ゲーム紹介

*全員協力型

「スティッキー」─物理の限界にも挑めるバランスゲーム─

zitternix_001

「スティッキー」は、束ねられた棒を崩さないよう、慎重に抜いていくゲームです。バランス棒抜きと言えば「ジェンガ」が有名ですが、それとはまた違った考えどころのあるゲームです。

zitternix_002

中身をセットしたところはこんな感じ。3色の棒を木の輪で束ねて立てます。

zitternix_003

自分の番では赤・青・黄色のいずれかの目が出るサイコロを振り、その色と同じ棒を抜きます。上の写真はゲーム開始当初、まだまだ簡単です。

zitternix_004

しかし、抜いていくうちにだんだんバランスが崩れていきます。抜いた拍子に束が崩れて木の輪が下についてしまったら、その人の負け。束をよく観察して、手先を慎重に使って安全そうな棒を抜くのが基本戦略です。

zitternix_005

逆に言えば、完全に崩れなければオッケーなので、場合によってはわざとバランスを崩すように抜くのも勝利への道かもしれません。ただ、上の写真のように崩れてしまうと負けですから、積極的に攻めるか、慎重に守りに入るかは考えどころです。

zitternix_006

3色の棒は太さが違います。崩してしまった人は負けですが、その他の人は棒の色によってもらえる得点を計算して順位を競います。黄色は1点、赤は2点、青は3点。抜くときの危険性の高さと得点は比例していると言っていいでしょう。

zitternix_007

ゲームが進んでくると、サイコロで出た色の棒を抜いたら危ないと感じる場面に出くわすこともあります。その場合、すでに抜いた同じ色の棒を支払えば、棒を抜かずに次の人の順番に回すことが可能。崩れる危険を承知で抜くか、得点が減ることを受け入れて回避するか、ちょっとした考えどころです。

zitternix_008

誰も崩すことなく、残り3本になったときも得点計算に移ります。このゲーム、ここが物理的な限界だからです。

となると、限界まで行けるか試してみたくなる気持ちも湧いてくるというもの。得点を競うのではなく、プレイヤーみんなで残り3本まで抜き切ることを目標にすれば、全員協力型のゲームにもなります。ここまで行くのは意外と難しいので、「この棒いけるかな?」「それはまずいでしょ!」と、やりとりが生まれるのもおもしろどころ。

基本ルールで競うのも楽しく、全員で限界に挑むのもまた面白い。することはシンプルなので小さなこどもから楽しめつつ、意外と考えどころもあるのが楽しいゲームです。

(おわり)

「赤ずきん」─こどももできるシンプルさ、けど大人でも難しい協力型ゲーム─

akazukin_001

「赤ずきん」はオオカミより早くおばあさんの家に着くべく、プレイヤー全員が協力するタイプのゲーム。童話をモチーフにしていて、パッケージが本に見立てたデザインなのもかわいいです。

akazukin_002

中身のセット例はこんな感じ。このゲーム、プレイヤーがすることは、ほぼ「次のカードをめくるかどうかの判断」だけ。ただ、かわいいモチーフに反して、ミッションを成功させるのは結構難しいです。

akazukin_003

説明書で「お花あつめ」と名づけられている小さなセットを繰り返していくこのゲーム。セットのはじめに、まず山札の一番上のカードをめくります。そして、出てきたカードで咲いている白い花の数だけ、「お花あつめトークン」を裏側のまま乗せます。上の写真の例だと2つ。

ここで手番プレイヤーは「次のカードをめくるかどうか」の判断をします。ここではめくることにしてみましょう。

akazukin_004

4のカードが出てきました。さて、ここで数字比べをします。

比べるのは、「ここまでに並んでいるカードの枚数」と「今めくったカードに書かれた数」。写真では目印に置いた白いペンの先の数字を比べることになります。この場合、後者の方が大きいですよね。このときはセーフとなり、次のプレイヤーがさらにカードをめくるかどうかを判断します。ここではめくることにしましょう。

akazukin_005

出てきたカードは2なので、数字比べは同じ。この場合もセーフとなり、次のプレイヤーがまためくるかどうか決めます。ここではもうめくらないことにしましょう。

akazukin_006

その場合、カードに乗ったトークンをめくります。トークンの表には花か石が描かれていて、花の数を確かめます。上の写真では3つ。

akazukin_007

セットはこれで一区切り。赤ずきんコマを花の個数だけ進めます。また、セットの区切りではオオカミコマも必ず1マス進みます。

さて、ではちょっと時間を巻き戻します。めくるのをやめずに続けていたらどうなったか、見てみましょう。

akazukin_008

出てきたカードは1。数字比べではめくったカードの数字が小さくなり、判定はアウト。トークンをめくらずにセットはおしまいとなり、赤ずきんは進めず、オオカミだけが進みます。実際のゲームでは、欲張りや不運でセットが失敗することも結構ある。

akazukin_009

一度使ったカードとトークンは伏せて別の場所に置いておく。セットを繰り返す中でそれぞれ足りなくなったら、再びシャッフルして使いなおします。カードもトークンもぐるぐる回るわけです。

実際にやってみると、手堅くやろうとすると赤ずきんの進みが遅く、運に賭け過ぎてもセットが失敗して進めないままならなさがある。なんだこれ、毎セット1マスずつ進んでくるオオカミのルートは赤ずきんルートと比べてマスが少ないので、やたらと早く感じられる。

