「ito(イト)」─テーマに沿って数字を言葉で表し、順に出していく協力型─

例えば「おにぎりの具の人気度」、梅干しなら1~100で言うといくつ?……という具合で、「ito(イト)」はテーマとなる指標の数値を言葉で表現する全員協力型のゲーム。数字の低い順に明かす必要があるので、コミュニケーションがポイントです。

箱の中身は全てカードで、こちらは100枚ある「ナンバーカード」。1~100までの数字が書かれています。ゲーム内容に関わってくるわけではありませんが、それぞれに違ったイラストが描かれていて楽しい雰囲気です。

続いてこちらは50枚ある「テーマカード」。「便利なもの」「テンションが上がること」など、さまざまなテーマが書かれています。

ゲームを始める前に、これらのテーマから1つを決める必要があります。ランダムでも相談でもオッケーですが、今回は左下のカードの上段「おにぎりの具の人気」を選んだことにしてゲームを始めてみましょう。

説明書には2つの遊び方が載っていますが、ここでは「クモノイト」と題された遊び方を紹介します。

ゲームは2~10人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。各プレイヤーには「ナンバーカード」が1枚ずつ配られます。まずは自分のナンバーカードの数字を見てみましょう。

Aさんに来たのは「3」。各プレイヤーは自分の数字を見て、「おにぎりの具の人気度を1~100で表すとき、【自分の数字】に当たる具は何か」を考えて、宣言することになっています。

「3」ということは、ものすごく人気のない具ということ。……一体なんだろう?人気のなさを強調するためにAさんは「消しゴム」と宣言することにしました。

そんなおにぎり、存在しないかもしれません。でも、他のプレイヤーに「相当低い数字だな」ということは伝わったはず。どれくらいの数字なのか、テーマに沿って想像・表現するのがポイントです。

Bさんに来たのは「64」。まん中よりは上の数字。でも、人気が高いというわけではない。ここでBさんが言った具は「野沢菜」。おいしいとは思うけど、人気が高いというほどでもない。中間あたりの数字を表現するときは、特に微調整が必要そうです。

この他、Cさんが言った具は「ツナマヨ」。これはかなり高い数字であるはず。

そしてDさんは「たくあん」。微妙な具です。

全員が宣言をしたら、フリートークタイム。自由に話をしながら、小さい順にカードを出していくことを目指します。

相談の結果、「消しゴム」は一番低いでしょうということで出すことにしました。ここで出されたカードより小さいカードを持っているプレイヤーは「ストップ!」とコールする必要がありますが、今回はセーフ。

この次に出すカードが迷いどころ。野沢菜とたくあん、どちらが先か。「個人的にはたくあんの方が好き」「いや、でも子どもに人気はないでしょ」など、意見を出し合って相談します。それぞれの価値観を伝え合ってワイワイ話すのがおもしろどころです。

ここでは迷いつつも、Dさんが「たくあん」を先に出すことにしました。

「たくあん」として出された数字は「48」。「野沢菜」の「64」より低かったのでセーフです。順番を間違って出したときは、飛ばした数字カードの枚数分だけ全員共有のライフポイントにダメージを受けることなっています。ここでは切り抜けられたというわけです。

「野沢菜」と「ツナマヨ」なら「野沢菜」が先でしょ、というのはスムーズに決まって出してみたところ、順当にセーフ。これで1ラウンドはノーダメージで終了です。

ゲームは全部で3ラウンド。2ラウンド目は各プレイヤーに配られるナンバーカードが2枚、3ラウンド目は3枚と増えていきます。出すカードが増えて難度が上がるため、言葉での例え方やフリートークでのやりとりがさらに重要になっていくわけです。

開始時に3ポイントあるライフがゼロにならずに3ラウンドをクリアできたらミッション成功、となります。

実際に遊んでみて感じたおもしろどころは、微妙な宣言に頭をひねったり、意外な宣言に思わず笑ったりするところ。フリートークでやりとりが盛り上がったり、僅差の数字の並びを切り抜けたりしたときにも場が湧きました。

お互いの感じ方や価値観のズレが現れて「えーっ!」なるのも面白い。うまくいってもいかなくても楽しい協力型のゲームです。

(おわり)