「ガス・アウト」─リアルに鳴り響くおならをめぐる攻防─
「ガス・アウト」は、カードを出してはガスターくんを押し、おならをさせないように生き残るゲーム。おならは実際の音としてかなりリアルに鳴り響くので、特定層からは異様な盛り上がりを引き出します。
まずはゲームの主人公であるガスターくんを紹介しましょう。中には電池が入っていて、クッション性のある体を押すと「ポヨッ」と音がします。
何度か押すとわかるのは、「ポヨッ」という音がだんだん高ぶっていくこと。
こりゃなんか起きるぞ…という予感は的中し、そのうち「ブブブブ…ブブ~」とおならが発生。たまりにたまっていたのか、音が長いです。おならが鳴るまでの「ポヨッ」の回数はランダム。ゲームの目的は、ガスターくんにおならをさせずに切り抜けることです。
さて、ゲームは2~6人でプレイできて、3人プレイ時のセット例はこんな感じ。ガスターくんを真ん中に置き、各プレイヤーにカードを3枚ずつ配ります。
自分の番にすることは3つ。まずはカードを1枚出しましょう。そして、出したカードの数字と同じ回数だけガスターくんを押します。最後にカードを山札から1枚補充して、次のプレイヤーに交代。ガスターくんを押したときにおならが鳴ったら、即刻ゲーム脱落です。
カードには押すことをスキップするものや、順番を逆回転にするものも。これらを活用したり、出す数字を調節したりしながら、おならを鳴らさずに最後まで生き残ったプレイヤーが優勝です。「ポヨッ」の高ぶりに耳を傾けておなら発生を予測し、カードをうまく使って切り抜けることがポイントです。
…とまあ、運の要素はかなり強いながら、考えどころもある。ただ、このゲームで私が釈然としない点は、「おならをさせた人が負け」というルールだ。
いや、おならはした方がいいでしょう。我慢してたら体によくない。おならをするのが悪だと思いたくない。また、この手のゲームは雰囲気作りや時間調整に出番がありそうだから、配る手間のあるカードを使わず極限までシンプルにするのもよさそう。
そういうわけで勝手にルールを考えた。「ここにいるのはガスターくん。なんだか苦しそうな顔をしてるよね。実は、おならが出そうなのになかなか出なくて苦しんでるんです。みんなでおなかを押してあげて、すっきりさせてあげましょう」とか言って、放屁をポジティブに捉えたい。ルールを逆転させて、おならを出した人が勝者だ。
- カードは配らず、最初のリーダープレイヤーを決める。
- リーダーは、1・2・3のいずれかの数を宣言して、その数だけガスターくんを押す。
- 時計回りで他のプレイヤーも同じ数だけ押す。一周してリーダーも再びその回数押す。
- ここまで放屁なしの場合、左隣のプレイヤーにリーダーが移り、数を宣言して押して……を繰り返す。
- おならを出させたプレイヤーが1点ゲット。何点先取かを決めておいて、誰かが達するまで続ける。
…という感じだ。リーダーの際、どの数を宣言するかはリスク管理として考えどころ。「ポヨッ」の高ぶり具合も踏まえて判断する必要がある。
おならの音には何種類かあって飽きさせない。また、背面のスイッチを切り替えて「お試しモード」にすると、百発百中でおならが出るようになる。スリルを度外視して堪能したいときはおすすめだ。
独特のドキドキ感と、少なめながらも考えどころもある。シンプルさとテーマ性で、ある種の破壊力を持つゲームです。
(おわり)