「ウェーブレングス」─微妙な感覚のヒントでチームメイトと通じ合おう─
「ウェーブレングス」は、2つの相反する概念の間に位置するヒントを出して、感覚や考え方を伝える&読み取るゲーム。感覚のズレや一致に意外性と発見があって、やりとりが盛り上がります。
箱を開けて組み立てたところはこんな感じ。なにやら機械っぽいものが立っており、その手前の穴にはたくさんの「波長カード」が入っています。
伝えるヒントのもとになる「波長カード」の例はこんな感じ。それぞれに相反する概念が描かれています。126枚あって両面刷りなので、かなりたくさんのテーマがあります。
では続いて機械(?)について紹介しましょう。
まず、水色のカバーはレバー操作で開いたり閉じたりします。
続いて白いホイールは、グルグル回るようになっています。周囲のでこぼこに手をかけて回すと、カリカリと音を立てて気持ちいい感じです。
ホイールには2~4の数字が振られた色付きの部分があります。これは「ターゲット」と呼ばれるもので、あとでヒントを出すときに大きく関わってきます。
さらに、赤いダイヤルも可動式になっていて、針をメーターのように動かせるようになっています。見るからに気になる機械部分は、こんな仕掛けになっているというわけです。
さて、このゲームの基本ルールはチーム戦で、4人以上の何人でもプレイできます。こんな風にセットして、プレイヤーを2チームに分けたら準備完了です。まずは先攻のチームを決めましょう。
続いて先攻チームの中から1人、出題者を決めます。
出題者はランダムに1枚「波長カード」を引き、好きな面を前にして機械の前に立ててセットします。ここでは「おにぎりの具に不向き←→おにぎりの具に向いている」というカードが登場しました。
続いてはグルグルタイム。カバーを閉じてホイールを回し、適当なところで止めます。そして、出題者の人だけが見える状態でカバーを開けます。色付き部分のターゲットがどこかしらに見えるはずです。
今回の例では、ターゲットがこんな位置だったとします。ゲームの目的は、ターゲットの位置をチームメイトにうまく伝えること。ここで出題者は、カードのお題に沿ってヒントを考えて発表します。今回はターゲットの位置に即して「おにぎりの具に不向き」側に寄った何かを考えて言う、というわけです。
右端に振り切れていたら「シャケ」、左端なら「石ころ」という感じでしょうか。ただ、ターゲットは大抵今回のように微妙な位置に出てきます。位置をうまく伝えると高得点につながるので、調整して考えるのがポイントです。
読んでいるみなさんも出題者になったつもりで考えると、ゲームを体験している気分になれます。私も考えてみているのですが、これ、なかなか難しいですね……。
うーん、いろいろ意見はあるかと思いますが、私が出題者だったら「チョコレート」というヒントにすることにします。ヒントを言ったらカバーを閉じ、機械をチームメイトに託します。
チームメイトは相談して、ターゲットの位置を考え、予想したところにダイヤルをセットします。
「チョコのおにぎり?あり得ないでしょ!」「そうだけど、もっとあり得ないものもありそうだし…」「チョコおにぎりって、洋風のおはぎ的な感じ?意外とありなのか?」という感じで、それぞれの意見や感覚を話し合うのが面白い場面です。
説明書でも推奨(?)されていますが、後攻チームは相手の判断を迷わせるように勝手なことを言うと楽しいです。「チョコおにぎり、原宿で人気らしいよ」という感じでしょうか。
先攻チームは相談してダイヤルの位置を最終的にどこにするか、セットしたら後攻チームに機械を託します。
後攻チームもやいのやいの言う以外にすることがあります。それは、「ターゲットの4が赤い針の左右どちら側にあるか推理すること」です。チームで相談し、鉛筆チップをカードの左右どちらかにセットします。的中すると1点入るので、考えどころです。
上の写真は右側と予測した例です。鉛筆チップを置いたら答え合わせ。今回の例ではカバーを開いてみると…
こんな結果でした。針が2のところにあるので先攻チームは2点ゲット。また、4は針の右側にあるので、後攻チームも的中で1点です。
続いては後攻チームから出題者を選んでお題を選び…いう流れを繰り返していき、先に10点取ったチームが勝ち、というわけです。
これがチーム戦の流れですが、説明書には全員で協力するタイプのルールも載っています。チーム分けはせず、出題者を交代しながら規定回数(7回)同様の流れをおこない、合計何点取れたかで評価されるというルールです(評価基準はマニュアルに記載)。2~3人で遊ぶときなど、こちらのルールも面白いです。
さて、ここでひとつ筆者が出題者になるので、この記事をお読みの方は回答役となって1問やってみましょう。こんな問題です。
カードは「役に立たない←→役に立つ」。私はカバーを開けてターゲットの位置を確認してあります。これからヒントをお知らせするので、ターゲットがどこにあるか考えてみてください。
ヒントは「50円玉」です。少し行間を開けるので、考えが決まったらスクロールしてみてください。
↓
↓
↓
↓
↓
正解はこんな感じです。
当たっていましたでしょうか。ちなみにこの問題、妻に回答者をやってもらったところ、かなりの左寄りで0点でした。
「50円じゃ全然役に立たないでしょ」「いやいや、それでもマイナスってことはないからちょっとだけ右に寄ってる感じで」と、答え合わせのあとにそれぞれの考えの理由も話すのもワイワイ楽しいです。
確信をもった答えがハズレだったり、難問と思えたものがドンピシャだったりと、いろいろなドラマが生まれがちなのもおもしろどころ。感じ方や考え方の一致や違いのやりとりが楽しいゲームです。
(おわり)