「レース トゥー ザ トレジャー!」─お宝目指してみんなでジャングル探検─
「レース トゥー ザ トレジャー!」は、ジャングルを探検し、鬼よりも先にお宝ゲットを目指す全員協力型のゲーム。タイルを引くドキドキ感の中、どちらに道を進めるか考えたり相談したりするのが楽しいです。
【メモ】このゲームは当サイトで紹介済みの「アミーゴバンデッド」というゲームと同内容のデザイン違いです。箱に書かれた作者名も同じ方です。出版年は「レース トゥー…」の方が早いので、こちらが元祖ですね。
「アミーゴバンデッド」は、幅広い年齢で楽しめる超オススメゲームなのですが、残念ながら絶版となってしまいました。元版の「レース トゥー…」はこれまで日本国内では手に入れづらかったのですが、一般的な流通で販売されるようになったので改めて紹介します。
箱には2~4人用と書かれていますが、実際には1人でも楽しめますし、6人くらいまで一緒に遊べます。何人で遊ぶときも、セット例は上の写真のような感じです。
ボード上には5枚のタイルが散らばっています。これは適当に置くのではなく、2つのサイコロを振ってそれぞれの位置を決めていきます。
こんな感じで、「C」と「1」とが出たら対応するマスに置くというわけです。これを5回繰り返して、4つのカギと1つのお菓子を置いていきます。
さて、準備が整ったらゲーム開始。自分の番が来たら、ボードのまわりに並べてあるタイルを1枚めくります。そして、まずはスタートのマスに置きましょう。タイルの向きは自由に決められます。
プレイヤーは交代しながらこれを繰り返し、ボード右下に「END」とあるゴールまで道をつなげることを目指します。ただし、よく見るとゴールにあるお宝には3つの錠前がかかっています。
というわけで、探検をしながら3つのカギを手に入れなければゴールに行っても錠を開けられません。カギのあるマスに道のタイルを置けるとゲットできるので、手に入れることも意識しながら道をつなげていきましょう。
ただし、タイルをめくって出てくるのは道だけとは限りません。同じくお宝を狙っている鬼のタイルが出てくることもあります。この場合…
ボード右端の赤い列に並べます。プレイヤーよりも鬼が先にゴールに着いたらミッション失敗…というわけです。
必要なカギは3つですが、ボードに散らばるのは4つ。つまり1つは取らないでよいわけです。そのあたりも踏まえて、どんな風に道をつなげていくかが考えどころ。みんなで成功を目指すタイプのゲームですので、いろいろと意見を出し合って考えると、よりより方法が見つかることにもつながります。
また、ボード上にはお菓子のタイルが1つあります。これは取っても取らなくてもオッケー。でも、取ると好きなタイミングで使うことができ、右端に並んだ鬼のタイルを1枚取り除くことができます。お菓子でおびき寄せるというわけですね。
ゴールには必須ではないけど、使うといいことがある。でも、取るためには道をつなげなくてはいけないし……というわけで、このあたりも考えどころになってきます。考えが分かれるときもあるかもしれませんが、意見を出し合って決める経験になるでしょう。
こうして進めていき、自分たちと鬼、どっちが先にたどり着けるかな…というわけです。ドキドキする展開になることも多く、本気で探検気分が味わえます。
ここから先はちょっとした遊び方アレンジの紹介です。説明書では準備の際にタイルをボード周りに並べることになっていますが、私は自分で用意した袋にタイルを全て入れて、そこから引くようにしています。
こうすることで準備にかかる時間が短縮。また、小さな子は自分の番が来るまでの間についつい散らばっているタイルをいじってしまいがち。裏が見えるとゲーム性にもかかわるので、そうしたことを防ぐことにもつながります。
また、サイコロを振ってカギの位置を決めることになっていますが、出た目によってはカギが集まってやけに簡単な探検になることもあります。もちろんそれはそれでありですが、自分たちで「どうしたら難しい探検になるか」を考えて、サイコロを使わずにカギを並べるのも難度調整として面白いです。他にも、あらかじめ何枚か道のタイルを間引いてみるのも難しさアップにつながります。
この作品以外もそうですが、小さな子にとって「道をつなげるゲーム」は特別な魅力がある印象があります。簡単ルールでありつつ、葛藤や比較検討といった考える要素と、プレイヤー間のコミュニケーションがしっかりある、楽しいゲームです。
(おわり)