「ゆっくり行こうぜ!」─ビリになることを目指すカタツムリのすごろく─

「ゆっくり行こうぜ!」は、できるだけ進まないようにしてビリになるのが勝ちというカタツムリのすごろく。じわじわ粘ったり、他のコマを押して進めたりと、意外な展開にワイワイできて楽しいです。

箱の中身で目立つのは、野菜が描かれたコースとカタツムリのコマ。コース上でカタツムリを進めて、ビリになることを目指します。

他にもいろいろなカードが入っています。すごろくタイプのゲームですが、コマを進めるのはサイコロではなくカード。野菜カードのほか、カタツムリが描かれた特殊カードもいろいろあります。

ゲームは2~4人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。コースを全てつなげて、カードを2枚ずつ配ります。残りのカードは裏向き山札です。

コースが長いので全体を見せづらいのですが、真上から取るとこんな感じです。

コースの並べ方は適当な順番でオッケー。全部つなげると80cmくらいです。カタツムリの世界観ではビリこそが勝ちなのでしょう、ここをゆっくりと進んでいきます。

自分の番でまずするのは、手札を1枚出すこと。出したカードに対応したことが起こります。

野菜カードを出したときは、一番近いその野菜マスまで自分のコマを進めます。上の写真ではタマネギを出したので、一番近いタマネギマスまでコマを移動させました。そのあと山札からカードを引いて手札に補充し、次の人に交代です。

さて、もし次の人の手札にもタマネギがあったとします。

ここでタマネギを出すと大変。他のコマがいるマスはスキップするので、一気にかなり先のタマネギまで進むことになります。ここはトマトを出しておきましょう。状況をよく観察して手札を選ぶのがポイントです。

また、野菜カード以外のカードの進み方はちょっと違います。

緑のプレイヤーが黒数字「2」を出しました。黒数字のカードは「自分のコマを数の分だけ進める」という効果。このとき、前にコマがあったらそれをグイグイと押して進みます。先にいる人からすると「押すなよ押すなよ!」となる場面。次に出そうと思っていたカードの予定が狂ったりするのがおもしろどころです。

「ZZZ」は何も出しても何も起きません。赤数字のカードは「一番後ろにいるコマを数の分進める」という効果です。ここぞというときに使いたくなるはずです。

というわけで、どのタイミングでどのカードを出すかが考えどころ。人の動きによって「うわーっ!」となることもしばしばです。

手札が2枚なので、選ぶのは必ず2択というところも特徴です。どっちもしんどい…ということもよくあって、狭い選択肢から吟味する必要があります。2択なので子どもと大人が一緒に本気で遊びやすいことにもつながりそうです。

コースの終盤で上のような場面になりました。黄色プレイヤーの手札の野菜はすでにコース上にありません。この場合、どちらを出してもコース外に出てゲームから脱落。あとは勝負の行方を見守りましょう。

最後のところでは渋滞が発生することもよくあって、相撲の土俵際みたいな感じで、落っこちないようにする粘り合いが盛り上がります。こうしてゲームを進めていき、最後の1コマとして残った人が優勝です。

説明書にはゲームに慣れてきたら手札を3枚にするというルールも載っています。選択の幅が広がり、考えどころが増えるはず。繰り返し遊ぶときに取り入れるとよさそうです。

個人的に「ゆっくり行こうぜ!」というタイトルも好きなこのゲーム、簡単ルールながら観察や計画の面白さも味わえます。してやったり感を味わったり、反対に「おいおい!」となったりと、のんびりした世界観の中でワイワイ楽しめるゲームです。

(おわり)