「短所を長所に変えたいやき」─短所と長所が表裏になっているカルタ─

「短所を長所に変えたいやき」は、短所・長所をあらわす言葉が裏表に書かれている札を使って遊ぶカルタ。他にも、自分や他の人を知り合うトークの材料として使うのも楽しいです。

箱の中身は全てカード。本物そっくりのたい焼きになっていて、おいしそうに焼けた色の面は「なりたいやき」とのこと。「協調性がある」「計画的」など、長所と言える言葉が書かれています。カルタなので、読み札・取り札として同じ言葉が書かれたものが2枚ずつあります。

そして、この札をひっくり返すと……

裏側には別の言葉が。こげた色の面は「やめたいやき」とのこと。「ねばり強い」の反対が「しつこい」となっていることからもわかるように、長所と同じような意味合いでありつつ、短所として捉えた言葉になっています。

長所と短所は表裏。同じような特徴も見方によって評価が変わる、というわけです。説明書には遊び方がいくつか載っていますが、まずはカルタのよう遊ぶルールを紹介しましょう。

この遊び方は3人以上でプレイできて、何人でおこなうときもセット例はこんな感じ。イラストが描いてあるカードが取り札で、「なりたいやき」の面を表にして広げます。

「言葉とそれを使った例文」が載っているのが読み札。「やめたいやき」の方を上にして積み、読み手が読んでいきます。取り手は読まれた短所と例文を聞き、長所としてとらえた言葉の札を探します。

上の写真で読まれた短所は「仕切りや」。読まれた言葉を長所として捉えたらどれかな……と、考えながら探すわけです。これ、意外と難しい。特に序盤は札が多く、意味を変換しながら探すのは結構頭を使います。

ちなみに、この例での正解は「リーダータイプ」。めくると正解かどうかを確認できます。あとは普通のカルタと同じように進めていきます。

箱に「15歳以上」と書いてあるように、言葉の意味がわかっていることが前提なので、子どもが遊ぶにはちょっと難しそう。でも、説明書に載っている別の遊び方は勝敗ではなくトークの材料のような感じなので、いいかもしれません。

「自分のいいとこ知りたいやき」と名付けられた遊び方は、1人から何人でも楽しめます。この遊び方ではまず、誰か1人が自分の短所だと思うカードを何枚か選び取ります。

実際に家族でやってみたところ、「そう言えば自分にはこういうところがあるな…」と選んでいくのは、自分について改めて考える機会になる感じ。それを見ている周囲から「あー、確かに」「そうかなあ?」など、自然と言葉が出てくるので、その反応を知るのも面白いです。

ちなみに写真の例は、私が私の短所だと思ったところです。選んだら裏返しにして、長所としての言葉を見てみましょう。

「淡白」は「さりげない」。「おおざっぱ」は「おおらか」。物は言いようとも、確かにそうかもとも思える感じ。やはり周囲からは「それは違うな~」「まあそうだな」など、いろいろ感想が聞こえてきます。

というわけで、自分について考えたり、周囲の人のとらえ方を聞いたりするのが面白い。ゲームというよりはトークの材料という感じですが、この方法だと意味のわからない言葉があってもやりとりの中で確認すればいいので、対象年齢を下げてよさそうです。

読み札・取り札ともに48枚ずつあるので、結構なボリューム感。説明書には他にも、周囲の人が自分をどう思っているか知る遊び方も載っています。

短所もとらえ方によっては長所になり得る。いや、短所は短所で別にいいんじゃないか。ものの見方を変えて考えたり、それについてワイワイ言い合ったりするのが楽しいゲームです。

(おわり)