「坊主めくり」は、百人一首の読み札をめくって、できるだけたくさんの札を手に入れるゲーム。基本的に運100%で、最後まで何が起きるかわからないドキドキ感が楽しいです。

ゲームは2人以上の何人でもプレイできて、セット例はこんな感じ。小倉百人一首の読み札をシャッフルし、裏向きの山札とします。運だけのゲームなので山をいくつにするかは内容に関係ありませんが、複数の山にした方が「運命を自分で選び取った感」を感じる演出になるかもしれません。

自分の番にすることは、山札を1枚めくって場に出すこと。そして、めくった札の種類によって何かが起こります。

基本と思われるのはこの3種類。殿が出たら淡々と、坊主をめくってショック、姫だったらやったぜ!という感じ。ひたすら運だけで、考えどころは1つもありません。

100枚の山札を全てめくった時点で、持ち札の枚数を比べて順位をつけます。時間をかけて結果がわかるくじ引き、とも言えるこのゲーム。同じく運100%のジャンケンと違い、感情の起伏やドキドキ感をじっくり味わえる、あるいは、味わわなくてはいけない、とも言えます。

坊主はハズレですが、自分の札がゼロのときに引いても別に痛くない。当たりであるはずの姫も、場に札がなければ全く嬉しくない。状況によって良し悪しが逆転するような感じになるのは、なんとなく人生が凝縮されてるっぽい感じもします。

また、序盤~中盤はめくれている札の量がそれほどでもないので淡々と進む印象ですが、中盤以降は大量の札がゴソッと移動することも。興奮度がだんだん高くなっていくのも、気持ちの振れ幅のドキドキを味わうにはちょうどいい感じです。

普通のカードゲームにはない厚みの札は、高く積み上がったときのビジュアルがインパクト大。札の山があっちに行ったりこっちに来たりと、ジェットコースターのようでもあります。

私が子供の頃はここまで紹介したルールでやってましたが、「坊主めくり」にはいろんなローカルルールがある模様。上の写真はその一例です。

「段乗り」というのは、ちょっと高い床に座っている札。上の例だと、段乗り姫はめちゃくちゃ強い。大逆転したり、全てがパーになったりと、普通のゲームでは使うはずの頭をからっぽにしてハチャメチャを楽しむのも、たまにはいいはず。

運だけなので、年齢や実力に関係なく、手加減も配慮も不要で誰もに勝つチャンスがある。何回もやればいつかは誰でも勝てる、とも言えます。負けたときも「運が悪かっただけ」とわかっているので、実力での敗北よりショックが小さく、子どもにとっては負けを受け入れる経験の練習にもなりそうです。

ローカルルールの中には、運以外の要素が含まれるものも。例えば「段乗り殿をめくったら、素早く誰かの持ち札を手で押さえればそれをゲット。でも、他のプレイヤーも手でふさいでガードできる」というのも。運だけではなくなりますが、アクション要素を入れるとプレイ中の緊張感が高まりそうです。

「蝉丸」の札は特別扱いされることが多く、独自のルールがいろいろあるようです。「蝉丸をめくったプレイヤー以外の全員が持ち札を没収」「蝉丸をめくったプレイヤーは即時に負け」などなど、調べてみると結構なバリエーションが見つかります。こうしたローカルルールをどこまで入れるのか考えるのも、面白いところかもしれません。

内容には考えどころが全くない。ということは、ルールや勝敗を参加者で共有して楽しむという「ゲームの根幹」にだけに絞った経験になるとも言えます。ワイワイとシンプルに、でも展開はドラマチックにハラハラしながら楽しめるゲームです。

(おわり)