「スティッキー」─物理の限界にも挑めるバランスゲーム─

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「スティッキー」は、束ねられた棒を崩さないよう、慎重に抜いていくゲームです。バランス棒抜きと言えば「ジェンガ」が有名ですが、それとはまた違った考えどころのあるゲームです。

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中身をセットしたところはこんな感じ。3色の棒を木の輪で束ねて立てます。

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自分の番では赤・青・黄色のいずれかの目が出るサイコロを振り、その色と同じ棒を抜きます。上の写真はゲーム開始当初、まだまだ簡単です。

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しかし、抜いていくうちにだんだんバランスが崩れていきます。抜いた拍子に束が崩れて木の輪が下についてしまったら、その人の負け。束をよく観察して、手先を慎重に使って安全そうな棒を抜くのが基本戦略です。

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逆に言えば、完全に崩れなければオッケーなので、場合によってはわざとバランスを崩すように抜くのも勝利への道かもしれません。ただ、上の写真のように崩れてしまうと負けですから、積極的に攻めるか、慎重に守りに入るかは考えどころです。

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3色の棒は太さが違います。崩してしまった人は負けですが、その他の人は棒の色によってもらえる得点を計算して順位を競います。黄色は1点、赤は2点、青は3点。抜くときの危険性の高さと得点は比例していると言っていいでしょう。

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ゲームが進んでくると、サイコロで出た色の棒を抜いたら危ないと感じる場面に出くわすこともあります。その場合、すでに抜いた同じ色の棒を支払えば、棒を抜かずに次の人の順番に回すことが可能。崩れる危険を承知で抜くか、得点が減ることを受け入れて回避するか、ちょっとした考えどころです。

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誰も崩すことなく、残り3本になったときも得点計算に移ります。このゲーム、ここが物理的な限界だからです。

となると、限界まで行けるか試してみたくなる気持ちも湧いてくるというもの。得点を競うのではなく、プレイヤーみんなで残り3本まで抜き切ることを目標にすれば、全員協力型のゲームにもなります。ここまで行くのは意外と難しいので、「この棒いけるかな?」「それはまずいでしょ!」と、やりとりが生まれるのもおもしろどころ。

基本ルールで競うのも楽しく、全員で限界に挑むのもまた面白い。することはシンプルなので小さなこどもから楽しめつつ、意外と考えどころもあるのが楽しいゲームです。

(おわり)