「ドラゴンとファイアークリスタル」─運100%すごろくでドキドキとゲームの基本を味わう─
「ドラゴンとファイアークリスタル」は、自分のドラゴンを進めてクリスタルを集める、運100%の簡単ルールすごろく。サイコロによってコースが変化する仕掛けが楽しいです。
ゲームは2~4人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。人数によっての違いは、左端のスタートマスに置いてあるドラゴンコマの数のみです。自分のドラゴンを進めながら、よりたくさんのクリスタルを集めることがゲームの目的です。
自分の番でまずすることは、サイコロを振ること。1~3の数字が出た場合は、その数だけドラゴンを進めます。そして次のプレイヤーに交代します。
マスの中にはクリスタルが描かれているものもあります。ここに止まったときには、描かれている数と同じ分のクリスタルを受け取りましょう。クリスタルをたくさん集めるのがゲームの目的なので、止まれたらラッキーというわけです。
マスには途中で分岐があり、ゲーム開始時は矢印をオレンジ色のマスに向けることになっています。ここを通過するときは、矢印に従ってコマを進めます。そしてドラゴンが矢印マスを通り抜けたあと、そのマスの向きを変えることになっています。このことで進路が変わるわけです。
サイコロで竜巻の面が出たときはコマを進めることができません。その代わり、ボードに4つある矢印の向きを変え、それまで差していた色とは違う向きにします。
こうしてゲームが進んでいく中、最初にゴールに着いたプレイヤーは、クリスタルを4つ受け取ります。そしてゲームはおしまい。手に入れたクリスタルの数で競います。普通のすごろくでは一番にゴールに着くと優勝ですが、このゲームではそうではないわけです。
箱には3歳からと書かれているこのゲーム。ボードを裏返してクリスタルをはじから乗せていって比べれば、多い・少ないがわかるようになっています。数を数えられなくても確かめられるというわけです。
これがゲームの進め方の全て。勝つための方法や選択を考える場面はありません。逆に言えば、思考を取り払って「自分の番にすることがある」「したことに沿って踏む手順がある」「終わりがあって勝敗がある」というゲームの基本を経験できるとも言えます。
面白いと感じたのは、竜巻によって変化するコース。片方の道にはクリスタルがザクザク。もう片方は少ないですが、マスの数も少ないので先に進みやすくなります。最初にゴールに着けば一気に4つのクリスタルをもらえるので、早く進むことにも価値はあります。
3歳からとなっているこのゲーム、そのくらいの年齢の子が道それぞれの価値に自分で気付けるのかは私もわかりません。大人が一緒に遊ぶ場合は、自ら気づくまで待ったり、独り言っぽくつぶやいたり、比べる見方を促したり…と、いろいろな接し方があると思います。
そのあたりはいろいろな考え方や状況があるでしょうから、大人としては明確な答えのない振る舞いの選択肢を考えるのも面白どころかもしれません。ドラゴンとクリスタルというテーマの中、サイコロ運に一喜一憂しながらゲームの基本やドキドキ感が味わえるゲームです。
(おわり)