「パーキングゲーム」─嬉しさと残念さとがめぐる運100%ゲーム─
「パーキングゲーム」は、大渋滞の交差点からサイコロと同じ色の車を出し、自分の駐車場を満たすゲーム。運100%のゲームですが、嬉しい&残念なプレイヤー間のやりとりもあって、小さな子がいろいろ感じ取る経験になりそうです。
ゲームは2~4人でプレイできて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。各プレイヤーには自分用の駐車場が配られます。
真ん中にあるのは交差点。上の写真からだと様子がわかりづらいかもしれませんが…
寄って見るとこんな感じ。渋滞でとんでもないことになっています。ここから車を導き、自分の駐車場を6色の車で満たすのがゲームの目的です。
自分の番にまずするのは、サイコロを振ること。出た色を確認し、同じ色の車を交差点から取ります。続いて、自分の駐車場の同じ色の区画に車を停めましょう。箱に3歳からと書いてあるこのゲーム、小さな子にとっては同じ色同士を対応させるという経験になる場面です。
ここまで終わったら、次のプレイヤーに交代です。
ゲームの1巡目は駐車場は空っぽですので、必ず車を停められます。2巡目以降も、サイコロの色の区画が空っぽならば車を停められます。ただし……
振ったサイコロの色の区画に車が既に停まっている場合もあります。こうした時はその車を…
左どなりのプレイヤーに渡します。もらったプレイヤーは自分の駐車区画が空いていたら停めましょう。もう埋まっていたら、さらに左どなりのプレイヤーに回していきます。
というわけで、自分の番なのに人の駐車場が埋まってしまうこともあるわけです。勝ちたいと思っている子にとっては残念な場面なので、悔しいのは当然。でも、逆に人の番なのに自分が車をもらえる場面も起きてきます。時には嬉しいこともやってくる。感情の起伏をわかりやすく味わう経験になりそうです。
こうしてゲームを進めていき、最初に自分の駐車場を埋めた人が優勝です。説明書のルールではこの時点でゲームはおしまいですが、みんなの駐車場が埋まるまでやるのもいいかもしれません。
小さなお子さんの中には、勝敗よりも「このあとどうなっていくのかな?」と、展開を楽しむ子もいるように思えます。車を渡すときに「はいどうぞ~」「ありがと!」といったやりとりが自然発生することもあるかもしれません。
これがゲームの全てですので、かなりシンプル。運100%で考えどころはありません。自分の番を待つ、サイコロを振る、結果に合わせたことをする…といった、ゲームの基本を経験するタイプのものです。
ところでこのゲームのビジュアル、大人からの目線だと上の写真のような感じでしょうか。でも、小さな子って顔を近づけてよく見たり、そもそもテーブルに対する視線の角度が違ったりすること、よくあると思います。
そういう視点からだとどんなかな…というのが上の写真。カラフルな車が交差点にいっぱいで、「こりゃ大変だ!」感が出てきます。そうした部分でも、楽しさを喚起するデザインになっているように思えます。
(おわり)