「はじめてのゲーム・フィッシング」─サイコロ振りや色合わせを経験できる、釣りのゲーム─

「はじめてのゲーム・フィッシング」は、サイコロで出た目と対応する魚を狙い、釣り竿で釣りをするゲーム。箱には「2歳から」と設定されていて、色合わせやパズルはめといった要素など、初めて楽しむゲームとしてもぴったりの作品です。

箱の中身のメインのひとつは、大きな木製コマ。ためしに写真に写っているような手の形を実際に作ってみると、その大きさがよくわかると思います。海の生き物のコマに加え、糸の先にエサがついた釣り竿も入っています。

続いてはパズルのようにはめこみ式になっているタイル。海の生き物と色が対応するようになっています。よく見るとわかるのですが、タイルに描かれたアイテムは生き物がそれぞれ持っているものでもあります。

これらのタイルもかなりの厚みで、大きなピースとなっています。

このゲーム、箱での年齢設定は「2歳から」。小さな子でも楽しめるゲームはいろいろありますが、低年齢向きでも「3歳から」となっているものがほとんどです。「2歳から」は珍しく、誤飲を防ぐという点で作りが全体的に大きくなっているようです。

さて、ゲームは1~4人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。各プレイヤーにはアイテムのタイルと、それをはめ込むボードが配られます。

海の生き物たちは箱に入れておきましょう。箱内側のイラストをよく見るとわかるように、そこは海の中。ここで釣りをしてアイテムを手に入れ、ボードの穴を全て埋めるのがゲームの目的です。

自分の番ではまずサイコロを振ります。このサイコロも大人の感覚からするとかなりの大きさ。コロコロと転がすのが難しいくらいのサイズですが、「置くのではなく、どの面が出るかわからないように投げる」という経験をする場面です。

振ったら出た色を確認しましょう。写真の場合は黄色です。

続いては竿を手に取ります。そして狙うはサイコロと同じ黄色のコマ。小さな子にとっては、「どれとどれが同じ色か」を認識する場面です。

いざ手にしたらいよいよ釣り。糸の先のエサが黄色のコマのところに行くようにするとよいのですが、もちろんゆらゆら揺れます。エサと狙うコマをよく見て、手先を使う場面です。

エサとコマには磁石が仕込まれていて、うまくいくとくっつきます。コマの大きさがある分、ガチッとくっつく手ごたえが気持ちいい。本当の釣りで魚がかかったような気分になれます。

もしこのとき狙ったコマを釣れなければ自分の番はおしまいで、次の人に交代。うまく釣れたら……

同じ色のタイルをもらえます。タイルはボードにはめこみましょう。サイコロとコマとタイル、モノは違うけど色は同じ、という認識をする場面です。

タイルと同じ形の穴を見つけて入れるのもポイントです。厚みがあるので、しっかりはまる感触に達成感があります。はめこんだら次の人に交代です。

サイコロを振って、すでにボードにはめ込んであるタイルと同じ色が出た場合は釣りができませんが、キラキラの面が出たときはチャンス。キラキラ魚を狙って釣れたら、好きなタイルをはめ込むことができます。やさしいルールですが、こうした「特別な場合」という場面もルールに組み込まれているわけです。

これを繰り返し、最初に全てのタイルをボードにはめ込んだ人が優勝、というわけです。ここでおしまいにするのが説明書のルールですが、全員が全てはめ込めるまで続けるのもありでしょう。

ここまで、説明書のルールを紹介してきました。でも、「2歳から」となっているこのゲーム、年齢や経験によってはいきなりルール通りに遊ばず、釣りやタイルはめをまずは純粋にじっくり楽しむのもよさそうです。繰り返し遊ぶ中で、だんだん「人と一緒にルールを共有する遊び」に移っていく方が自然かもしれません。

大人も一緒に遊んでハンデをつけるとしたら、「釣る前に箱の中をよく見たあと、目をつぶって釣る」「大人が釣るとき、他の人は息をフーフー吹いて糸を揺らしてもいい」なんて風にするのも面白いかもしれません。「大人は足で釣りざおを持つ」は行儀悪すぎでしょうか(笑)。

ふざけて遊ぶのはともかく、シンプルなルールで小さな子が初めて遊ぶ作品として楽しいゲームです。

(おわり)