「グラヴィトラックス ザ・ゲーム コース」─球ころがしコースを指定パーツで完成させよう─

「グラヴィトラックス ザ・ゲーム コース」は、迷路のパーツを配置して、球がスタートからゴールまで転がるようにするゲーム。試行錯誤を繰り返し、論理的に考えて、うまくいったときの嬉しさが楽しいです。

箱の中にはいろいろ入っていますが、まずは6角形のタイルが12枚。それぞれに球が転がる道が刻まれています。また、右下の2つはスタートとゴールです。

続いてタイルをはめこんでいくボードが4枚。ここにタイルを設置して迷路を作っていきます。

こちらはタイルに高さを加える補助タイルと、球が転がっていくスロープ。これらもうまく使って、重力を利用しながら球を転がしていくわけです。

こちらは30枚の問題カード。カードの指示に従って部品を準備して、球がスタートからゴールまで転がる迷路を作るのがゲームの目的です。

例としてシンプルに組み立ててみました。スタートタイルに球を入れて押し込むと、発射されて転がり出すわけです。子どもの頃からこういう仕掛けが好きだった私はすでにテンションが上がってきます。

さて、問題を解く例として、チュートリアル的に用意されている「0番」のカードをやってみます。

問題カードの見方は上の通り。使用パーツ・スタート位置・ゴール位置が指定されるので、まずはその準備をします。

準備はこんな感じ。ここからが考えどころです。

さて、球はここから転がり出す。ということは、隣には必ず何かを配置する必要がある……タイルとスロープは3マス分あって、ゴールの位置がここということは……という感じで論理的に考えていくのがポイント。段差のあるタイルは隣接できず、高さの差はスロープを使って吸収して転がすというルールです。

やってみて感じましたが、もちろんいきなり論理的に考えなくてもオッケー。とにかく手を動かし、タイルをはめては転がしてうまくいかず、それならこうだと修正して……と、どんどん試行錯誤するのも面白いです。

チュートリアルの問題、こんな風にできたらクリアです。

自分で作った迷路でちゃんと球が転がっていくのはなんともうれしいもの。コロコロ…カシャッ!という感覚もスカッとします。もうクリアしたとわかっているのに、思わず何度も転がしたくなる気持ちいい楽しさがあります。

問題はカード番号が進むほどに難しくなっていきます。例えば8番、ボードやパーツの数が増えて、球も2つ使います。

このくらいになってくると、単なる手先の試行錯誤だけではうまくいきません。こういうわけでここはこうなるはず…と、見通しをもって考えるのがポイント。ただ、そういう意識をあえて持たなくても、1枚ずつカードをクリアしていくたびに自然と気付かされるようにできているのにも感心しました。

次の写真は8番を私が実際にやってみたときの再現です。あれ、タイルが1枚余ったけどできちゃったぞ……と、なりました。

指定パーツは全て使うのがルールなので、問題を解けたことにはなりません。

ただまあ、ゴールまで転がるはずだから発射させてみるか…とやってみたところ、実は上の写真の迷路ではちゃんと転がらないんです。「えっ?転がるんじゃない?」って思いませんか? 私もそう思ったのですが、これだとあることが起こってうまくいかないんです。

やってみてわかるなるほど感。こうなるってことは、余ったタイルをこうして…という感じで、発見とそれを活用した修正の過程がとても面白いです。

パーツの中には、こんな風に転がるタイルもあります。

グルッと面白い動きをするタイルなんだね……とだけ思っていたのですが、これ、やってみるとわかりますがちゃんと意味があります。(…意味は言わないでおきます)

さらには球が通るたびにスイッチするタイルも。また違った考え方を要求されそうな感じが見るからに伝わってきます。

全30問の問題カード、終盤はかなり複雑になってきます。カードの裏にはヒントとして解くのに必要なパーツの置き方がいくつか示されているので、場合によっては参照するのがよいでしょう。(個人的にはできれば見たくないですが…)

また、説明書には各問題の完全な答えも載っています。ギブアップするときには見ることができるわけです。(個人的には絶対に見たくないですが…)

今回紹介しているものの製品名は「グラヴィトラックス ザ・ゲーム コース」。そもそも「グラヴィトラックス」は自由に迷路を作って遊ぶものとして販売されていました。それをパズル的なゲーム形式にしたのが「ザ・ゲーム」シリーズ。このシリーズにはこの「コース」の他にも「インパクト」「フロー」があって、違った仕掛けを楽しめるようになっています。

「グラヴィトラックス」の存在は前から知っていたものの、どんどん追加パーツがほしくなって際限なくなっちゃいそう…と思って手を出せずにいました。でも「ザ・ゲーム」シリーズならそれだけで完結して楽しめそうだとやってみた次第です。

なかなかうまくいかないときも、じっくり考えて成功すると「やった!」「そういうことか!」と、大人でもほんと気分が上がります。1人でじっくり遊べつつ、何人かでやってみたところあれこれ言いながら解くのも楽しいです。問題を解くうちにだんだんグラヴィトラックスの世界の論理がわかっていくのも面白いゲームです。

(おわり)