「バイキングの谷」─「球ころがし+戦略思考」が楽しいボウリング大会─

「バイキングの谷」は、球を転がして倒した樽に応じて戦略的にコマを進め、金貨をたくさん集めるゲーム。ボウリング的に手先を使うアクションと、先を読んで進める考えどころの組み合わせが楽しいです。

ゲームは2~4人で遊べて、セットの仕方は何人でプレイするときもこんな感じ。左下に見える球を転がして樽を倒し、それに応じて桟橋のコマを進めて…というのがゲームのおおまかな流れです。

桟橋は8マスになっていて、各マスの旗の部分にはランダムにチップをはめ込みます。このことで、ゲームごとに展開がちょっと変わってくるわけです。

雰囲気を盛り上げる立派なバイキング船は、4色の中から1つ選んで自分の船とします。2~3人で遊ぶときはプレイヤーが使わない船がありますが、それらの船も「人間が担当しないプレイヤー」のものとして使います。このプレイヤーもライバルとなるわけです。各自、自分の船に金貨を1枚入れたらゲームを始めましょう。

自分の番でまずすることは、打ち出し板を使って球を転がし、ボード上の樽を倒すこと。ボウリングっぽい雰囲気です。のちほどわかりますが、どの樽を倒すかによって展開が変わります。ですので、手先をうまく使って狙った樽を倒すのがポイントです。

今回は、黄・緑・青の樽が倒れました。ちなみに、1つも倒れなかった場合は倒れるまでやり直します。

続いては、倒れた樽に対応したチップを桟橋上で進めましょう。進める順番は樽を倒したプレイヤーが自由に選べます。各チップ進めるのは1マスですが、丸い穴が埋まっているところは飛ばして数えます。のちほど得点のルールを説明しますが、チップを進める順番は得点に大きく絡んでくるので考えどころです。

ここまでおこなったら交代。倒れた樽は次のプレイヤーが好きな場所に立てます。そして、球を転がして樽を倒し、対応するチップを進めて……を繰り返していきます。

桟橋を進むと、そのうちチップのどれかが桟橋の先に海へと落っこちるときが来ます。さあ、そうなったら得点配分。海側のチップから、今ある場所の旗の内容を確認していきます。上の写真の場合…

  • 黄…海に落ちたので何もなし
  • 赤…旗に描かれている金貨枚数をストックからゲット
  • 緑…旗に描かれたキャラクターのプレイヤーから金貨を1枚ゲット
  • 青…旗に自分のキャラクターが描かれているので、全員から金貨を1枚ゲット

…という結果になります。黄色のチップは桟橋のたもとに戻り、次のプレイヤーの番に移ります。

チップの進め方は、この処理の仕方を踏まえて考えることになります。これをこう進めてあれを海に落とせば…と、得点につながる戦略の考えどころです。

ただそもそも、チップを進める/止めておくのは、ボウリングの結果とつながっています。というわけで、どの樽を狙うのかももちろん考えどころ。もちろん狙い通りに倒す必要があるので、手先の使い方も工夫のしどころです。

こうして誰かが海に落ちたら金貨のやりとりをおこない、ストックから金貨がなくなったらゲームはおしまい。金貨を一番たくさん持っているプレイヤーが優勝です。

金貨のやりとりは、人間が担当してないプレイヤーも含めておこないます。そのため、場合によってはその船が最多金貨となって終わることも。この場合、人間は全員負け。人間のライバルのことばかり考えていたら、こういうこともあるかもしれません。

桟橋の状況を見て、どの樽を狙うか考えるのがおもしろどころ。でも、球転がしは方向や力加減の調整が意外と難しい。思惑通りにならない場合に考えを修正する必要も出てきます。球ころがしのアクションと、戦略的な思考との組み合わせが楽しいゲームです。

(おわり)