「バルーンズ」─風船が割れちゃうかも…ドッキドキのカードめくり─

「バルーンズ」は、カードをめくって自分の風船が割れたり復活したりする中、ゲーム終了時に1番多く残すことを目指すゲーム。…と言ってもほぼ運100%なので、できることはドキドキしながら祈ることだけ。やさしいルールで、ゲームの基本を経験するのにぴったりです。

箱の中身はすべてカードで、大きく分けて2種類。こちらは「風船カード」で、5色の風船が5枚ずつあります。

こちらは「アクションカード」。5色の風船が割れたりなくなったりする、残念な様子が描かれているものが4枚ずつ。それらに加えて、右下にあるのが「おかあさんカード」。のちほど説明しますが、これだけはラッキーなカードです。

さて、ゲームは2~5人でプレイできて、3人で遊ぶときのセット例はこんな感じ。風船カードを1人5枚ずつ配り、自分の前に表向きで並べましょう。残りの風船カードはゲームで使いません。アクションカードはよくシャッフルして裏向きの山札としてまとめて置いておきます。

自分の番にまずすることは、アクションカードを1枚めくること。そして、自分の前に並べてある風船カードと比べましょう。

上の写真では赤い風船が割れるカードを引きました。でも、自分の前に赤い風船のカードはありません。このときは何も起きず、アクションカードを捨て札にして次のプレイヤーに交代です。

引いたアクションカードの色が、自分の前にある風船と同じだったら大変です。この場合……

同じ色の風船カードを1枚、裏向きに伏せます。風船がなくなってしまったというわけです。小さな子にとってはとてもがっかりする出来事だと思いますが、それでもルールに沿ったことをする場面です。

ラッキーなこともあります。伏せてあるカードがあるときにおかあさんカードを引いた場合は、好きなカードを1枚表向きに直すことができます。なくなってしまうのは残念ですが、うれしいこともちゃんと起きるわけです。

こうして風船がなくなったり復活したりを繰り返していくうち、誰かが5枚とも風船カードを伏せたらゲームはおしまい。その時点で表向きの風船カードが一番多い人が勝ちです。風船が残り1つになると本当にハラハラしますが、その色が出てくる確率は5分の1なので、意外と持ちこたえるのもゲームとしてよくできています。

考えることはほぼない運のゲーム。考えどころがないからこそ、「順番がある」「自分の番にすることがある」「出てきたものに対応する行動がある」という、ゲームの基本を純粋に経験できます。箱に「3歳から」とあるように、小さな子が初めて遊ぶゲームとしてぴったりでしょう。

運のゲームということは、繰り返し遊ぶことで誰にでも勝てるチャンスがあるとも言えます。手加減の余地がないので、大人と対等に勝ったり負けたりする経験にもなります。

説明書のルールでは、アクションカードの山札が尽きてもゲームが終わらないときは、シャッフルして山札を作り直して続けることになっています。もちろんこのルールでもいいのですが、なかなか終わらず冗長になることもあります。

ネットで紹介されていたアレンジルールですが、短時間で決着をつけたい場合は「山札が尽きた時点でゲームをおしまいとして、その時点で残っている風船の数で競う」とするのもよさそうです。

もうちょっと長い間ドキドキしたい…という場合は、「山札が尽きるたびに『おかあさんカード』を1枚抜いて山札を作り直す」とすると、風船が復活する確率が減って決着につながります。このゲームは「1人が完全に負ける」というタイプのゲームですので、そうした厳しさをゲームの中で味わうのもよい経験だと思います。

運のゲームは「結果がじっくりわかるくじ引き」とも言えます。結果がわかるまでの間に感情の起伏を味わいながら、ゲームの基本を楽しく経験できるゲームです。

(おわり)