「テディ・メモリー」─大きなクマのタイルで遊ぶ&感じるメモリーゲーム─
「テディ・メモリー」は、でっかいクマのタイルを使った超初歩の神経衰弱。「2歳半から」と箱に書いてあるこのゲーム、小さい子にとっていろいろな経験になるようにできています。
箱の中身はすべてタイルで、12種類のクマが2枚ずつ。いろいろなクマ、お菓子のクマ、これもクマ……?と思わされるデザインです。
さて、ルールブックでは2~4人用となっていますが、やろうと思えば何人でもできて、どの人数でもセット例はこんな感じ。いわゆる神経衰弱ですので、全てのタイルを裏向きにして並べます。
きれいに並べたのは見栄えを気にしたためではなく、ルールブックに「同じ方向に伏せて並べてください」とあるからです。小さな子が絵柄を認識するには、こうした点もポイントになりそうです。
自分の番ですることは、タイルを2枚めくること。絵柄が違っていたら裏側にして同じ場所に戻し、次のプレイヤーに移ります。同じ絵柄ならタイルを手に入れて、新たに2枚めくれます。タイルがなくなるまで続けて、手に入れたタイルの数で競います。
……というわけで、特別な追加ルールがあるわけでもない神経衰弱。なのですが、小さな子にとっては「順番が回ってくる」「自分に番にすることがある」「うまく行動すると得点につながる」といった、ゲームの基本をやさしいルールで経験する機会になりそうです。
「2歳半から」と設定されているこのゲーム。小さい子とこの手のゲームを遊んでいてしばしばあるのは、「同じタイルがある場所がわかった瞬間、自分の番ではないのにめくっちゃう」「タイルを元と違う場所に戻しちゃう」「自分だけ絵柄を見て裏向きにしちゃう」という場面。みんなで遊ぶときにはルールを守り合う必要があることに少しずつ気づく機会にもなるでしょう。
でも、ルールを共有して遊ぶというステップに至るまで、タイルをじっくり手にして自由に楽しむのもよさそうです。このゲームのタイルは、そんな遊び方にもふさわしいものだと思います。
タイルの特徴の1つは、まずその大きさ。大人の手でもつかみ応えがあります。絵柄がわかりやすいのはもちろん、「でかい!」というだけでなんだか楽しい。私が初めて手にしたときには、その大きさになんだか笑ってしまいました。
タイルの厚みは約2mm。モノとしての「しっかり感」があります。薄いカードと違ってテーブル上にあっても取りやすい、でも、少し工夫して指先を使わないと取れない…という感覚です。
私の場合、タイルを抜いた残りの紙を普段は捨ててしまいますが、このゲームは取っておいてあります。はめ込んで戻すのはパズル的な感覚があって、これも小さな子には指先を使う経験になりそうだからです。タイルが厚いので、パチッ&ピタッとはまる感じもちょっと気持ちいいです。
「クマさんをおうちに戻そうね」「どのクマとどのクマが仲良しかな?」なんてやりとりをしながら片付けするのもよさそうです。
12種類のクマはどれも特徴があって、じっくり見ているだけでも楽しい。体の色や服装のほか、表情にも違いがあります。いろいろと気づいたり、想像が広がったりしそうです。
中にはクッキーやチョコレートのクマも。「動物」と「お菓子」という点では違うけれども、「クマ」であることは同じ。自由に触れる中で、物事の「違い」と「同じ」を楽しく知る機会にもなりそうです。
パンダのタイルもあるのは意外に感じましたが、調べてみたらパンダはちゃんとクマ科の動物だったのは私にとっても発見でした。
神経衰弱の他にも、ルールブックには素早く同じタイルを取る遊び方や、クマの様子を説明して伝える遊び方も載っています。
そうしたルールのある遊び方に加え、眺めて触って楽しめるのも特徴。上の写真は私が撮影をしているそばで妻が並べた3人組。「ジャニーズ」とのことで笑ってしまいました。クマに名前をつけたり、話を膨らませたりするのも楽しいゲームです。
(おわり)