「わくわくワーク」─さまざまな体験を重ねて、なりたい職業に就こう─

「わくわくワーク」は、さまざまな体験を重ねたり、職業に就いたりして「幸せ度」を高めることを目指すゲーム。お金の使い方にも考えどころがあって、人生シミュレーター的な味付けに勝敗以外のことも考えさせられます。

箱の中身のメインはカードで、そのうちこちらは「体験カード」。42枚あって、左下に書かれているのはカードを手に入れるための値段。

また、左上の黄色い数字は「ハピ」。幸せ度を表す得点で、ゲームの終了時にはこの合計点で順位を競います。お金を払い「体験カード」を手に入れて「ハピ」を上げていく、というのが基本の流れとなります。

右下にあるのは「体験ポイント」。これは得点と直接かかわりませんが、「体験カード」を手に入れるたびに、からだ・こころ・ことば・かがくの4種類のポイントがそれぞれ累積されていきます。

ただし中には「体験ポイント」のない「あそび」のカードも。値段に対して「ハピ」が高いことに加えて、最後の得点計算にも少し絡んできます。

続いては、全部で13枚ある「職業カード」。左上に「ハピ」があるのは体験カードと同様ですが、これらはお金を払って手に入れるものではありません。ゲットするには、右下の「ゲット条件」欄に注目です。

例えば「パティシエ」のゲット条件はこんな感じ。ゲームを進める中で「体験カード」を手に入れて「体験ポイント」を上げ、条件を満たすとその「職業カード」が手に入る、というわけです。

カードには他に「イベントカード」というものが5枚ありますが、追って紹介することにしましょう。

さて、ゲームは1~5人で遊べて、3人プレイ時のセット例はこんな感じ。小さな丸いチップはお金。当初の持ち金額は「各自2つサイコロを振った合計数×400」円です。スタート時から運によって所持金が違う、というのが特徴です。

自分の番にできることは、「所持金を払って体験カードを買う」か「サイコロを振ってお金をもらう」のいずれか1つ。

体験カードを買う場合は、場にある5枚の体験カードのいずれか1枚を買います。カードは自分の前に置き、山札から1枚場に補充して並べて、次のプレイヤーに交代です。

お金をもらう場合は「2つのサイコロを振った合計数×100」円をお金置き場からもらって交代です。

お金を使うか貯金するか、という選択。ちなみに「体験カード」はどの種類も1枚ずつしか存在しません。手に入れたい職業カードを見据えて欲しいカードを買うか、後に備えて蓄えるかの考えどころです。

お金をもらうためにサイコロを振ってゾロ目が出たら、イベント発生です。まずは5枚並んだ「イベントカード」から、1枚選んでめくって指示に従います。よいことも悪いこともありますよ。

合わせて、場に並んだ5枚の「体験カード」を全て流します。流れたカードはこのあとのゲームには使いません。アクシデントで狙っていた体験が失われたと捉えるか、新しい体験のチャンスが生まれたと考えるか、解釈のしどころでしょう。

こんな風に体験カードやお金を手に入れながらゲームが進んでいきます。ある程度ゲームが進んだら、次のプレイヤーの番に移る前に累積した自分の「体験ポイント」を確認しましょう。

そのとき「体験ポイント」の各合計が、場にある「職業カード」の「ゲット条件」を満たしていた場合、その「職業カード」を1枚獲得できます。体験を重ねて仕事に就いた、というイメージです。

兼業もできるという設定のようで、「職業カード」は1人3枚まで獲得オッケー。獲得は任意ですので、条件を満たしつつ取らない選択もありです。

こうして進んでいく中、体験カードが場からなくなった時点、または規定枚数のイベントカードがめくられた時点でゲームは終了。得点計算として、まずは手に入れたカードの「ハピ」を合計します。

ただし、「あそび」のカードが1枚もない場合は、マイナス5ハピ。人生には遊びも必要だよね、というかもしれません。また、手元に残ったお金は500円ごとに1ハピとして換算します(端数切り捨て)。こうして順位を競います……ですが、個人的なプレイ感としては、勝敗とは別の気持ちがいろいろと去来。

まだ大人のみの3人プレイをしただけなのですが、それぞれの人生は三者三様。1人はとにかく高得点を目指して効率的に体験を重ね、「会社員+プログラマー+医者」となって優勝。私は「別の人生があるならパティシエやってみたいな…」と思いつつ進め、「パティシエ+動画配信クリエイター」になって2位。それでも、妙な満足感がありました。

「体験カード」の中には、サイコロ運が必要なものも。もう1人のプレイヤーは、海外留学に挑戦しては失敗を繰り返し、結局獲得ならず。最終的にどの職業にも就かず、最下位となっていました。

なんだこの味わいは……と思わされるプレイ感。優勝者がそんなに嬉しそうに見えなかったのも印象的。

就きたい仕事に適った体験を重ねて、職業カードを手に入れるのがベースの流れでしょう。でも、とにかく「あそび」カードばかり狙ったらどうなるか、ひたすらサイコロを振ってお金を貯めるのはどうか……など、人生シミュレーターとしてやってみたいことも思い浮かんできます。見通しをもって判断しつつ、運にも翻弄されつつ、どんな結果を目指すか考えるのが楽しいゲームです。

(おわり)