「ドリームオン!」─みんなで夢の物語をつないで思い出す全員協力型─

「ドリームオン!」は、イラストカードを使って「夢の物語」を作り、あとからそれを思い出す全員協力型のゲーム。ハチャメチャな話を作ったり、頭をひねって思い出したりするのが盛り上がります。

箱の中身のメインは、156枚ある「ドリームカード」。さまざまなイラストが描かれていて、これを使って夢を作っていきます。

ゲームは2~8人でプレイできて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。各プレイヤーにドリームカードが3枚ずつ手札として配られます。残りのカードは1つの山札にします。

このゲームは2分間の「夢見タイム」と、そのあとの「思い出しタイム」という順番で進めていきます。

まずはスタートプレイヤーを決め、その人が山札から1枚めくって場に出します。これが夢のはじまりのカード。

スタートプレイヤーはカードを見て「ある日、プレゼントをもらいました」など、イラストに沿った「夢の物語」を考えて話します。そして砂時計をひっくり返し、砂が落ちきるまで2分間の「夢見タイム」がスタートします。

「夢見タイム」に自分の番というものはありません。ここから先は、思いついた人が手札からカードを出しては「夢の続き」を語り、どんどん話がつながっていきます。

上の写真だったら「プレゼントはおじいさんがくれたものでした」という感じ。カードを出したら山札から1枚引くので、手札は常に3枚です。これまでの話と手札のイラストから想像して、物語をつなげていきましょう。

ただ、私たちが寝ている間に見る夢は、結構ハチャメチャで謎めいている場合も多いはず。発想を表現するタイプのゲームは「うまいこと言わなくちゃ」というプレッシャーがかかることもありますが、ここは夢の世界。何が起きてもおかしくない。

というわけで、「そのとき突然、火山が爆発しました!」なんて、唐突なのもあり。得点のルールは後述しますが、カードをたくさん出してどんどん話をつないだ方が高得点なりやすいです。

続いては掃除機のカードを出して「そこで、掃除機で火山灰を全部吸い取りました」なんて感じでもいい。メチャクチャな展開も、本物の夢っぽくて記憶に残りやすい。

こうしてカードを出しながら夢の物語をつないでいき、砂時計が落ちきったら「夢見タイム」は終了。ここから先は「思い出しタイム」です。

「思い出しタイム」になったら、最後にカードを出したプレイヤーがカードの山を丸ごとひっくり返して手に取ります。そして、一番上のカードが何かを思い出し、夢の内容を話します。この場合だったら「えーと、まず、プレゼントをもらったはず」という感じ。

自分で正しく思い出してカードをめくれたら、「+2」の得点札の隣にカードを置きます。得点は全員共有で、この場合は2点ゲットというわけです。カードの山を時計回りで隣のプレイヤーに手渡し、思い出し役を交代です。

発想表現系のゲームは苦手な人もいるものですが、このゲームの場合は「夢見タイム」で無理に表現しなくても大丈夫。そういう人も「思い出しタイム」では活躍できるかもしれません。

夢の続きを忘れてしまったら、他のプレイヤーに聞いて教えてもらってもオッケー。私が遊び方を説明するときは、「『助けてください!』って言うといいですよ」と伝えています。このコール以降は、他の人も記憶を伝えたり、次が何のカードだったかみんなで相談したりすることができます。場合によっては自ら人に助けを求めることも大事です。

教えてもらって正解できた場合は「+1」の得点札のそばにカードを置いて、1点ゲットです。自分で思い出せば2点、助けてもらった減らして1点ね、というわけです。

逆に言うと、「助けてください!」コールがあるまでは、他の人は黙っていなくてはいけません。厳密に遊ぶなら、誰かが何かを言ってしまったら正解しても1点にするとよいと思います。やってみるとわかりますが、人が思い出すのに悩んでいる場合、ついいろいろ言いたくなってしまいます。助けを求められるまでは、グッとこらえておきましょう。

 

もしも誰も思い出せなかったり、間違った夢を思い出してしまったときはマイナス2点。しっかりと記憶をたどって、全員で記憶を確かめ合いましょう。

全てのカードをめくったらゲーム終了。カードの得点枚数を計算して、その結果が総合得点です。

説明書では15点区切りで成功の度合いが設定されています。私がやってみた感じではメチャクチャな内容の夢になって、カードを出しているときには「こんなの思い出せるはずがない…」と思っていたのに、結構思い出せて意外でした。

ただ、30点以上を狙うなら、「夢見タイム」でかなりサクサクとカードを出していかないと難しい。発想の質も記憶の定着に関わりそうでありつつ、高得点のためには速さもかなり大切です。

物語をつないで笑ったり感心したり、記憶を紐解いて助けあったりと、やりとりが盛り上がる。発想と記憶をみんなで共有するのが楽しいゲームです。

(おわり)