「果樹園ミニ」─カラスが来る前に果物ゲットを目指す協力型─

「果樹園ミニ」は、カラスがやってくる前に果樹園に実った果物を全て収穫することが目的の協力型ゲーム。3歳ごろから遊べるやさしいルールで、ドキドキしながらボードゲームの楽しさを味わえます。

箱の中身はまず、木と果物のタイル。ゲームの準備として、木の根本の絵とマッチする果物をその木の上に乗せましょう。小さな子にとっては、この作業もほどよく観察力を使う楽しい作業かもしれません。

続いて登場するのはカラスのコマとサイコロ。ゲーム中、サイコロを振ると果物を収穫できたり、カラスが進んだりしていきます。

道のタイルを果樹園に向けて6枚並べ、道のはじっこにカラスを乗せたら準備は完了です。収穫した果物を入れる場所として、ゲームの箱(缶)も開けて置いておきましょう。

さて、いよいよゲーム開始。自分の番が来たらサイコロを振ります。

ここでは青が出ました。こうして色の目が出た場合、対応する果物を1つ取って缶に入れます。収穫成功、というわけです。

でも、カラスが出たら大変です。

この場合はカラスを一歩進めます。果樹園にだんだん迫ってくるわけです。

サイコロでバスケットが出たらラッキー。好きな果物を1つ収穫できます。運がほとんどのこのゲームですが、実はこの場面は考えどころ。ゲームを進めるうちに、サイコロを振って出た色の果物がすでに木からなくなっている場合も出てきますよね。

このときは何も起きずに次の人に交代です。ということは、バスケットの目が出たときに選べばいい果物はどれかな……と、思考要素がある場面です。もちろん3歳で最初からこのポイントに気づけないかもしれません。何度も遊ぶ中で理解したり、一緒に遊んでいる大人の選択を見たりして気づくのがよいように思えます。

こうして進めていき、カラスが来るまでに全ての果物を収穫できたら成功です!

反対に、1つでも残っているのにカラスが果樹園に来てしまったら失敗…。短時間でできるので、気軽に再挑戦できるのも特徴です。

標準のルールでは道タイルを6枚並べて始めますが、このタイルは箱の中に8枚入っています。増減させて難易度を調整できるので、よりやさしくしてみたり、道を減らして成功できるか挑戦したりと楽しむこともできます。

個人的にとても好きなこのゲーム、おすすめのアレンジルールも考えてみました。

準備のとき、果物を裏向きでよく混ぜて並べます。どこにどの果物があるかわからない状況で始めるわけです。

(※木はなくてもいいのですが、雰囲気作りのために裏向きで並べています。また、難度が上がるので最初は道を8枚にするのがおすすめです)

このルールの遊び方では、サイコロを振ったあと果物を1枚めくります。同じ色なら収穫成功、違っていたら裏向きに戻す、という流れを繰り返していきます。戻した果物も覚えておけば、あとからその目が出たときにめくれば収穫できるわけです。協力型ゲームなのでプレイヤー間の相談もオッケー、やりとりがたくさん生まれます。

バスケットが出たら、めくる前に好きな色を宣言します。そのあとめくって一致していたら収穫できます。カラスが来る前に全部収穫できたら成功というのは標準ルールと同じです。このルールもかなり盛り上がっておすすめです。

この「果樹園ミニ」は、「はじめてのゲーム・果樹園」のコンパクト版と言えるもの。内容物の大きさが違いますがゲーム性は同じです。元版の立派な木ゴマも魅力的ですし、かわいい缶入りのミニ版もいい感じ。好みで選ぶとよさそうです。

就学前の子の初めてのボードゲームとしてもおすすめのこのゲーム。アレンジルールにすると、子どもの記憶力に大人が助けられることもあるのが面白かったりもします。簡単ルールでゲームの基本を体験しながら、ドキドキを味わえるのが楽しいゲームです。

(おわり)