「ドラダ」─乗ったり乗られたり、遅いゴールを目指すすごろく─

「ドラダ」はサイコロを振ってコマを進めてゴールを目指す、すごろくタイプのゲーム。ただし、遅くゴールする方が得点が高く、その道のりにもいろいろなドラマが待っていて楽しいです。

2~4人でプレイできて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ↓

左下のスタートから、右上のゴールを目指します。真上から撮った写真だとわかりづらいですが、スタートはこんな感じになっています↓

各プレイヤーのコマが4段重ね。各自4つのコマを持っているわけです。ではゲームスタート、自分の番ではまずサイコロを振ります。

サイコロは普通に1~6の目のもの。ここでは5が出たので5マス進めます。ここは普通のすごろくと同じです。

こうして順番にサイコロを振ってはコマを進めていくのですが…

止まったマスにコマがあった場合はその上に重ねて置き、下のコマは動かせなくなります。ここは普通のすごろくと違いますね。

さて、手番が一周してピンクさんの番では2が出ました。

ここはちょっと考えどころ。写真のピンクコマを2マス進めた先は、穴ぼこになっています。飛び越えて進むことはできるのですが、ちょうどここに止まると…

コマがひっくり返って穴に埋まり、もう動けなくなってしまいます。自分自身がマスになった、というわけです。さて、ちょっと巻き戻して確認してみましょう。

ピンクさんが2を出したとき、見えているピンクのコマは2つ。どちらを動かしてもオッケーですので、今回はスタートにいるコマを動かすことにしました。…という具合に、今ならどのコマを進めればいいか観察と判断をしながらゲームを進めていきます。

こうしてコマがどんどん重なることもしばしば。上に乗られているコマは動かせないので、一番下のコマはいつになったら動けるのやら……なのですが、このゲームはあとからゴールした方がお得。なので心配はいりません。

さて、再び回ってきたピンクさんの番で、こんな状況でした↓

出た目は2。動かせるコマは2つ。穴に落ちるのは嫌なので、先にいるコマを進めようというところです。

進んだ先は黄色のマス。ここに止まると強制的にゴールへとワープします。

というわけで一気にゴールではありますが、嬉しいかどうかは微妙です。ゴールにもいずれコマが重なっていき、終了時の得点は一番上のコマが100点、その下は80点、続いて60、50、40点…とだんだん下がっていきます。ゆっくりゴールした方がよいというの得点がこうなっているからというわけです。

続いて、青さんの番が来たときにこんな状況でした↓

見えている自分のコマがありません。このときは自動的に番が飛ばされます。普通のすごろくだとがっかりの場面ですが、このゲームではそういうわけでもなさそうです。

途中には止まると表記の数だけ進んだり戻ったりするマスもあります。ここでも想像以上にいろいろなドラマが起きて盛り上がります。

ゴール前は穴ぼこだらけで、早めに行っても埋まるだけかも…という展開もあったりします。サイコロのゲームなので運要素は強いですが、その中でも観察と先読みでコマをどう進めるかが考えどころです。

こうして全てのコマが穴にはまるかゴールしたらゲームはおしまい、得点を計算して順位を競います。

昔ながらのすごろくはほぼ運だけのゲームですが、コマが4つあることと遅いゴールを目指すことで、ほどよく戦略性が生まれています。1988年に発表されたゲームですが長い間販売が途絶えていて、2024年に国内流通が復活しました。箱にはなぜか「12歳から」とあるのですが、家族でも楽しめつつ、気軽に大人で遊んでも盛り上がるゲームです。

(おわり)