「月面探険」─月面に散らばった物資回収を目指す全員協力型─

「月面探険」は、宇宙飛行士となって月面に散らばった物資回収のミッション成功を目指す全員協力型のゲーム。限られた酸素の中で工夫し、最後まで成功するかどうかわからないハラハラ感が楽しいです。

ゲームは2~5人で遊べて、3人プレイ時のセット例はこんな感じ。中央部分のクネクネ上を、スタート地点の基地からすごろく的にコマを行き来させながらゲームを進めていきます。

クネクネは「物資チップ」のタイルでできています。エリアごとに裏向きでシャッフルして、エリア3(三角形)→エリア4(四角形)→エリア5(五角形)という順で並べていきます。

これらの物資チップを回収することがゲームの目的ですが、物資チップは裏返すと正常に使える「当たり」と、壊れてしまった「ハズレ」とがあります。エリアによって当たりの確率も違っていて…

こんな感じになっています。どれも7つずつあって、そのうちエリア数の分が当たり。コマを奥まで進めていくと当たり回収の確率が上がるわけです。

さて、ゲーム開始。自分のターンではまず、準備時に配られた5枚の「タンクカード」と、その上の「酸素カード」を確認します。酸素カードは準備時に3枚ずつ配られます。

そして、酸素カードを1枚選んで捨て札として、そこに描かれている立方体の数だけサイコロを振ります。上の写真例は2つサイコロを振れる酸素カードを選んで、2つのサイコロを振ったところです。

ちなみにサイコロは普通の目ではなく、1・1・2・2・3・3という面構成。振ったサイコロの合計値が「アクションポイント」(以下AP)と呼ばれるものとなり、それを消費してさまざまなアクションを行うのが次のステップになります。

6種類あるアクションは自由に組み合わせて行動できます。まずは「移動(1AP)」。

自分のコマを好きな方向に1マス移動できます。月面探索の基本ですね。他のプレイヤーコマがいるチップは飛ばしてカウントするので、うまく移動すると移動効率が上がりそうです。

ゲームの目的は物資チップを回収すること。プレイ人数によってミッション成功となる当たりチップの回収数が規定されているので、できるだけたくさん、また、当たりの確率を高めるためにできるだけ奥のエリアのチップを狙っていきたいところです。

というわけで、続いて紹介するのは「物資回収(3AP)」のアクション。これをおこなったらコマの隣のチップ1つを取って、自分のタンクカードに置けます。ただし、置くのは裏向きのまま。ゲームの終わりに全員の回収チップをめくって、規定数以上だったらミッション成功となります。もともとチップあった場所には、×マークの回収済みチップを置きます。

移動と物資回収がメインのアクションですが、ミッション成功をサポートするアクションもあります。その1つは「ルート開拓(2AP)」。

このアクションをおこなったら、コマに隣接するチップ上に黄色い「ルートコマ」を置きましょう。ルートコマがあるチップは移動時に飛ばしてカウントするので移動の効率が上がります。ただし、ルートコマを置いた物資チップは回収できなくなる点は注意です。

また、先ほど説明した通りターンの最初には酸素カードを1枚捨て札にします。なくなると酸素不足でミッション失敗となってしまいますが、それを補うアクションが「OGS起動(3AP)」です。

このアクションをおこなうと、コマの隣接スペースに「OGS(=Oxygen Generation System:酸素生成装置)チップ」を置きます。ターンの終わりにコマがOGSチップの上にいた場合、山札から酸素カードを引いてタンクカード上に置けます。こうしてときどき酸素を補給しながら探険を進めていきましょう。

アクションには他にも、隣接コマのプレイヤーとタンクカード上の酸素カードや物資チップを受け渡しする「タンク共有(1AP)」、また、一度タンクに置いた物資を手放す「物資投棄(1AP)」があります。状況によって、こうしたアクションを使いこなすことも必要です。

そして、探険にはトラブルがつきもの。酸素カードが欲しくて山札を引いたのに、「磁気嵐カード」が出てくることがあります。

これが出ると、そのターンではこれ以上カードを引けません。さらに、コマのいるOGSチップを裏返して「×」の面を表にします。磁気嵐でOGSが壊れてしまったというわけで、もうそのOGSからは酸素補給ができません。

そんなピンチも訪れつつゲームを進めるうち、ターンが回ってきたプレイヤーが1枚も酸素カードを持っていなければ……

残念ながらミッション失敗でゲームオーバー。1人でも酸素不足が起きたらダメというわけです。

もし、なんとか無事に全員が基地へと生還したら、みんなの持っているチップをめくって確認しましょう。

そのとき、プレイ人数で規定された数以上の当たり物資があれば見事にミッション成功。例えば3人プレイでは「7つ以上」と規定されていますが、実際にプレイした感覚からすると、なかなか厳しい設定という印象です。協力型ゲームですので、場面に応じてどんな行動をするのがよいかアイデアを出し合って成功を目指しましょう。

ここまでの説明では省略していますが、各プレイヤーには開始時に「ベテラン」「エンジニア」といった「役割カード」が割り振られていて、固有の特殊能力を使えます。また、物資チップの最奥にはバギーがあり、それに乗ると移動が早くなったりもします。能力やバギーの活用も考えどころです。

とは言え、酸素カードの山札がなくなって捨札を山札に作り直すとき、磁気嵐カードを1枚追加するというルールもあります。あまりモタモタしていると磁気嵐が起こりやすくなっていき……。見た目はかわいらしい雰囲気ですが、月面探険はなかなか過酷です。

アクションの選択肢が結構あるので、戦略や作戦の幅もいろいろ。状況に応じてさまざまな考え方を出し合う話が盛り上がります。成功条件は辛口に設定されている印象なので、達成したときの充実感もひとしお。やりごたえのある協力型ゲームです。

(おわり)