「ムイムイ」─たし算と記憶でチャンスが広がる神経衰弱─

「ムイムイ」は、うまくすると大量ゲットのチャンスがある神経衰弱風のゲーム。記憶とたし算を組み合わせて一気にたくさん取ると、気持ちがいいです。

箱の中身はタイルとサイコロ。タイルのほとんどには虫が描かれていて、その数は1~9匹。これらのタイルを手に入れた数で競います。

さて、ゲームは2~4人で遊べて、何人プレイでもセット例はこんな感じ。全てのタイルを裏向きでよく混ぜて広げます。自分の番ではまず、2つのサイコロをいっぺんに転がします。

黄色のサイコロの数字は0~3、緑は普通に1~6。サイコロを振ったら、出た目をたし算しましょう。ここでは、2+3で5。

続いてはタイルを1枚めくります。上の例で出てきたのは8。このように、サイコロの合計値よりもめくったタイルの数字が大きくなってしまったら失敗。タイルを裏向きに戻して、次のプレイヤーの番に移ります。

次のプレイヤーが振ったサイコロの合計値は6。最初にめくったタイルは3。合計値を超えていないので、別のタイルをめくれます。

次のタイルは1。タイルの合計値は3+1で4。まだサイコロの合計値を超えていないので、さらにめくれます。

続いてのタイルは2。3+1+2で6。こうして、サイコロとタイルの合計値が同じになった場合は、それまでにめくったタイルを手に入れることができます。ここでは一気に3枚ゲット、というわけです。

タイルの中には、虫が1匹も描かれていないものもあります。これはつまり、ゼロ。タイルの合計値に影響しないので続けてめくり、サイコロの合計値と一致したら一緒に手に入れられます。ゼロのタイルも手に入れたタイルの枚数としてカウントするので、活用しがいがあるわけです。

こうして続けていき、場のタイルが4枚以下になったらゲームはおしまい。その時点でタイルを一番多く手に入れた人が優勝です。

神経衰弱系のゲームは、まずはなにより見たことを覚えておくのがポイント。他のプレイヤーがめくったタイルも重要な情報なので、自分の番以外にも集中しておくのが大切です。

さらにこの「ムイムイ」の場合、記憶の活用にアレンジを加えるとうまくいくことにつながります。「あそこが3、ここは1、あとはゼロもあったはずだから…」と、記憶を工夫して使うことで一気に大量得点のチャンスがあるわけです。

タイトルの「ムイムイ」は意味がわからなかったので調べたところ、関西で使われる幼児語で「虫」を表す言葉であるらしい。ドイツ語の原題は、わざとスペルを間違えて書いているようですが、元の語の直訳は「害虫」。さすがに「害虫」って名前のゲームは……ということで、かわいい響きの「ムイムイ」になったのではないかと推測しています。

タイルに描かれているのがトランプのように数字ではなく虫の絵なので、それを数に変換して覚える必要があるのもポイントっぽい。神経衰弱にたし算の要素が入って、記憶の使い方に工夫のしどころがあるのが面白いゲームです。

(おわり)