「ユニコーンメモリー」─ほんわかイラストのやさしい絵合わせ─

「ユニコーンメモリー」は、かわいらしいイラストの、小さな子から遊べる神経衰弱タイプのゲーム。ルール説明だけではもったいないので、デザインの工夫や遊び方のアレンジもご紹介します。

箱の中身は全てタイルで、16種類の絵柄が2枚ずつ。この作品の舞台は、雲の上のユニコーンの世界。4色のユニコーンのほかに、宝石や動物たちが描かれています。

さて、ゲームは2~4人でプレイできて、セット例は何人でプレイするときもこんな感じ。全てのタイルをシャッフルして裏向きに並べます。神経衰弱の要領で進め、たくさんのタイルを手に入れることがゲームの目的です。

自分の番では2枚のタイルをめくります。絵柄が違ったら元の場所へ裏向きに戻して、次の人に交代です。

同じタイルをめくれたらそれらを手に入れることができます。さらに、もう一度自分の番が続きます。普通の神経衰弱と一緒ですね。

運もありますが、よく見て覚えておくのがポイント。このタイプのゲームは、自分の番ではないときにも観察しておくと有利になります。ゲーム中、集中力を持続させると高得点につながるわけです。

タイルが全てなくなったらゲームはおしまい。手に入れた枚数で競います。ゲームの流れはトランプの神経衰弱と全く同じ。でも、モノとしての魅力がデザインにいろいろ込められています。

まず、めくるのが厚みのあるタイルという点。小さな子でもめくりやすいという特徴があります。枚数比べのときも重ねて高さ比べをすれば一目瞭然。数を数えられない小さな子でも実感しやすいです。

また、上の写真、裏面の星が一部分光っているのがわかると思います。写真ではキラキラ感が今ひとつ表現できていないのですが、実際に目にするともっときれいに輝きます。ビジュアル面にも引きがあります。

イラスト側の面も絵柄にはラメがコーティングしてあり、角度によって瞬く様子が楽しい。触るとザラザラしているのも、ちょっとおもしろい感触です。

そもそもやさしいゲームですが、小さなお子さんはより基本の練習遊びとして「同じ絵柄探し」の遊び方から始めるのもよさそうです。16種類のタイルを表向きに並べておき、裏向きにした残りから1枚めくり、同じものを見つけられたらオッケー、という感じです。かるたの要領で、読み手が「紫のユニコーンとウサギ!」と読み上げたのを早取りする競争にするのもありかもしれません。

絵柄の背景色は、同じものが4枚ずつあります。難しくしたい場合は、「4枚続けて同じ背景色のタイルをめくれたらゲット」としてもよいかもしれません。

…こうして並べていて気づいたのですが、同じ背景色同士のタイルには、イラストの共通点があるようです。

  • 紫→生き物ではないものが、大きく1つ描かれている
  • 水色→にっこり笑顔
  • ピンク→2匹の生き物がタッチ

他の背景色同士でも共通点が見つかりました。

  • 青緑→虹のかたち
  • 黄→空中を飛んでいる
  • 赤→2本足で立っている

説明書にはデザインについて解説はないのですが、意図的に描いているのかもしれません。ただ、自分ではどうしても共通点を見つけられないものもありまして……

黄緑とオレンジはどうしてもわかりませんでした。もしわかった方がいたら、こちらのフォームから教えてくださると嬉しいです(笑)。

これらのイラストを使って、お話作りの遊び方をするのも楽しいです。伏せたタイルから1枚めくっては、順番にお話をつなげていく感じです。例えば…

「ある天気のいい日のことでした」→「紫のユニコーンがひなたぼっこをしていました」→「そこに風船がフワフワ飛んできました」

……という感じ。自由に続けてもよし、「10枚でおしまいのお話にしよう」などと適当にルール的なものを設定するのもありでしょう。(「ローリーズストーリーキューブ」の遊び方を流用したアイデアです)

というわけで、神経衰弱というベースの遊び方に加えて、さまざまな遊び方もアレンジできそう。小さな子から遊べるシンプルさの中に、いろいろな楽しさや魅力が詰まったゲームです。

(おわり)