「みんなのさいたマップ」─一致団結しながら埼玉を駆けめぐろう─

「みんなのさいたマップ」は、埼玉を駆け回り、一致団結しながらその全土をめぐる協力型のゲーム。埼玉のゆるキャラや市町村、観光名所や企業が続々と登場して、埼玉県民としてテンション上がります。

※この記事は埼玉好きの埼玉県民として謎のテンションで書いてしまう部分もあるのでご了承ください。でも、ローカルグッズとしてだけでなく、ゲームとして本当に面白いですよ。

箱の中にはいくつかの種類のカードが入っていて、メインとなるのはこの「マップカード」。埼玉が4地区に分けられていて、右上から時計回りに北部・東部・西部・秩父。秩父だけ「部」ではないのに韻は踏んでいて、埼玉の一体感を感じます。

写真の面には、埼玉の文化・施設についてクイズ形式で載っていて、めくるとその答えが書かれています。他県のみなさんは知らんがな状態でしょうが、埼玉知識がなくてもゲームを進めていける仕掛けもあるので埼玉を見捨てないでください。

ゲームの準備として、これらのマップカードの各部(父)からランダムに3枚ずつ選び、埼玉県の形に並べます。

埼玉情報満載のカードを、埼玉県の形に並べる。こんな始まり方をするゲームはいまだかつてありません。そこにはもう、埼玉があるわけです。

ここで唐突に埼玉情報ですが、2021年は埼玉県が誕生して150年の年に当たります。

説明書の最初は「埼玉県誕生から150周年! 魅力がたっぷりつまった県なのに、なかなか魅力が伝わらないまま150年も経ってしまった!」。かなしいお知らせですね。

ゲームの目的は、そんな埼玉の魅力を知りつつ、ときに一致団結しながら埼玉全土をめぐることです。

ゲームは2~4人で遊べて、3人プレイ時のセット例はこんな感じ。ゲームの目的をより具体的に言うと、必要なカードを支払って、さいたマップとその上にある5枚の「一致団結カード」を全てめくることです。

ゲームは難易度設定がありますが、今回は中級で紹介します。中級とは言え私は他の埼玉県民と一緒に3人で遊んだところ、2回連続でミッション失敗となってしまったくらいの難易度です。ショックでした…。

手札として5枚ずつ配られたのは「ゆるキャラカード」。埼玉の市町村のゆるキャラのほか、下部にはその地域の埼玉情報が載っています。これは埼玉クイズを解き進めるときに大きなヒントとなるので要注目。単なるフレーバーではなく、クリアするのに必要な情報であるわけです。

さて、自分の番にはできるアクションがいくつかあります。その1つは「移動」です。

スタート時に埼玉の中央部分にいる自分のコマを、手札を捨て札にすることで移動させられます。南北の移動には1枚、東西の移動には2枚必要です。

移動コストが違う理由は説明書には書かれていないのですが、埼玉県民の自分にはすぐにわかりました。埼玉の交通網は、南北移動に充実していて、東西移動はは弱いのです。県民はニヤリとさせられるルール設定です。

続いてのアクションはゲームクリアの肝となる「発見」。マップカード右下に書かれたマークと対応する手札を捨て札にすることで、そのマップカードをめくることができます。全てのカードをめくることがゲームの目的ですので、メインのアクションと言えます。

捨て札を支払ったらカードをめくる……その前に、埼玉クイズに答えましょう。上の例では「成人式の発祥は埼玉県から!(そうなんだ~) その名も成○式(知らねぇ~)」。何人かの埼玉県民と一緒にこのゲームを遊びましたが、クイズは全体的に難しい印象です。自分は埼玉をこんなにも知らないんだと思い知らされました。

正解するといいことがあります。ただし、協力ゲームであるにも関わらず、手番プレイヤー以外は答えを知っていても言ってはいけません。意外と厳しい埼玉の掟です。

ただし、できるアクションとして「交換」があります。これは他のプレイヤーと同じ枚数同士でゆるキャラカードの手札を交換できるというもの。カードにはクイズの答えとなる情報も載っているので、有益な情報があれば送り込めるわけです。実際に遊んだときにも、友情(?)が熱くなった場面でした。

正解できないとちょっとしたがっかりイベントは起きるのですが、めくれないわけではありません。とにかくめくってみましょう。

そこには答えと解説が。また、クイズの答えと関連する埼玉写真も載っています。この写真がとても綺麗で見ごたえがあるので、実際に遊ぶ機会があれば楽しみにしていてください。本当の埼玉が散りばめられています。
※多くの写真は@Yuji_48さん撮影のものです

答えを確認したら、「クイズゲージ」を増減させます。

最初から5ポイントあるポイントを、正解・不正解で1ポイント増減させます。これが0になるとゲームオーバー、埼玉のことわかんな過ぎだろということで埼玉失格です。

また、3ポイント消費することで、アクションに必要な任意のマークのカードを出す代わりとなります。全員で埼玉情報をやりくりして、できるだけ正解したいところです。

クイズゲージの増減が終わったら、「発見カード」を1枚めくりましょう。

ここでも正解・不正解に応じて、○または×の処理をします。もちろん、正解すると有利、不正解だとペナルティです。また、埼玉に縁のある企業や店の情報も載っているので、埼玉博士に一歩近づけます。ゆるく「へぇ~」が各プレイヤーからあがる場面です。

自分の番ではこれら「交換」「移動」「発見」のアクションを任意でおこない、最後に手札が5枚になるように補充したら次のプレイヤーに交代です。

どんどんマップカードをめくっていく中、発見カードを引くと「みんなで一致団結」と書かれたカードが出てくることがあります。

場に並んだ5枚の「一致団結カード」を全てめくることもミッション達成の条件。ここではそれを1枚めくることに挑戦します。どれか1つの「一致団結カード」に書かれたコストとマッチする手札を、全員で力をあわせて出せればめくれます。

なんとかやりくりしてめくりましょう。どれもめくれないと、一致団結失敗でゲームオーバー。めくれるとそこに書かれた特殊効果が使えるようになることもあり、力をあわせて団結しましょう。

こうした流れを繰り返し、全てのマップカード・一致団結カードをめくれたらミッション成功です。ただし、山札のゆるキャラカードと手札が尽きた場合もゲームオーバーですので、無駄遣いはできません。結構あっという間になくなっていくので、効果的にカードを使っていくのもポイントです。

ちなみに難易度設定には「上級」「鬼」もあり、その場合…

埼玉がでかくなります。場に出すマップカードが増え、埼玉が一回り大きくなって迫ってきます。自分にはとてもクリアできる自信がありません。

単なる埼玉グッズではなく、ゲームとしてしっかりやりごたえがあり、プレイヤー間のやりとりもかなり活発に生まれます。東京都民だけのグループに遊び方を案内したこともあるのですが、知らんがなに襲われつつもゲームとしてのやりくりがしっかり面白いので、本気で楽しんでもらえて東京のことがちょっと好きになりました。埼玉県民以外にも自信をもっておすすめできるゲームです。

(おわり)