「ザ・ゲーム」─やりとりがもどかし面白い、協力型の数字並べ─

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「ザ・ゲーム」は、他プレイヤーと限定条件のもとで情報をやりとりしながら数字カードをできるだけたくさん出していく、全員協力型のゲームです。見た目はおっかないですが、内容はそんなことありません。

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中身の全ては写真の通り。1と100のカードが2枚ずつ、2から99までのカードはそれぞれ1枚ずつです。とてもシンプル。

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1~5人でプレイできますが、3人プレイ時のセット例はこんな感じ。2枚ずつの1と100、カードを出していく場所のセットの仕方は説明書とちょっと違うのですが、わかりやすいと思ってこうしています。

カード出し場は4か所あり、1から数字をだんだん大きくして出していく場所が2か所、100から小さくしていく場所が2か所。ここにプレイヤー全員で可能な限りたくさんのカードを出していくことがこのゲームの目的です。

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自分の番では、いずれかの置き場にカードを2枚以上出します。写真は4と94を出したところ。数字の間は飛んでもよいですが、カードは基本的に小さい順・大きい順にしか出せません。カードをたくさん出すことが目的なので、飛ばす数は少ない方が有利、というわけ。

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カードを出したら、出した枚数と同じ枚数のカードを山札から補充します。上の例では2枚出したので、2枚補充したところ。そして次のプレイヤーの番に移り、カードを出しては補充して…を順番に繰り返していきます。

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繰り返しになりますが、ゲームの目的はカードをたくさん出すこと。なので、97の次に96を出すように、差が1のカードを出せると嬉しい。

こうして順番にカードを出していく中、プレイヤー同士手札を見せ合うことはできませんが、「ここは出さないで!」「この場所、出しちゃってもいい?」などとコミュニケーションをとることはオッケー。ただし、コミュニケーションには条件があり、具体的な手札の数字を言うことや、数字が特定できる示唆の発言は禁止。

「96持ってるから、97のところには出さないで!」とは言えないわけです。「97のとこ、かなりいいから任せといて!」ならオッケー。表現を工夫しながら、なんとか互いの状況を伝え合うのがもどかしくて面白い。「結構いいカード」「まあまあのカード」「やばいカードしかない」など、あいまいな表現しか使えません。でも、同じメンバーでプレイを繰り返すうち、だんだんそれがどれくらいを意味しているのかが通じ合うようになっていくのが嬉しい。

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そのときの状況からすると厳しいカードしか手札にない場合も当然発生。自分の番には最低2枚はカードを出さなくてはならないので、9の次に24を泣く泣く出すしかない……なんて場合もあります。

しかし、カードを出すときには1つ特別なルールがあります。

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それは、「数字がちょうど10違うカードについては、巻き戻して出せる」というもの。上の写真の場合、24の次には基本的に25以上のカードしか出せないのですが、24より10小さい14のカードは特別に出せるというわけ。これによって、だんだん上がっていく数字を回復させることができる。

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このルールは小さく出していく場でも同じ。87以下しか出せないはずの88の次に、98なら出せるわけです。この「10巻き戻し」を有効に使わないと、どんどん数字が大きく/小さくなっていってしまうので、プレイヤー間のコミュニケーションではうまく巻き戻せるカードがあるのを伝えるのもポイント。もちろんその時も、具体的な数字やあからさまな示唆はできません。

こうして進めていき、プレイヤーの誰か1人でもカードを出せなくなったらゲームオーバー。説明書によると、残りの山札と全員の手札の合計が9枚以下ならプレイヤー全員の勝利。もちろん、全て出し切ったら完全勝利です。

個人的には今のところ2人でプレイしたことしかないのですが、20回以上やっての最高記録は残り1枚。完全勝利は未達成ですが、だんだんやりとりや出し方がうまくなって、記録が伸びていくのが楽しいゲームです。

(おわり)