「ロボット探検隊 ドラゴン島の秘宝」─ロボットをプログラミングで操作して宝を手に入れる全員協力型─
「ロボット探検隊 ドラゴン島の秘宝」は、ロボットをプログラミング風に操作し、宝を手に入れて島を脱出するゲーム。みんなで知恵や意見を出し合ってミッションを成功させる、全員協力型です。
上の写真はこのゲームのパッケージ。箱ではなく、ペラペラの袋に入っています。中のボードやコマもペラペラ。
それもあってか、定価は税込626円という驚きのお手頃価格。でも、ゲームの中身は衝撃的にちゃんとしてます。
ゲームは2~4人でプレイできて、3人で遊ぶときのセット例はこんな感じ。各プレイヤーは5枚の「コマンドカード」を受け取り、オープンで各自の前に置いておきます。
ゲームの目的は、ロボットをコマンドカードで操作してカギと宝物を手に入れ、スタート位置に戻って島を脱出すること。ゲーム中、右側に進んでいく太陽が月のところまで来たらタイムアップでゲームオーバー。また、ロボットがドラゴンや火山などの障害物のマスに入ってしまってもアウト。島から落ちてもいけません。
ロボットの頭には、4色の矢印が描かれています。この矢印が操作のポイントになっていきます。
自分の番にすることは、自分が持っている5枚のコマンドカードのうち、ロボットを動かすべく3枚を並べて出すこと。動きはこのあと例示しますが、並べる順番もロボットの動きにかかわってきます。
続いて、出したカードを左から順に処理してロボットを動かします。そのルールは、カードとロボットの頭の矢印の色を対応させ、その方向に移動させるというもの。体の向きは変えずに移動します。
宝物を手に入れるにはカギが必要です。まずはボード右上のカギのマスを目指します。出した3枚は捨て札となり、山札から3枚補充します。灰色のカードは停止の指示で、うまく活用できる場面もあるはずです。
続いて、ボード上部の太陽を1マス進めて、次のプレイヤーに交代です。
ちなみに上の写真、隣のマスにはドラゴンの顔が描かれています。次のプレイヤーの番の最後に太陽が移動し、ドラゴンマスに着いた際には、山札からコマンドカードを1枚引き、そこに描かれたドラゴンの顔の分だけ…
4頭のドラゴンがボード上の道を時計回りに進みます。ドラゴンとロボットが接触するとゲームオーバーなので、移動はドラゴンが動く可能性を踏まえて考える必要も出てくるわけです。
カードの出し方やロボットの進め方を考えつつ、カギのマスに止まったり、通過したりしたらカギをゲット。ロボットの背中に挟み込めるようになっています。
続いては宝物を目指しましょう。宝物は、マスにちょうどで止まらないと手に入れられないので、ちょっと難しいです。
難局を乗り切るために、移動ルールには工夫のしどころがあります。まず、自分の番で3枚のカードを出す前に、次の番のプレイヤーとカードを1枚交換してもオッケー。また、同じ色のカードを3枚出せば、移動する代わりにロボットをそのマス上で好きな向きに方向転換できます。
こうしてカードの選択と並べ方、他プレイヤーとの交換、方向転換を組み合わせて移動させ、宝物を手に入れてスタート位置のマスにちょうど止まればミッション成功。どうすればうまくいくか、状況を踏まえて判断することがポイントです。
また、太陽が進むのでロボットを動かす回数には制限があります。効率性も考えないといけません。
行動の選択肢が多々あって思わず考えさせられます。このゲームは全員協力型なので、プレイヤー間で意見を出し合うことで「あっ、そうか!」となることもしばしば。コミュニケーションを取ることで成功率は上がるはず。
販売元のアーテックは学校教材などを作っている会社。このゲームもプログラミング教育を目的として作られたものであるようです。ただ、個人的には勉強ムードは感じず、ミッション成功のために思考&協力が自然と盛り上がる印象。率直に、ゲームとしてちゃんと面白いのがすごい。
ちなみに、手番の回数制限である月の位置はレベル1~4まで設定があります。クリアしたら難度(=効率性の制限)を上げてさらなる挑戦ができるわけです。
さらには、ロボットが入れない地割れのマスを増やし、もっと難しさを上げるオプションもあり。税込626円でこの親切設計と内容の完成度は衝撃的。デザインや雰囲気もよく、モノとしてのペラさを余裕で超えてくる魅力があります。
行動の選択を合理的に考える面白さがベースにありつつ、カード運もほどよく絡んできます。コミュニケーションによって気づきの幅が広がり、ミッション成功に向けて盛り上がるのもいい。観察&思考と、意見を出し合うやりとりとが楽しいゲームです。
(おわり)