「缶入りゲーム・いも虫」─サイコロを振って自分のイモムシの体をつなげよう─

「缶入りゲーム・いも虫」は、サイコロを振って自分のイモムシの体をつないでいくゲーム。箱での表記は3歳からとなっており、運のドキドキを楽しみながらゲームの基本を味わえます。応用ルールでは記憶もポイントになってきて、ちょっぴりレベルアップです。

ゲールは2~4人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。各プレイヤーにはイモムシの顔が1つずつ配られます。なぜだか人間の顔をしていて、イモムシにしては親しみが湧く気がします(笑)。

場に散らばるのはイモムシの体のパーツ。これを手に入れて、自分のイモムシの体をつなげていくのがゲームの目的です。

自分の番ではまずサイコロを振ります。サイコロの6面にはそれぞれ別の色の印がついているので、色を確認しましょう。

そして、サイコロと同じ色の体を場から取って自分のイモムシにつなぎ、次のプレイヤーに交代です。このゲームは、ゲームというものを初めてするような子にとってちょうどよさそうな作品です。小さな子にとっては、色をマッチングさせて手に取るという経験になるわけです。

サイコロの色がすでにつないだ体と同じ場合は、新たに体を手に入れることはできません。何も起きずに次のプレイヤーの番となります。「同じ色、あるかな…」と探し、「あった、残念~」となるわけです。

これを繰り返し、最初に6色のイモムシを完成させたプレイヤーが優勝。ルールはこれだけ、100%運のゲームです。

序盤はどんどん体がつながりますが、ゲームが進むに連れてハズレの目の確率が上がっていきます。最後の体をつなげられる確率は6分の1。だんだんうまくいかなくなるのを乗り越える必要があります。

それでも、小さな子にとってサイコロを振るのは楽しく感じる場合が多いでしょう。とにかく何度もサイコロを振るので、「ちゃんと転がしてランダムに目が出るような振り方をする」という経験がたくさんできます。

さて、ここまで紹介した基本ルールに加えて、応用ルールも説明書には載っています。その場合のセット例はこんな感じ。体のパーツを伏せて並べるのが違いです。

自分の番にサイコロを振るのは基本ルールと同じ。違うのは、体のパーツを1つめくること。上の写真のようにサイコロと色が違った場合はゲットならず。その場に裏返して戻します。

次の番では、緑の目が出ました。さっきめくったパーツの場所を覚えていたらチャンス。同じ色をめくれたら手に入れられます。つまりは「サイコロ運+視覚記憶」のゲーム。よく見て覚えておくことがポイントになるわけです。

基本ルールが運だけだったのに対して、覚えておくことが重要になる応用ルール。人の番のときにも観察しておくと、のちのち自分が有利になってきます。

また、小さな子がこの手のゲームをすると、違った色をめくってしまったとき、場をぐしゃぐしゃに混ぜて戻すのをしばしば見かけます。ルールから外れたことではありますが、その子の「他の人に取られないようにする」という目的からすると合理的な行動とも言えるでしょう。

こうした場面に遭った場合の私の対応例は、「取られたくなかったんだね」と気持ちを言葉にしつつ、ルールを改めて伝えて何事もなかったように続ける…という感じでしょうか。ほんの少しずつ「ゲームを成り立たせるためにみんなで守り合うことがある」、また「自分も人がめくっているのを見て覚えると恩恵につながる場合もある」といったことを遊びながら腑に落とし込んでいく、というイメージです。

さて、ルールのある遊びとしての紹介は以上です。でもこの作品、ゲームとしてではなくても遊びたくなる魅力があるものだとも思います。1人で体をくねくねとどんどんつなげて遊ぶだけでも楽しそう。

イモムシとして並べずに、自由に発想してももちろんオッケー。パーツの色と形から、いろんなアイデアが刺激される感じがします。ゲームに入る前に、この遊び方をじっくり楽しむ方がよい場合もあると思います。

かわいらしい小さな箱ですが、基本ルール・応用ルール・並べ遊びと、いろいろな楽しみ方が詰まっています。紙ではなく缶に入っているのも、お子さんにとってちょっとした特別感につながりそうなゲームです。

(おわり)