「リトルゲーム・私はだれ!?」─はい/いいえの質問でカードの正体を当てよう─

「リトルゲーム・私はだれ!?」は、「はい/いいえ」で答えられる質問を通して、頭に巻いたバンドに挟んだ絵カードの正体を当てるゲーム。ルールはとってもシンプルですが、コミュニケーションの奥行きは意外と深くて大人でも考えさせられます。

箱の中身のメインは40枚の絵カード。いろいろなジャンルのものが描かれていて、全ての絵柄が違います。

特徴的なのはこのヘッドバンド。一部分に金属が仕込まれていて、磁石がくっつくようになっています。

ゲームは2~6人で遊べて、人数と同じ数のラウンドをおこないます。ラウンドを始める前に、そのラウンドの「回答者」を1人決めましょう。回答者はヘッドバンドを巻き、自分には見えないようにランダムに引いたカードを挟みます。

こんな感じ。挟まれたカードが何なのかを当てるのが回答者の目的です。カードは裏向きで見えないように手に持っても支障はないのですが、遊ぶビジュアルとして頭に巻いてこその楽しさがあります。

さて、回答者の前に10個のおはじきを置いたらラウンド開始。回答者はおでこのカードに描かれたものになった体で、質問を通して自分が何なのかを当てることを目指します。

ただし、質問は形式は「はい/いいえ」で答えられるものだけ。「私は何色ですか?」NGですが、「私は赤いですか?」はOKです。

ここでは「私を見たことはありますか?」という質問をしました。他のプレイヤーは全員で「はい/いいえ」の返事を決めてから答えます。個別に答えるのではなく、みんなで決めるという点がルールの特徴です。

ここでは「はい」で一致。このまま次の質問に移ります。

続いては「私は生き物ですか?」。答えは「いいえ」。こうして「いいえ」という返事だった場合は…

おはじきを1つ箱に戻します。おはじきがなくなってしまったら回答者はミッション失敗となるので、慎重に質問する必要があります。

おはじきがなくなるまでに答えにたどり着いたらミッション成功。残っていたおはじきの数が回答者の得点となります。続いてのラウンドでは別の回答者が挑戦し、全員が一度ずつおこなったらゲームはおしまい。回答者のときに得た点で競います。

…というわけで、ルールはとてもシンプルですが、いざやってみると答えにたどり着くのは結構難しい印象。質問を繰り返してだんだん絞っていくわけですが、迷路に迷い込んだようになることもしばしばです。

これまでの質問でわかったことを統合し、効果的な質問を考えるのがポイント。やってみるとわかりますが、そもそもこれまでの質問の経緯を覚えておくのも意外と難しく、記憶の要素もあります。

前述の通り、「はい」の答えではおはじきが減りません。また、「はい」か「いいえ」に答えをまとめられない質問は回答がなしとなり、おはじきも減りません。これらのルールを生かした質問というコミュニケーションのテクニックも奥深いものがあります。

情報整理と絞り込みから効果的な質問を考えるのは結構難解で、本気でやると質問が滞って間延びすることも。場合によっては回答は3分以内など時間設定するのもいいかもしれません。答えをまとめる場面での様子にも「はい/いいえ」という2択以上の情報がにじむので、そのあたりを読み取るのもおもしろどころです。

私が大人で遊んだときは、どんなカードがあるのか全員が知らない状態から始めましたが、お子さんが遊ぶときはまず「こんなカードがあるんだね」と全体を確認するところからでもいいかもしれません。大人も本気にさせられつつ、ルールはシンプルなのでお子さんから遊べる気軽なコミュニケーションとしても楽しいゲームです。

(おわり)