「ZENタイル ベーシック」─自分を振り返って気持ちを思い出すツール─

「ZENタイル ベーシック」は、自分の生活を振り返って、「気持ち碁石」で示された気持ちになった場面を思い出すツール。1人で振り返るやり方と、複数人で気持ちを当て合う遊び方とがあります。

箱の中身はこんな感じで、下に敷いてあるてぬぐいもセットになっています。下部に見える竹の定規のようなものは「時間ボード」。24時間に相当する数字が振られています。これらの中でもメインに使うものは…

こちらの「気持ち碁石」。20個あって、それぞれに気持ちを表す漢字が1文字描かれています。

遊び方には1人用と多人数用のルールがあります。まずは1人用から紹介していきましょう。

1人で遊ぶときのセット例はこんな感じ。先ほどの写真にあった白い碁石は使いません。気持ち碁石は文字の面を伏せて混ぜ、置いておきます。

まずは1つ、気持ち碁石をめくってみます。ここでは「笑」という漢字が出てきました。そこで、昨日1日を思い出し、「笑」という気持ちになったときを探してみます。私が実際にやってみて思い出したのは…

家族で昼食時、話をして笑ったこと。というわけで、その気持ちになった時刻のところに「笑」の気持ち碁石を置きます。それが「いい気持ち」と感じたものなら時間ボードの上に、「いやな気持ち」だったなら下に置きます。

そして次の気持ち碁石をめくって、置いて……と、10回繰り返していきます。

実際にやってみたところ、こんな風になりました。(考えても見つからなかった気持ち碁石は、左端に置くことになっています)

お昼ごはんの時間はポジティブな気持ちが重なりました。碁石を置くときそのときの気持ちがよみがえってきて、もう一度気持ちよさを味わえる気がします。

夜に「悲」などが重なっているのは、嫌な気持ちになるニュースを目にしたから。もう一度その気持ちがよみがえるようにも思えますが、振り返ることで客観的に冷静な気持ちで考え直すことができるようにも感じます。

続いて、気持ち碁石のうち「よくやったぞ!」と思えるものにおはじきを置きます。このときの私の場合、嫌な気持ちが重なったあとに「まあ大変なこともあるけど頑張るか!」と思った「熱」のところに置いてみました。

ちなみに右側の「独」は、家族が先に寝てしまって自分一人なったからです(笑)。

この製品は「ZENタイル ベーシック」ですが、姉妹品に「ZENタイル ソロ」もあります。こちらは碁石ではなく木製のタイルになっているなど素材が違いますが、1人用ルールは全く同じように遊べます。箱がコンパクトで価格が安いという特徴もあるので、好みで選ぶとよさそうです。


さて、ここまでは1人用ルールを紹介してきましたが、ここから先は2~4人での遊び方の紹介です。ゲームのセット例は下の写真のような感じ。

1人用と比べての違いは、白い「おめでとう碁石」を使うところです。

この遊び方では1人の「主役」を決め、ラウンドごとに交代していきます。他のプレイヤーは「当て役」となり、主役の気持ちを当てるのがゲームの目的です。まずは最初の主役を決めましょう。

主役は、気持ち碁石をランダムに3つめくり、自分だけ見ます。そして3つのうち1つを心の中で選び、その気持ちになった昨日の出来事を思い出します。

思い出したら、その時刻のところにおはじきを置きましょう。そして気持ち碁石を伏せて置き、そのときにどんな出来事があったのかを話します。私が主役になった想定でやってみるとして、「レストランに行った」という感じです。このとき話せるのは「出来事」だけ。気持ちが特定できるようなことは言ってはいけません

続いては質問タイム。当て役は気持ちを探るべく、自由に質問できます。例えば「料理のジャンルは?」「何を食べたの?」「誰と行った?」といった具合です。

ただし、質問に答えるかどうかは主役の自由。例えば「おいしかった?」という質問は、気持ちに関わりすぎるかもしれないので、答えるかどうか考えどころかもしれません。コミュニケーションのゲームとして、面白くなるようにやりとりするのが考えどころのように感じます。

質問タイムが終わったら気持ち碁石をめくります。さて、当て役はこれまでのやりとりをもとに、主役がどの気持ちになったか想像して考えましょう。

各自心の中で決まったら、予想の発表タイム。掛け声に合わせて、当て役は一斉にこれだと思う碁石を指差します。当て役はどうしてそう思ったのかを軽く話すとやりとりが盛り上がるでしょう。

そして主役からの正解発表。ここでの正解は「望」でした。食べた料理がおいしかったので、「今度家でも作ってみよう」という話になったからです。

正解者には白い「おめでとう碁石」を主役からプレゼント。このあと主役を交代して繰り返し、各プレイヤーが人数によって定められている回数分主役をおこなったらゲームはおしまい。おめでとう碁石を一番多く持っている人が「一番気持ちを理解できる人」というわけです。


1人でも複数人でも、まずは自分の気持ちを振り返るというのがこのゲームの特徴。「うーん、どうだったかな…」と思い出し、丁寧に確かめてみるというのは、普段はわざわざやらないことでしょうが、その分新鮮な感覚があります。

また、複数人ではお互いの出来事や気持ちをやりとりするのが特徴。派生する会話も生まれて、雑談の奥行きが一歩深まる感触があります。1人でも誰かとでも、気持ちについて考える機会が生まれるゲームです。

(おわり)