして、繰り返し遊びやすくするイメージです。優勝するチャンスが増えつつ、カード枚数の大差がつかないので完全な逆転不能状態がなくなります。優勝したプレイヤーは次のゲームでの先取枚数を1枚増やすというハンデの付け方もあります。

また、苦手な人がいるときに希望制で取り入れることがあるのが「特訓モード」。カードを連続で5~10枚ほど、その人だけが取ることにする練習タイムです。人に取られることなく自分のペースで必ず取ることができ、だんだんうまくなっていく印象があります。

特訓モードをやってみて気づいたのは、他のプレイヤーも特訓を見ながら心の中で「(このカードは…これだっ!)」と自然とやるので、暇にはならないということ。見ているうちにその人の上達を応援するような気持ちにもなるので、ライバルでありつつ雰囲気があったかくなる印象もあります。

「正しいモノを取る場合」と「違うモノを取る場合」が混在していて、頭をねじられてるような気がしてくるのが面白い。誰かが驚異的な早さで取ったり、みんなでシーンとしばらく固まったりする変化も楽しいゲームです。

(おわり)