「音速飯店」─ワタワタ感が楽しい、中華料理を作るカード早出しバトル─

「音速飯店」は、中華メニューを作るべく「チャー!」「シュー!」「メン!」といった具合にカードを早出しするゲーム。お昼時の厨房のようなあわただしさの中、うまくカードを出せると気持ちいいです。

箱の中身は全てカードで60枚。写真のように中華メニューの名前の一部が書かれています。

ゲームは2~6人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。カードを全てプレイヤーに配り切ります。4人だと15枚ずつです。

ただし、まだ自分のカードを手に取ってはいけません。全員の準備ができたら「ちゅうも~ん!」のかけ声でラウンド開始、カードを取って手札にしましょう。

このゲームに自分の番というものはありません。始まったらその瞬間から早い者勝ち。どんどんカードを出していきましょう。

中華メニューの名前を作るようにカードを出すので、いきなり「ハン」や「マイ」は出せません。上の写真なら「ラー」は行けます。出すときは元気に「ラー!」と言いながら出しましょう。カード出しは1枚ずつですが、同じ人が連続して出すのはオッケー。次に出せる「メン」が手札にあるか探していたら…

他のプレイヤーがすぐに「メン!」と出してきました。これでラーメンが完成、次はメニューの最初の部分になるカードを改めて出せるわけです。ならばと料理のはじめとして出せるカードを探そう…と思ってるうちにまた他の人が出してきて……と、刻々と状況は変わっていきます。素早く判断して、状況にあったカードをとにかくどんどん出すのがポイントです。

ちなみにこれが音速飯店のお品書きで、出せるのはこれらの料理だけ。「エビラーメン」や「半チャーハン」などはありそうなメニューですが、このゲームでは作れません。ちゃんと把握しておくのもポイントです。わかってないと「え、サン? 次なに??」という感じなります(そうなるのも面白いです)。

さて、このゲームのカードには特徴があります。トランプの場合、角に「8❤」と表示があるので扇状に持てばそれぞれ何のカードがわかりますが、このゲームのカードでは写真の通り。手をどんどん動かしてカードをちゃんと把握するのも大切です。ワタワタとずっと手を動かしていて、忙しい厨房気分になれます。

「とりけし」のカードは料理が作られている途中ならいつでも割って入るように出せます(料理名の切れ目では出せません)。リズムが狂って「ん?…ん?」となるのも面白どころ。いつ出すかにも考えどころがありそうです。

このゲームでカードを出すのは箱の中。中華風のトレイになっているのもポイントです。

この手のカード早出しゲームは、急いでカードを出すと重ならずにずれてしまうこともしばしば。どれが一番上にあるカードか判別しづらくなることもよくあります。その点、このトレイはデザインの雰囲気に加えて、飛び散り防止や判別のしやすさにつながっているのが気が利いています。

そんなこんなでカードを出していき、手札最後の1枚を「あがり!」とコールしながら出せたらラウンド勝ち抜け。ただし、ラウンドは終了ではなく、引き続き他のプレイヤーで続けます。最後の1人になったらその人は負け抜けでラウンド終了。また、場のカードに対して誰も手札を出せなくなったときもラウンド終了で、手札残りの人は全員負け抜けになります。

こうして負けた人以外に改めて全てのカードを配り、新たなラウンドを開始します。この流れを繰り返し、最後まで残った人が優勝です。

2人での決勝では1人30枚ずつの手札。かなりのボリュームですが、ゴールまで駆け抜けることを目指しましょう。負け抜けた人は以降のラウンドでは見学となりますが、勝負の行方を見守るのも楽しいゲームだと思います。

基本は素早い判断とカード出しのスピードバトルですが、局面によっては駆け引きや戦略も生まれるのは私もやってみて初めて気づきました。「お品書き」をよく観察すると、いろいろ発見もあるかもしれません。

妙にサクサクとカードが出ることが続くと、みんなでリズムよく餅つきしてるみたいで面白いです。リズムに乗れずもどかしかったり、やたらと冴えてヒュンヒュン出せたりと、真剣にワイワイできるのが楽しいゲームです。

(おわり)

※おまけ…説明書のQRコードから、販売元考案の別ルールも見ることができます。標準ルールとはかなり違う内容となっていて面白そうなので、家族で繰り返し遊ぶときなどに取り入れて長く楽しむことができそうです。