「ありがた迷惑」─強制的に感謝させられる記憶力バトル─

「ありがた迷惑」は、どんな場合でもお礼を言う掟を守りながら、得点のルールを意識してお宝を分け合うゲーム。記憶力と屈辱に耐える気持ちがポイントです。

箱の中身のメインは、さまざまなお宝が描かれた48枚のタイル。お宝は12種類あって、それぞれ4枚ずつあります。プレイヤーたちは海賊のメンバーとして、高得点を目指しこれらのお宝を集めていきますが、まずは得点のルールを説明しましょう。

ゲーム終了時、上のようにお宝を集めていたとします。枚数をそのまま数える前に、お宝のダブりを調べます。2枚同じお宝がある場合、その2枚は得点としてカウントしません。上の例では11枚集めていますが、ダブりを無効化して3点となってしまうわけです。

この得点ルールを踏まえた上で、ゲームを始めてみましょう。

ゲームは2~4人でプレイできて、3~4人で遊ぶときのセット例はこんな感じ(2人時だけ特別なルールがあります)。全てのタイルを裏向きでよく混ぜて広げます。

自分の番でまずするのは、タイルを2枚めくること。ここでは、宝箱と大砲の絵柄が出できました。

続いて、2枚のタイルをプレイヤー間で分配します。分け方は自由。2枚とも自分がもらってもオッケー。1枚は自分で、もう1枚は他のプレイヤーにあげることもできます。1枚ずつ別々のプレイヤーに分けるのもあり。2枚とも同じプレイヤーに渡すこともできます。

ここでは2枚とも自分のものにすることにしました。手に入れたタイルは、表向きで1つの山として重ねておきます。

次のプレイヤーに交代して、めくられたのは宝箱と船の絵柄。そのうち、船は自分のものにして、宝箱は前のプレイヤーに渡しました。これまでのお宝のやりとりをよく見て、その記憶を活用して山分けするのがポイントです。

そして、渡されたときには、ルールとして設定されている「海賊の掟」を守らなくてはなりません。それは「必ず『ありがとう』と言う」というもの。この場面、得点のルールを踏まえると宝箱をもらっても嬉しくない。でも、「ありがとう」と言うのが掟です。

というわけで、ゲーム中にはいろんな「ありがとう」が飛び交います。悔しがったり、ほくそ笑んだり、逆に喜んだり…がおもしろどころ。ゲームが進むと記憶のズレが起きて、タイルのやりとりの解釈にプレイヤー間で違いが生まれ、「えっ…?」となることもしばしばです。

同じタイルを2枚取ってしまったとしても、3枚目は再び得点になります。自力で手に入れてもいいし、記憶が混乱した誰かがくれるかもしれません。お宝の絵柄には紛らわしいものもあるので、正確に覚えておくことがポイントです。

全てのタイルをめくり、山分けされたらゲーム終了。得点のルールにしたがって数え、順位を競います。

2人でプレイするときはネコのコマを置いて、もう1人のプレイヤーのように扱います。ネコはタイルをめくりませんが、タイルをあげることはできます。全てのタイルがめくられたら、ネコの得点も確認して競います。

勝つための基本は、タイルのやりとりをよく見て、しっかり覚えておくこと。そこに押し付けと「ありがとう」のルールが加わることで、ハッタリのやりとりや感情の裏腹が生まれます。「えっ…?」「ギギギ…」などなど、いろんな笑いが起きるのが楽しいゲームです。

(おわり)