「インカの黄金」─度胸試しの引き際を見極める神殿探検─
「インカの黄金」は、神殿を探検してできるだけたくさんの宝物を手に入れるゲーム。探検ではきれいな宝石だけでなく化け物や罠も出てくるので、うまく持ち帰るタイミングの見極めが大切です。
箱の中身はいろいろありますが、まずはこちらの「お宝カード」。1~17個のお宝を得られるカードです。
続いてはこちらの「障害カード」。神殿の中で出会う障害として、毒ヘビ・毒グモ・炎の罠・落石・ミイラがあり、それぞれ3枚ずつとなっています。
3~8人でプレイできて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。「お宝カード」と「障害カード」は合わせてよく混ぜ、1つの山札とします。
いよいよ神殿の探検を開始しましょう。全部で5ラウンドおこないますので、5枚の「神殿カード」のうち、1のカードをひっくり返して目印にします。
このゲームに自分の番というものはありません。そのラウンドの進行役を適当に決め、山札を1枚めくります。冒険気分を盛り上げるために、出てきたカードは「これから進む一歩先の通路」と考えてください。今回出てきたのは、11という数字が書かれた宝石カード。
では、11個の宝石を4人のプレイヤーで山分けします。11÷4=2あまり3、ということで、1人2個の宝石をそれぞれに配られたテントの脇に置きます。これらの宝石、私はいつも「探検しながらとりあえず腕に抱えて持っているもの」としてイメージしています。
あまりの3つの宝石はうまく山分けできないので、とりあえずカードの上に置いておきましょう。あとから誰かが手に入れることになるかもしれません。
さてここで、各プレイヤーは探検を続けて「進む」か、これまでの宝石を確保して「戻る」かを選択します。
その意思表明は、全員に配られている「戻る」「進む」のカードのいずれかを裏返しで出すこと。カードのデザインがちょっと間違いやすいのですが、顔が出口に向かっているか、神殿の奥に向かっているかで区別をするとよさそうです。
全員が出したら一斉に公開。ここでは全てのプレイヤーが「進む」を出したことにします。まだ探検は始まったばかりです。
続いて出てきたカードは2の宝石。これは4人で割れないのでそのままにしておき、さらに全員が進んだことにして、出てきたのは毒ヘビ。
プレイヤーたちは驚いてビクッとなったと思ってください。まだ抱えている宝石は落としていません。でも、この先の探検で再び毒ヘビが出てきたら、恐怖のあまり宝石を投げ出して逃げ出すことになります。
さあ、「進む」か「戻る」かどうしましょう。進めばさらなる宝石を手に入れられるかもしれません。戻れば抱えた宝石を確保しつつ、戻る途中の通路に散らばっている宝石も回収できます。堅実に得るか、リスクを取って進むか、自分の意志で決める必要があります。
迷うところですが、今回のプレイヤーたちは続けてさらに3回進んだとしましょう。13や4の宝石カードが出て抱える宝石は増えつつ、ミイラも登場して徐々に危険は高まります。
そして上の写真の状況、ついに「進む」と「戻る」のカードが分かれました。
「戻る」を選んだプレイヤーは2人。戻る途中の通路に散らばる宝石は6個。1人で逃げていれば独り占めできましたが、今回は2人で分け合って3個ずつ拾って神殿を出ました。
無事に戻れたので、取った宝石はテントの中に入れましょう。これで得点が確定します。テントの中は秘密なので、誰が何点取ったかよく見て覚えておくことで、今後のプレイでの選択にも関わってきます。
神殿に残った2人は探検をさらに進めます。抱える宝石が順調に増えたのはよいのですが、ついには2枚目の毒ヘビが。驚きのあまり、抱えた宝石は全て投げ出し、通路に散らばる宝石を拾う余裕もなく、すっからかんでテントに戻ります。このラウンドでは得点なしという厳しい結果です。ただ、ゲームの順位は5ラウンド終わった時点での得点で競いますから、残りの4ラウンドでの逆転もまだまだあり得ます。
というわけで、神殿を進む度胸試しのようなこのゲーム。進むほどに宝石は増えていくので興奮しますが、ほどほどの自制心も持たなければパーになります。
緑色のトルコ石は1点、黒い黒曜石は5点、黄色に輝く黄金は10点なので、適宜両替してオッケー。このビジュアルもこどもたちの射幸心を煽るようですが、探検では調子に乗り過ぎると全てを失うので、自分の気持ちをどうコントロールするかがポイント。
運の要素が強いので、どういう戦略が勝ちやすいかは明確ではないかも。ただ、手堅くしすぎても得るものは小さく、欲張り過ぎても台無しになるのは人生にも通じるところがありそうなゲームです。
(おわり)