「ナンジャモンジャ」─センスと記憶と瞬発力の名前早呼び合戦─

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「ナンジャモンジャ」は、不思議な生き物にオリジナルの名前をつけ、再出現したら名前を素早く呼ぶゲーム。早呼びなので緊張感があるはずなのですが、なぜだか笑いもやたらと巻き起こります。

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箱の中身は全てカード。「ナンジャモンジャ族」という不思議な生き物が12種類。それぞれ5枚ずつで、全部でカードは60枚。2~6人で遊べて、ゲームを始めるときは全てのカードを裏向きに積んで山札とします。

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自分の番では、山札一番上のカードをめくります。理由はあとからわかりますが、めくるときにはカードの奥側を持ち、自分の方に先に表側が見えないようにして、素早くめくります。

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めくったカードは山札の隣に置きましょう。出てきたのは、この緑色のナンジャモンジャ族。

説明書によると、彼らはすぐに自分の名前を忘れてしまうそうなので、めくった人が名前をつけてあげましょう。名づけ方は自由。見た目の特徴からつけるとすると「スイカマン」とか「みどり丸」でしょうか。ここでは「スイカマン」と命名したいと思います。

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こうして各プレーヤーが順番にめくっていき、未知のナンジャモンジャ族が出るたびに命名していきます。これは……「巻き髪」にしようか。

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ではこいつはどうでしょう。覚えやすく「あしなが」で行ってみましょうか。

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ただ、ナンジャモンジャ族には上の写真の左右のようなのもいる。「あしなが」だと混乱するかもしれない。より細かく観察して「むらさきハンド」でもいいかもしれないし、逆に特徴からは完全に離れて発想して「勅使河原」とかにしちゃってもいい。

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さて、命名しながらめくっていくと、すでに名前をつけたナンジャモンジャ族が出現することが。このタイミングで名前を早呼びです。ここでは「スイカマン!」と一番早く呼んだプレーヤーが得点を得ます。よく覚えておいて、素早く反応することがポイント。

得点は、そこまでに積み上がったカード。それらを全て自分の手元にゲットできる、というわけ。カードをめくるとき、自分が先に見えないようにする理由もここにあります。めくり方ひとつにもゲームをする上での公正さがあることを実感できるでしょう。

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そして再びカードめくりに戻ります。このピンクのやつは、わかりやすく「桃色ボール」でも、意表を突いて「ゴンザレス」でもいい。自分が覚えやすくしたり、他のプレーヤーを混乱させたりと、命名の発想の仕方も工夫のしどころ。

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このオレンジのやつは……どうしよう? 色と表情から、ここではわかりやすくする方針をとって「みかん坊主」にしておこう。

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こんな風にして各プレーヤーが名前をつけたり呼んだりして、得点としてのカードがたまっていきます。上の状態、普通なら「みかん坊主!」と叫ぶところです。

でも、めくったカードがいずれかのプレーヤーが得たカードの一番上にある場合、叫ぶ言葉が「ナンジャモンジャ!」に変わります。記憶だけでなく、視野を広くもって素早い状況判断をすることが必要になる場面であるわけです。山札がなくなるまで続けて、取ったカードが多いプレイヤーが勝者です。

シンプルながらも、名付けの発想・目と耳での記憶・素早い状況判断と、実は要素は意外と多い。それから、やってみるとわかりますが、なんと言っても盛り上がるんです。真剣さゆえの緊張感と、間違えたりうまくいったりしてそれが解ける開放感とのリズムがいいからでしょうか。絵の面白さもあって笑いもしばしば巻き起こる、楽しいゲームです。

(おわり)