ただし、カードをめくるかどうかの判断は、運まかせだけではありません。カードとトークンの内容構成は上の写真のように一覧表としてまとめられています。つまり、すでに出てきたカードやトークンを覚えて把握することで、残りの内容がどんなものか、ある程度予想できるというわけです。

出てきたカードやトークンの情報をもとに、めくるか否かを決めていく。…それにしても、やっぱりオオカミ早くないか?

akazukin_010

コマを進めていくと、あらかじめ裏向きシャッフルで乗せておいた「?」マークのタイルのマスが4か所。赤ずきんかオオカミがそのマスまで進んできたらめくって確認。4か所のうち1つがおばあさんの家で、赤ずきんが先に到着したらミッション達成です。

数ゲームやってみたけど、オオカミがどんどん進んで全く勝てない。これ、ほんとにクリアできるのか?と疑問に思いながらも、繰り返すうちにコツをつかんで、カード構成の把握がだんだんできるようになる。少しずつ勝てそうな見込みがもてるようになり、10回目くらいでやっと勝利。

始めは勝ち方がさっぱりわからないくらいの難しさだが、何度もやることで「ん?そういうことか…」と徐々に判断の精度が上がっていくのが楽しい。めくるかどうかの判断は順番が回ってきたプレイヤーがするけれど、「この場合は行けるでしょ!」「ここ、慎重に行っとこうよ」と他のプレイヤーの意見も自然と飛び交うのが面白い。

やることはめくるかどうかを決めるだけなので、慣れないうちはとりあえず適当な判断でもいい。ただ、適当だけではおそらくクリアできないゲームバランス。ゆえに「どうしたらうまくいくんだ?」と知性を刺激されるのが楽しいゲームです。

(おわり)

「メルヘン王国を救え!」─時にはあきらめて、中成功を目指す─

meruhen-oukoku_001

「メルヘン王国を救え!」は、庭園に忍び込み、恐ろしい王様が破り捨てたおとぎ話を取り戻して脱出するゲームです。プレイヤーはメルヘン王国のこどもたちになって、目的達成のために協力します。

meruhen-oukoku_002

中身をセットするとこんな感じ。箱の中のタイルは3つを除いて2段重ねになっていて、上段のタイルは15パズル(スライドパズル)のように動かせます。

meruhen-oukoku_003

自分の番にすることは2つ。1つ目は、タイルを2回スライドさせること。1枚でもいいですが、指で一押しできるなら複数枚いっぺんでも1回カウントです。タイルの上にいるこどもコマごとスライドもできます。

このゲームの目的のひとつは、王様に真っ二つに破り捨てられたおとぎ話を取り戻すこと。どうすればできるかと言うと…

meruhen-oukoku_004

タイルをスライドさせた結果、絵のつながった2枚が同時に見えるようにする。こういう状態にできると、おとぎ話カードをもらい、絵のつながったタイルを裏返しにします。こうしてうまくつなげることができた場合は、茶色の枯れ草タイルをどれか1枚裏返して、緑の草にすることができる。

プレイヤーは全員でひとつのチームなので、つなぐべきタイルがどこにあったかは教えあっていい。記憶を共有して解決できるのだ。

meruhen-oukoku_006

自分の番にすることの2つ目は、自分の色のこどもコマを1マス移動させること。枯れ草には移動できませんが、緑の草には移動できます。これで次のプレイヤーに交代。

meruhen-oukoku_008

こうしておとぎ話を取り戻しつつ、庭園の出口から抜け出ることを目指すのがもう1つの目的。ただし、自分の番でタイルを揃えて絵をつなげることができないと…

meruhen-oukoku_007

庭園の出入り口から外に出た王様が一歩進みます。こどもたちが全員脱出する前に、王様が一周して出入り口に戻ってきてしまうと、プレイヤー全員の負け。

取り戻すべきおとぎ話は12種類。もちろん、全て取り戻して全員が脱出するのが大成功。ただ、全員が脱出する前に王様が一周するとプレイヤー全員の負けなので、状況によってはいくつかあきらめて中成功を選んだ方がよい場合もあるかもしれない。

meruhen-oukoku_005

誰かがぎりぎりまで粘っておとぎ話を取り戻そうとしても、王様が戻ってきてしまったなら、いくらたくさん話を取り戻していても負け、というのがこのゲームのルール。おとぎ話の奪還より、こどもが無事に戻ることの方が価値が高いというのがこのゲームの世界観なのだろう。

2つの目的を目指すとき、メインの目的を得るために、サブの目的を妥協したり一部あきらめたりする。あるよね、そういうこと。大人ならわかる。

でも、サブの目的も可能な限りは達成したい。安易に妥協やあきらめに流れず、できるところまで手に入れたい。あるよね、そういうこと。大人ならわかる。

(脱出の)戦略を練りつつ、(記憶を共有して)協力しながら(スライドパズルという)状況を動かしていくだけで十分やりごたえのあるミッションであろうに、加えて目的達成レベルの調整と決断も求められる。舞台はメルヘン王国だけど、要素の組み合わせとしては、大人が生きてく上でしばしばしなくちゃいけないやつだぞ、これ。

そう言ってしまうと仕事みたいでつまんないようにも聞こえますが、やればわかるようにこのゲームはとても面白いので、仕事の方のことをゲームみたいで面白いと思った方が得だと思います。

(おわり)

« 1 9 10 11 12 »
PAGETOP
Copyright © さいころテーブル All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.