「クラッシュアイスゲーム」─失敗してガシャーン!が癖になる気持ちよさ─
「クラッシュアイスゲーム」は、ペンギンを落とさないようにブロックをハンマーで叩いて落っことすゲーム。ジェンガやスティッキーのような「崩しちゃダメ」系ですが、なぜか笑える気持ちよさがあります。
セット例はこんな感じ。箱には2~4人と書いてありますが、やろうと思えば何人でも遊べます。
自分の番にまずすることは、ルーレットを指で弾いて回すこと。矢印の止まったところを確認しましょう。
それぞれの絵に従って、ブロックを落としていきます。……なのですが、個人的にはゲームのリズム感を優先させて、ルーレットなしでどんどん交代していく方が好みです。もちろん、ルーレットありにした方が、ゲーム性は上がるかもしれません。
どっちにしても次にすることは、ハンマーでブロックを叩いて落とすこと。慎重に叩くもよし、あえて思い切っていくのもよし。自分の感覚だと、少々強めに叩いてスコーンと打ち抜くのが気持ちよく感じます。
ブロックだけが落ちればセーフですが、ペンギンまで落ちてしまうと負け。どのブロックを叩けば大丈夫なのか、よく観察することがポイント。力の調整も必要です。
ゲームが進んで、だんだんブロックが減ってくると考えどころ。こことここが支え合ってるから、ここなら叩いてオッケーだな…と、よく見ると気づくことがあるはずです。
そう思って叩いても、ダメになっちゃうときもあります。こうなると即刻負け。勝者を決めるのではなく、1人の負けを決めるゲームであるわけです。
そう言うとシビアであるはずなのに、このゲームの不思議な魅力は負けたときの感覚にある。ジェンガなら「あーあ、やっちゃった……」とショックですが、このゲームだと「あっはっは、やっちゃった!」と、なぜか笑える感じがするのだ。
それは、ガッシャーン!と、ほんとに氷を砕いたような感触が気持ちいいからかもしれない。崩したときの音にも魅力があるので、しっかり固い平面の上でやるのがオススメ。
もう1回!となりやすいこのゲーム。準備にはブロックを全てはめこむ必要があるので、ちまちました手作業がしばらく必要。手間ではあるけれども、この作業もなんとなく味わいがある。ギュギュッとブロックを詰めていく感触は、小さな子供が手先を使う経験としてもちょうどよさそう。「準備をした先に楽しみが待っている」という経験にもなる。
ゲーム中には、ブロックが奇跡的な崩れ方をすることもあって、歓声や笑い声があがることもしばしば。ゲーム全体としてはざっくりした作りだけど、そのゆるさが生む偶発的な面白さがとっても楽しい。
観察のしがいや考えどころがあって、力の入れ方にも工夫が必要。そして、直感的な気持ちよさや、みんなでワッと笑える楽しさも魅力。負けてもうれしいような気持ちになるのが不思議なゲームです。
(おわり)