「メルヘン王国を救え!」─時にはあきらめて、中成功を目指す─

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「メルヘン王国を救え!」は、庭園に忍び込み、恐ろしい王様が破り捨てたおとぎ話を取り戻して脱出するゲームです。プレイヤーはメルヘン王国のこどもたちになって、目的達成のために協力します。

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中身をセットするとこんな感じ。箱の中のタイルは3つを除いて2段重ねになっていて、上段のタイルは15パズル(スライドパズル)のように動かせます。

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自分の番にすることは2つ。1つ目は、タイルを2回スライドさせること。1枚でもいいですが、指で一押しできるなら複数枚いっぺんでも1回カウントです。タイルの上にいるこどもコマごとスライドもできます。

このゲームの目的のひとつは、王様に真っ二つに破り捨てられたおとぎ話を取り戻すこと。どうすればできるかと言うと…

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タイルをスライドさせた結果、絵のつながった2枚が同時に見えるようにする。こういう状態にできると、おとぎ話カードをもらい、絵のつながったタイルを裏返しにします。こうしてうまくつなげることができた場合は、茶色の枯れ草タイルをどれか1枚裏返して、緑の草にすることができる。

プレイヤーは全員でひとつのチームなので、つなぐべきタイルがどこにあったかは教えあっていい。記憶を共有して解決できるのだ。

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自分の番にすることの2つ目は、自分の色のこどもコマを1マス移動させること。枯れ草には移動できませんが、緑の草には移動できます。これで次のプレイヤーに交代。

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こうしておとぎ話を取り戻しつつ、庭園の出口から抜け出ることを目指すのがもう1つの目的。ただし、自分の番でタイルを揃えて絵をつなげることができないと…

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庭園の出入り口から外に出た王様が一歩進みます。こどもたちが全員脱出する前に、王様が一周して出入り口に戻ってきてしまうと、プレイヤー全員の負け。

取り戻すべきおとぎ話は12種類。もちろん、全て取り戻して全員が脱出するのが大成功。ただ、全員が脱出する前に王様が一周するとプレイヤー全員の負けなので、状況によってはいくつかあきらめて中成功を選んだ方がよい場合もあるかもしれない。

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誰かがぎりぎりまで粘っておとぎ話を取り戻そうとしても、王様が戻ってきてしまったなら、いくらたくさん話を取り戻していても負け、というのがこのゲームのルール。おとぎ話の奪還より、こどもが無事に戻ることの方が価値が高いというのがこのゲームの世界観なのだろう。

2つの目的を目指すとき、メインの目的を得るために、サブの目的を妥協したり一部あきらめたりする。あるよね、そういうこと。大人ならわかる。

でも、サブの目的も可能な限りは達成したい。安易に妥協やあきらめに流れず、できるところまで手に入れたい。あるよね、そういうこと。大人ならわかる。

(脱出の)戦略を練りつつ、(記憶を共有して)協力しながら(スライドパズルという)状況を動かしていくだけで十分やりごたえのあるミッションであろうに、加えて目的達成レベルの調整と決断も求められる。舞台はメルヘン王国だけど、要素の組み合わせとしては、大人が生きてく上でしばしばしなくちゃいけないやつだぞ、これ。

そう言ってしまうと仕事みたいでつまんないようにも聞こえますが、やればわかるようにこのゲームはとても面白いので、仕事の方のことをゲームみたいで面白いと思った方が得だと思います。

(おわり)