「ねことねずみの大レース」─ネコの様子を見ながらネズミを進めてチーズをゲット─

「ねことねずみの大レース」は、チーズをゲットすべく自分のネズミをすごろく式に進めていくゲーム。遠くに行くほど大きなチーズをゲットできますが、うかうかしてると追いかけてくるネズミに捕まります。ハラハラしながら状況を判断するのが楽しいゲームです。

箱の中身で目につくのはさまざまな木製コマたち。たくさんいるのは主役のネズミ。後ろで舌なめずりしているのはネズミを狙うネコです。

手前の黄色いかけらはチーズ。大きさに違いがあり、手に入れたときの得点を表しています。

ゲームは2~4人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。人数によってネコのスタート位置は変わりますが、4人プレイ時は時計の6時あたりからとなります。ボード中央の下半分はネズミたちのスタートとなる家です。

ここからスタートしてチーズの部屋を目指し、高得点のチーズゲットを目指すというわけです。

ネズミたちは家から出て、ボード上を時計回りに進んでいきます。ボードの四隅にはチーズの部屋があり、入ればチーズをゲット。1点・2点…と、遠くなるほどにチーズの得点が上がり、ぐるっと一周して入る最後の部屋では6点のチーズがもらえます。

さて、いよいよゲーム開始。自分の番ではまず、サイコロを振りましょう。今回出たのは2。そして、自分のネズミ1匹を時計回りに2マス進めます。進めたら次のプレイヤーに交代です。

続いて、赤のプレイヤーが出した目は4。この場合、進め方に選択肢が生まれます。上の写真の数字は、普通に4マス動かすときの例を示しています。他にも動かし方があって…

この写真の数字は、チーズの部屋に入る動かし方を示しています。チーズの部屋に入るときはサイコロの数字が余ってもオッケーなので、1、2、3で1点のチーズの部屋に入ったというわけです。

この場合、1点ゲット。ただし、チーズの部屋に入ったネズミはもう出てこなくなります。自分の番では他のネズミを進めましょう。

サイコロには「1&ネコ」の面が2つあります。この面が出た場合、まずは自分のネズミ1匹を1マス進めて、そのあとネコを1マス進めます。2面あるので、3分の1の確率でネコは進むことになります。足は結構早いです。

上の写真は、黄色のプレイヤーが3を出した場面です。ネズミはどれか1匹を進めるので、すでに部屋から出たネズミか、まだ部屋にいるか、どちらを動かす考えて決めましょう。

ゲームを進めるうちにネズミは部屋から出払っていくので、進めるネズミの選択肢は最大で4つになります。さらにはチーズの部屋に入るかどうかという選択も重なるので、進め方の幅の広さは結構なもの。すごろくスタイルのゲームですが、状況を踏まえて判断する要素は高いです。

上の写真は、赤のネズミがネコを追い越したところです。ネズミは後ろからネコを追い越すことができますが、要注意の場面でもあります。なぜかと言うと…

先ほどの状況で、他の誰かがネコが進む目を出すと、ネコがネズミに追いつきます。こうなった場合、ネズミはボードから取り除かれて二度と戻ってきません……。

この場面、ネコがネズミを食べちゃったという感じですね。ただ、特に就学前のお子さんにとって「食べられた…」はかなりショックな出来事でもあるようです。そうした場合は「ネズミ、びっくりしてあわててどこかに逃げたんだね」という設定にするのもありかと思います。

上の写真は黄色のネズミが2点のチーズの部屋に入った場面。先に進むほどチーズの得点は高くなります。でも、ネコに追いつかれたらネズミはいなくなる……。高得点のチャンスとリスク回避のバランスを取りながら判断するのがこのゲームのおもしろどころです。

さて、ゲームが進むうちにネコがぐるっと回ってネズミ部屋入口のマスに到着しました。このとき、ネコは中を覗いて見渡すらしく、このタイミングでまだ中にいるネズミは全てボードから取り除かれます。ネズミを温存しすぎることはできない、というわけです。

ネコは1周目はインコースを進んでいきますが、2周目はアウトコース。よく見ると、アウトコースはネコの絵が2マスおきに描かれています。ネコの絵はネコが止まるマスを表しているので、2周目は1マス飛ばしで進みます。これはかなりのスピードアップで、一気に緊張感が高まります。ネコに捕まってしまうのは同じマスにネズミが止まったときだけでなく、追い越された場合も同様です。

それでもなんとか最終ゴールの6点チーズの部屋までたどり着くネズミも出てくるはず。ただし、各部屋のチーズは4つずつで早い者勝ちですので、のんびりしてるとチーズが売り切れてしまうこともあります。

そのうち、自分のネズミ全てが部屋に入るか取り除かれるかして、動かすネズミのないプレイヤーも出てきます。それでも、自分の番が来たらサイコロは振ることになっています。ネコの目が出たら進めるわけです。さっきまでは「ネコ出ないで~」と思っていたのに、他人事となると「ネコ出ろ~」に変わるのも面白いです。

こうしてゲームを進めるうち、全員の動かすネズミがなくなったらゲームはおしまい。ゲットしたチーズの得点で競います。上の写真では13点というわけです。

というわけで、見た目がかわいらしいすごろくタイプのゲームですが、迷いどころや選択肢がしっかりあって考えさせられます。堅実に行くか…リスクを取って高得点を狙うか…。そのときによってネコの進み具合には違いが出るので、それに合わせて考える臨機応変さも必要です。

手札のような「隠しておくべき情報」がないので、小さなお子さんには「今は、こうするのと、こうするのと、こうするのができるよ。どれにする?」と状況説明をしやすいのも特徴です。箱には「4歳から」と書いてありつつ、大人も考えさせられる思考や戦略がしっかりあるゲームです。

(おわり)