「証拠さがし」─ゲームとして成立するのか心配になるシンプルさの記憶勝負─

「証拠さがし」は、これまでに出てきた言葉を言わないようにするゲーム。なんだそれは…?と思うかもしれませんが、それがゲームの全て。ゲームとして成り立つのかと私も疑問でしたが、謎のおもしろさがあります。

箱の中身は4枚のボードと、36個の虫めがね型ピン。2~4人でプレイできて、プレイヤーはボードを1枚と、同じ数ずつピンを持ちます。

全てのボードには、アイテムが36種類描かれています。アイテムの種類は全てのボードで共通ですが、描かれている場所はボードごとに違っています。

自分の番にすることは、どれか1つのアイテムを言って、その絵の下にピンを刺すこと。たったそれだけ。ボードは他のプレイヤーに見えないように持ちましょう。

だんだん増えていくピン。もしも、すでに誰かが言ったアイテムを再び言ってしまったら、そのプレイヤーはゲーム脱落。最後まで残ったプレイヤーが優勝です。これがゲームの全て。衝撃的なシンプルさ。

言うまでもなく、聞いたことをしっかり覚えておくことがポイント。ゲームが進むに従ってだんだんきつくなっていく。やってみると、自分の番のときに「パイプって出たっけ?自信ないな…。あ、時計は大丈夫な気がする」と、頭の中で記憶の優先順位みたいなものがついて、それを吟味するのがなぜだか楽しい。

ボードの裏面は1~36の数字が書かれていて、こちら側を使うこともできる。覚えることが無機的になって、難度アップだ。

1回間違えると脱落という厳しさもいいけど、マイルドにしたいときは既出を言ったらマイナス1点で、全てのアイテム/数字を全員で出し切るまでやってもいいかもしれない。どっちにしても2回目は混乱度が一気に高くなる。間違えたときには、悔しさよりも笑いが来る感じなのも楽しい。

超シンプルな記憶ゲームという点では神経衰弱と同じだけど、プレイ感は全く別物。記憶の仕方が視覚と聴覚で違いがあるからだろうか。個人的にはこっちの方が断然好き。自分の得意度の差を知れるのも、おもしろどころかもしれないです。

(おわり)