「くらべてみるゲーム」─質問カードで「どうぶつX」の正体を探れ─

「くらべてみるゲーム」は、質問カードを使って推理し、30種類の動物の中から「どうぶつX」がどれなのかを当てるゲーム。比べて分類して絞って…という推理の過程が楽しく、人との認識の違いが見えてくるのも面白いです。(※正式な製品名は「NHKカガクノミカタ くらべみるゲーム」です)

箱の中身のメインはカードで、2種類に分かれます。上段の水色は「しつもんカード」。のちほど登場する「どうぶつX」の正体を探るために使っていくものです。

下段のオレンジは「どうぶつカード」。30種類の動物が描かれています。

動物が描かれているのは、カードの他にチップもあります。「どうぶつカード」の30枚と対応する動物が描かれていて、裏面の柄違いで4セットあります。これものちほど、「どうぶつX」を推理するために使います。(※チップのカドが丸くなっているのは個人的にカットしたもので、製品では四角いです)

さて、ゲームは2~4人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。人数と同じラウンドをおこない、ラウンドごとに1人の「どうぶつX役」と、その他の「博士役」に分かれます。

博士役には質問カードが3枚ずつ配られます。合わせて、どうぶつチップを1セット受け取ります。

また、どうぶつX役のプレイヤーは「どうぶつカード」の山札から1枚引いて、自分だけが見て伏せて置いておきます。合わせて、それとは別に引いた1枚を表向きにして場に置いておきます。今回はライオンでした。

ここからいよいよゲーム開始です。これから「どうぶつX」とライオンを比べる質問をしていき、「どうぶつX」が何なのかを探るというのがゲームの流れです。

博士役は自分の番が来たら、手札から1枚「しつもんカード」を場に出します。どのカードを出したら「どうぶつX」の正体を探ることにつながるか、考えて選ぶのがポイントです。

3人の博士役がそれぞれ1枚ずつ出して質問が出揃ったら、どうぶつX役のプレイヤーがカードを並べて質問に答えます。質問についてライオンと「どうぶつX」とを比べ、あてはまる方の列に並べます。博士に当ててもらえるとどうぶつX役にも得点が入るので、よく考えて伝わるように答えるのがポイントです。

上の写真の例では、首が長いのは「どうぶつX」、鳴き声をまねしやすそうなのはライオン、というわけ。質問の答えが「同じくらい」「わからない」という場合は、「どうぶつX」とライオンの中間に置きます。今回の場合、しっぽの長さは中間の位置に置かれました。

ここまで来たら、博士役は「どうぶつX」の正体を探るべく推理します。そのときに役立つのが自分用のどうぶつチップ。質問の答えを踏まえて、自分なりに仲間分けして考えます。ライオンより首が長くて、鳴き声はまねしづらい……ということは…と、わかった情報から分類していくのがポイントです。

チップを移動させたりまとめて並べたりすると、考えやすくなるはず。視覚的に情報の整理ができるというわけです。

推理が終わったら、続いては予想発表タイム。博士がそれぞれこれだと思ったものを選び、「せーの!」の合図で場に出します。

今回の例では、キリン・トラ・ラクダが出ました。続いて、どうぶつX役からの答えの発表に移ります。

正解者がいた場合、どうぶつXとして伏せておいたカードをめくって公開します。正解した博士は1点ゲットです。合わせて、どうぶつX役も1点ゲット。これは「博士が正解できるように正しく質問に答えられたね」という意味だと思います。そういう意味では、やりとりを通して正解にたどり着く協力型のゲーム風でもあるわけです。

全員不正解の場合、どうぶつX役は「違います」とだけ答えます。そして博士役は「しつもんカード」を山札から1枚手札に補充し、2回目の質問に移りましょう。ここまでの流れを最大3回おこない、誰かが正解すれば得点ゲット。3回目の質問でも正解が出ない場合は、解明失敗で全員が0点です。

正解が出たら、または解明失敗となったら、どうぶつX役を次のプレイヤーに交代。全員が1回ずつ担当したらゲームはおしまい。その時点での得点で競う、というわけです。

「しつもんカード」にはステップアップルールで加えるものとして、「自分で考えたしつもんをする」というものもあります。質問する内容から考えることになるので、思考の幅が広がります。

通常の「しつもんカード」も、「体が大きそうなのはどっち?」といった「事実に基づく系」や、「ペットにしたいのはどっち?」といった「主観系」など、いろいろなものがあります。遊んでいる人同士、認識の一致やズレが見えてくるのもおもしろどころです。

「どうぶつX」となったカードや比較対象となったカード、出された「しつもんカード」にもよりますが、特定は意外と難しく、大人でも考えごたえがしっかりある印象。また、どうぶつX役として質問に答え、みんなが考える様子を見守るのにも独特の楽しさがあります。

質問のやりとりについて、あとから「やっぱりペットならリスだよね~」「いやー、モモンガでしょ!」なんて話すのも楽しいです。説明書に「このゲームは、正しい情報で勝負をするものではありません。想像で比べ、質問というコミュニケーションを通して、自分なりのふしぎを見つけてください。」とあるように、想像とコミュニケーションが楽しいゲームです。

(おわり)