「うさぎのニーノ」─うさぎを助けてゲームの基本と世界観を味わおう─

「うさぎのニーノ」は、水びたしになった穴からうさぎを助けるというテーマのゲーム。運100%なので、小さな子がゲームの基本を知るのにぴったりです。また、世界観を味わうのも楽しいです。

箱の中身のメインは木製のうさぎコマ。これが20匹入っています。説明書にも「20個」ではなく「20匹」と書いてあって、ここからすでにゲームの物語を味わう雰囲気がにじんできます。

また、この作品は箱そのものもゲームに使うタイプ。上の写真でも、立体的な構造になっているのがわかると思います。

さて、ゲームは2~5人でプレイできて、人数にかかわらずセット例はこんな感じ。うさぎを全て箱の大きな穴に入れます。よく見るとわかりますが、穴の中には水たまりが。水びたしになってしまった巣穴からうさぎたちを助けるのがこのゲームのテーマです。

自分の番でまずすることは、サイコロを振ること。そして、出た面の色と同じ小穴を確認します。上の写真の例では赤い面が出たので赤い小穴を確認したところ、そこには何もありませんでした。

こうした場合、巣穴から小穴にうさぎを1匹移動させます。小穴は巣穴からの出口に通じる通路。これで助ける準備ができたというわけです。続いて、次のプレイヤーに移ります。

サイコロの出た面の色の小穴に、すでにうさぎがいる場合は救出成功。小穴のうさぎを取り出して、自分の前に置いておきます。

サイコロには1面だけうさぎが描かれています。この面が出た場合、巣穴からいきなりうさぎを助けることができます。1匹取り出して、自分の前に置いておきます。

これを繰り返し、巣穴からうさぎがいなくなったらゲームはおしまい。小穴にうさぎがいてもおしまいです。助けたうさぎの数で競います。

というわけで、流れから読み取れるように運100%のゲーム。思考や判断をする余地はないタイプです。あえての表現をすれば「作業」とも言えちゃいます。

運100%の作品は、まだゲームに慣れていない子が「ゲームの基本」を体験するのにぴったりだったりします。「順番がある」「自分の番が来たらサイコロを振る」「出た目に合わせたことをする」「うまくいったりいかなかったりする」「勝敗がある」ということを、思考や判断を取り除いた形で経験できるというわけです。

いろいろな人とやってみて感じたのは、ゲームの仕組みそのもの以外に、「世界観」を楽しく味わえる特徴もありそうだということ。例えば、準備をするときに「かわいそうだから水たまりを避けてあげよう」とうさぎを置いた人がいました(40代男性)。反対に、小さな子が「ジャブジャブ!」と楽しそうにうさぎを水たまりで遊ばせるように置くこともありました。

また、ゲームが終わったあと、勝敗がありつつも「みんなでたくさん助けられてよかったね」という雰囲気になることもありました。「自分が関わることのできる絵本の世界」という言い方もできるかもしれません。

木とフェルトでできたうさぎコマが愛らしく、手にした感触も心地いいという特徴もあります。ほんわかテーマでゲームの基本や雰囲気を味わうのが楽しいゲームです。

(おわり)