「カタン」《遊びやすくするためのアイデア集》

「カタン」は未開の無人島を舞台に、資源を集めて建物を建て、自分の勢力を発展させていくゲーム。

ロングセラーの超定番で、本格的なボードゲームの入口になる作品かもしれません。知名度も高く、ボードゲーム初心者の方から「一度やってみたいんです!」と言われることも多いです。

とても面白いですが、慣れない方にはルール量の負荷も結構あるように感じます。そこでこの記事ではルールの説明ではなく、特に初プレイ・初心者の方が遊ぶときを意識して遊びやすくするためのアイデアをまとめてみました。そのため「カタンはすでに知っていて、今後初めての人と遊ぶ機会に説明したい」という方にマッチする記事だと思います。

さて、「カタン」は3~4人でプレイできて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。

写真の例では販売品の箱に入っているものに追加しているものもいくつかあります。(私が作成した補助資料は、最後にPDFを載せています)

私も初回プレイ時は混乱した覚えのある「カタン」。わかりやすいルール説明にはコツも必要だと思います。基本から超こまかいことまで、何度もこのゲームを案内してきた中で積み重ねていったアイデアをまとめます。

「初心者のための初期配置例」を使う

特に初プレイの人がいるときは、説明書に載っている「初心者のための初期配置例」を使うのが便利です。

「カタン」を一度でもプレイしたら、ランダムに作ったマップに最初の拠点を置くところから考えるのが面白いはず。そこが一番の考えどころと言えるかもしれないくらいです。

ただ、初プレイの人には考えどころが見えにくく、判断が難しいでしょう。資源の出具合の偏りが少なく、初期拠点の位置もイーブンになるよう考えられている配置例で遊ぶと話が早いでしょう。

ダイスタワーがあると便利

何度もダイスを振るゲームですが、ボードで振るとコマがずれて「…あれ、どうなってたっけ?」となりがち。コンパクトなスペースで確実にダイスを振れるダイスタワーが便利です。数あるダイスゲームの中でも、「カタン」でのダイスタワーの便利度は特に高いと思います。

資源カードの呼び名と配置

説明書の記載によると、資源は「木材・レンガ・小麦・羊毛・鉱石」。もちろんこれでもいいのですが、ゲーム中何度も口にするのでより短い方がやりとりスムーズです。「木・土・羊・麦・石」あたりがよいでしょう。

また、付属のトレイに入れるときも「木・土・羊・麦・石」の順に並べると、建設コスト表の表記順になって把握しやすくなります。「羊・麦・石」という発展カード購入に必要な3枚が並んでいるのもポイントです。

得点表示グッズがあるとわかりやすい

10点先取で勝ちとなるこのゲーム、得点要素は盤面に公開されているので確認すれば各プレイヤーの得点はいつでもわかります。ただ、盤面を指さして「1、2、3、4…」と何度も数えるのはちょっと大変。

そのため、各プレイヤーの手元に得点表示アイテムがあると便利です。写真の例では10面ダイスを使っています。

ルールまとめがあると便利

「カタン」くらいのルール量があるゲームは、初プレイの方だと一気に全て説明しても一度では覚えきれない印象です。いつでも確認できるよう、ルールまとめがあると便利でしょう。

手番にできる行動の選択肢は、細かく分けると9種類。これらを自由に組み合わせて好きなようにできるのが面白いところですが、初プレイではなにができるのか把握しづらいでしょう。まとまっていると便利です。

また、「何をすると得点になるのか」という点もまとまっているとわかりやすいです。得点要素は全部で5つなので多くはないですが、個人的に初回プレイ時のことを思い出すとこの点も一度では頭に入り切らなかった覚えがあります。

ちなみに私の場合、ルールまとめはA6サイズ(A4の1/4、はがきサイズに近い)で作成し、それをA5の紙に2面で印刷することが多いです。一覧性を重視するときは開いて置き、コンパクトにしたいときは折ってA6の両面印刷的な形で見ることができます。そのときに合わせて使えるので、最初からA6の両面印刷にするより使い勝手の面で便利です。

発展カードにどんなものがあるかわかっておきたい

発展カードも重要な要素ですので、種類や枚数を把握しておきたいところ。それぞれ細かく説明すると時間もかかりますが、まとめ表を作って「待ち時間のときに見ておいてください」と伝えておくといい感じ。使用の細かいルールも添えておくと万全です。

ダイス目の確率も伝えたい

「カタン」では2つのサイコロを何度も何度も振ります。そのときにどんな合計数がどれくらいの割合で出るのかを把握しておくのも、戦略上のポイントです。盤面に散らばる数字チップの文字色・大きさでも把握できますが、補足する確率表があってもよいでしょう。

建設不可の交差点を可視化する

建設のルールに「ある交差点から見て、隣接する交差点に1つでも他の建物があれば、その交差点には建設できない」というものがあります。説明としてはこれで問題ないのですが、初プレイの方にルールとしてわかってもらったあとでも「そうか、ここ建設できないんだっけ!」となることが多い印象です。

そうしたうっかりを防ぐために、建設不可の交差点には目印を置くとわかりやすいです。

初期配置マップの建設不可の交差点にキューブを置いてみました。こうして見るとかなりの場所が潰されていて、慣れているはずの自分も驚きです。


 

というわけで、初プレイの人が「カタン」を遊ぶときのアイデア集でした。モノが増えてテーブルがごちゃつくのが難点ではありますが、繰り返し遊ぶうちに不要になって、だんだんすっきりしていくはずです。

ロングセラーで超定番の「カタン」。私も初めて遊んだときには「こんな面白いゲームあるんだ!」と驚きました。これからそうした気持ちになる方が、スムーズに遊べるヒントになれば幸いです。

※記事中で紹介した資料類のPDFはこちらです

(おわり)