「シミロ:アニマル」─ヒントをもとに秘密の動物を当てる全員協力型─
「シミロ:アニマル」は、出題者が出すヒントをもとに回答者が「秘密の動物」を当てる全員協力型のゲーム。ヒントを出す側と、それを読み解いて考える側と、うまく通じ合うように考えるのが面白いです。
箱の中身は全てカードで30枚。どのカードにも動物が描かれています。
このゲームは全員協力型ですが、1人が「出題者」、そのほか全員が「回答者」となります。まずはじゃんけんなどで出題者を決めましょう。
続いて出題者は、カードの中から1枚ランダム引いて自分だけ確認します。これが「秘密の動物」です。今回はハリネズミが秘密の動物となりました。
出題者は確認したら、秘密の動物に11枚のカードを加えてシャッフルし、合計12枚を縦に3枚・横に4枚の形で並べます。
また、出題者は残ったカードの山札から5枚引いて手札とします。これで準備完了。ゲームの目的は5ラウンドを通してカードを絞り込んでいき、最後の1枚として「秘密の動物」を残すことです。
さて、1ラウンドの開始です。出題者は5枚の手札を確認しましょう。ここから1枚をヒントとして公開します。このラウンドのヒントとして……
ネズミを縦向きに出しました。縦向きに出すのは「この動物は秘密の動物と似ているところがあるよ」という意味。それを踏まえて、回答者は相談しながら動物を絞り込んでいきます。
1ラウンド目では並んだカードから1枚選んで取り除きます。今回のヒントはネズミと似ているところがある、ということは、取り除くべきはネズミとは異なる点がある動物。というわけで、回答者は相談して…
ガチョウを取り除きました。鳥だから、ということかもしれません。秘密の動物を取り除いたらミッション失敗でゲームオーバーですが、今回はセーフ。2ラウンドへと進みます。出題者はカードを1枚引いて手札を補充します。
今度の手札はこんなラインナップ。今回のヒントは…
ヒツジを横向きに出しました。横向きに出すのは「この動物は秘密の動物と違うところがあるよ」という意味。逆に言えば「この動物と共通点のある動物を取り除いてね」という意味にもなります。
2ラウンド目は2枚取り除く必要があります。ヒントを見て回答者が選んだのは…
シカとウサギでした。ヒツジと草食という点で共通点があるから選んでくれたようです。セーフです。
各カードの右上には、その動物の特徴などが説明されています。
そのため、動物のことを詳しく知らなくても説明を読むことで理解が深まり、ヒントを出すとき/ヒントから絞り込むときに役に立ちます。知っていることとあわせて、こうした情報を生かすこともポイントです。ちなみに私も知りませんでしたが、ハリネズミは雑食なのだそうです。
続いての3ラウンド目のヒントは「ロバが横向き」。今度は3枚取り除かないといけません。
回答者が相談して取り除いたのは、ミミズク・キツネ・イヌ。絵柄を見て、長めでとんがった耳があるという点で選んだようです。いろいろな視点で考えることも成功には必要そうです。今回もセーフです。
4ラウンド目は4枚取り除きます。なかなか難しいところですが、1ラウンドからのヒントはずっと残り続けます。そのラウンドでの出されたものだけでなく、ヒントをさかのぼって考えることもポイントです。
また、このゲームでは手番がありません。多くの協力型ゲームでは手番があり、意見をみんなで出しつつも最終決定をするのは手番プレイヤーという雰囲気がなんとなく漂うと思います。手番がないこのゲームでは、回答者のうち誰が最終決定をするか決まっていません。
そういうこともあってか、私が遊んだ際には話し合いで判断を決めかねて「うーん…」となる場面も生まれました。その状況をどう解釈するかはさまざまあると思いますが、誰が決めるか定まっていない状況で判断するのがこのゲームの特徴のひとつです。
さて、ここでは4ラウンドも無事に乗り切ったとしましょう。残るは最終の第5ラウンド。
場に残るのは2枚。出題者からのヒントは「トカゲが横向き」。これで回答者がカエルを取り除いてくれたらミッション成功、というわけです。
今回はうまくいきそうな感じの流れで紹介しましたが、実際に遊んでみると成功させるのはなかなか難しい印象。失敗したあと、出題者のカードを出した意図や、回答者の解釈の仕方などを反省会的に話すことでプレイメンバーのコミュニケーション精度が上がって、「よし、もう1回!」となったときの成功率が上がるようにも思えます。
箱での表記も8歳からとなっているうに、ルールは簡単。ただ、実際にやってみるとヒントを送ったり読み取ったりするのは意外と難しい。選ぶときに、「これでいいのかな…」というドキドキ感があり、それを乗り越えてうまくいったときの嬉しさもひとしおです。幅広い年齢で一緒に楽しめる、コミュニケーションの協力ゲームです。
(おわり)