「どんぐりやま」─たし算・ひき算を使ってカードをピラミッド状に出す協力型─

「どんぐりやま」は、山登りに見立てて、条件を守りながらカードをピラミッド状に出していくゲーム。全員で協力して成功させるタイプのゲームなので、相談もポイントになってきます。ルールは簡単ですが、成功させるのはほんわかした見た目より難しいですよ。

箱の中身は全てカードで、基本ルールで使うカードの構成はこんな感じ。0から5までのカードが7枚ずつあります。どのカードにもフェルト細工が載っていて、中でも0のカードはいろいろな動物がかわいいです。(ちなみに動物の違いはゲーム内容には関係しません)

さて、ゲームは2~6人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。手札を5枚ずつ配り、残りは山札とします。

 

ゲームの目的は、ある条件を守りながらピラミッド状にカードを出していき、8段の山を完成させること。上のような感じで出していくわけです。

自分の番でまずすることは、手札からカードを1枚出すこと。戦略とつながるルールは後述するとして、最初のプレイヤーはまずカードを1枚出しましょう。ピラミッドの最下段になるので、テーブルの端に出すとこのあと並べやすくなります。出した後、山札からカードを1枚引いて次のプレイヤーに交代です。

2番目のプレイヤーは、その左右どちらかの隣にカードを出します。とりあえずはここではどんなカードでも置けます。本当は少し戦略があるのですが、それはこのあとすぐに説明するルールと関わってきます。

3枚目からが本格的な考えどころ。まず、最下段は8枚並べることになりますが、ここは自由に出せます。置き方が右に伸びても左に伸びてもオッケーです。

また、2枚並んだカードをまたぐように上段へと置くこともできます。このとき置けるのは、下に並んだ2枚のカードを「たし算」または「ひき算」した答えの数のカードだけ。…というのがカードを出すルール。

このルールを守りつつ、8段36枚を並べられたらミッション成功です。自分の手札を伝えるのは禁止というルールですが、全員で協力するタイプなので意見を出し合って相談することがポイントです。

でも、自分の番に出せるカードがない場合は、手札を伏せてゲームから脱落。他のプレイヤーでゲームを続けることができますが、ピラミッドを完成させる前に全員脱落したらミッション失敗というわけです。

ルールはこれだけなのですが、初めて遊ぶ方は大抵成功できず、「……どうしたらいいんだ???」となることが多いゲームであるように感じます。それでも、繰り返すうちに「あっ、そういうことになるのか!」という発見があるはず。いろいろ意見を出し合ううちにちょっとずつコツが見えてくるかもしれません。全員で謎を解く、というような雰囲気になるのも特徴です。

ミッション成功でも、成功の度合いには評価があります。それは「出さずに残った手札のどんぐりが少ないほどよい」というもの。記録するシートも同封されている親切さ。1~5までのカードを全て出す、つまりは手札に0だけを残した成功は完全成功!というわけです。

さらには6のカードが7枚、追加カードとして存在しています。これを入れて遊ぶ場合、9段で完成。詳細は省略しますが、特殊な使い方ができる「★」のカードも1枚加えるので、考えどころがさらに増えます。

というわけで、そもそも成功が簡単ではないことに加え、成功しても成功の度合いに差があり、さらには追加カードまであるというやりごたえ。ルールはやさしいのでお子さんから楽しめつつ、みんなで頭を使うやりがいがしっかりあるゲームです。

(おわり)