「赤ずきんは眠らない」─罠にかける?食べられちゃう?簡単ルールの心理戦─

「赤ずきんは眠らない」は、赤ずきん・ブタ、そしてオオカミが、罠にかけるか食べられるかを賭けておこなう心理戦のゲーム。選択がシンプルな分、はったりや深読みが熱いです。

3~6人でプレイできますが、4人プレイの例で説明します。

ゲームはラウンド制。最初のラウンドでのオオカミ役を決め、オオカミカードを受け取ります。また、オオカミ役は他のプレイヤーに赤ずきん・おやぶた・こぶたのカードのいずれかを渡します。カード左上の数字が違いますが、これはあとからポイントになってきます。誰にどれを渡すかはオオカミの自由です。

さて、ゲームのセット例はこんな感じ。オオカミの目的は、寝ている赤ずきん・ブタを襲うこと。赤ずきん・ブタの目的は、襲ってくるオオカミを罠にかけるか、襲ってこないことを見越してスヤスヤ眠りにつくかのいずれかです。

オオカミ以外のプレイヤーには「おうちタイル」が配られます。「おやすみなさい」と「トラップ」の面の両面刷りになっていて、いずれの面を出すかでスヤスヤ眠るか罠にかけるかを決めます。

ラウンドが始まったら、まずオオカミ以外のプレイヤーは「おやすみタイル」のどちらの面を出すかを決めて、自分のカードでこっそり覆います。

全員が覆ったら、オオカミの出番。誰を襲うかをよく考えて決めましょう。オオカミ以外はぶつぶつ言って惑わせるのもオッケー。嘘を言うものもありです。

……うーん、ここでは赤ずきんを襲うことにしてみます。

襲われたプレイヤーは、カードを開けてタイルを公開。この場合、赤ずきんは寝ていたのでオオカミの襲撃が成功。オオカミが、赤ずきんのカードにある数字の「3」点を、得点チップの山からゲットです。(赤ずきんはチップを持っていたら山に3点支払う必要がありますが、0点より下のマイナス点にはなりません)

で、ここでちょっと巻き戻してみます。

赤ずきんがトラップを仕掛けていた場合は、赤ずきんが3点ゲット。(オオカミの支払いルールは先程と同じです)

さて、オオカミが襲わなかったプレイヤーを見てみましょう。こぶたは寝ていました。休んで元気になったので、カードにある数字の「1」点をゲット。おやぶたはトラップでしたが、オオカミは来ませんでした。この場合、得点も失点もありません。

これで最初のラウンドは終了。失点したプレイヤーが次のラウンドのオオカミとなり、他のプレイヤーにカードを配って再びラウンド開始、という流れで進めていきます。

透明チップは1点、赤チップは5点。こうして得点のやりとりをするうち、誰かが10点取ったらそのプレイヤーが勝者です。

最初のラウンドこそ勘かもしれませんが、だんだん熱くなるのがこのゲーム。得点の状況や、誰が何のキャラクターであるかによって、思惑は交錯。それぞれの立場で「こうしたいけど、あぶないかも……でも思い切って……いやいや…」と、迷いがち。リスクのとり方の判断が求められます。

そして、はったりをかましたり、あえて正論を言ったり、カマをかけたり…と、コミュニケーションはなんでもオッケー。また、表情を読んだり、逆に表情を作ったりと、言葉以外の振る舞いにも駆け引きが生まれます。心理の読み合いと、駆け引きのやりとりが楽しいゲームです。

(おわり)