「大怪獣コトバモドス」─ひらがなパズルの出し合いっこ─

突然ですが、まずはこのひらがな9文字を見てください。

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なんだかさっぱりわかんないですよね。これは、私が3文字の言葉を3つ作って、それをバラバラにしたものです。3つの言葉に戻すことができるでしょうか?

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「大怪獣コトバモドス」はそういうゲーム。言葉のセンスや柔軟性を発揮したり、人のそれらを知ったりするのがおもしろどころです。

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2人から5人まで遊べますが、3人でのセット例はこんな感じ。まん中で山になっているのがひらがなの文字タイル、怪獣の絵が描かれているのはつい立てです。

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プレイヤーはそれぞれ、山から文字タイルをランダムに25枚取ってつい立ての陰に並べます。そして、3文字の言葉を3つ作ります。

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試しに作ってみたのはこんな感じ。これが最初の写真の答え、ということになります。

参加者のうち、最初に3つの言葉を作れたプレイヤーは透明の1点チップをもらえる。得点のチャンスはこのあとも何回か出てきますが、まずは文字タイルをよく見たり動かしたりしながら、頭の中の語彙と照らし合わせて素早く言葉を作ると得点になる。

さて、全員が言葉を作れたら、使った文字タイルを裏返してよく混ぜ、隣のプレイヤーに渡します。

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というわけで、隣のプレイヤーになったつもりになって、回ってきたのが最初の写真。これを並び替えて3つの言葉を作っていくわけです。ここでも最初に3つの言葉を作れると、水色の3点チップをもらえます。

ただ、元の言葉通りになるかというとそうでもなくて…。

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こんな風に並べる人もいるかもしれません。「れんげ」は同じでも、「あたい」と「こしつ」は元の人が作ったのとは違います。(元は「しあい」と「こたつ」)

最初に言葉を3つ作ったプレイヤーが砂時計をひっくり返し、砂が落ち切ったら他のプレイヤーは作るのが途中でもやめて答え合わせ。正解の数だけ得点チップをもらえます。これを4回繰り返し、最も得点の多いプレイヤーが勝ち、というのが説明書の基本ルール。

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やってみるとわかるが、意外にも自分で作った言葉がなんだったかわからなくなることがある。それを防ぐためにメモ用紙とボールペンもセットになっている親切設計。

このゲーム、それぞれのステップで得点チャンスがあって、ゲーム的ながんばりどころの盛り上がりがある。ただ、得点を抜きにしても、「言葉を3つ作る」「人が作ったのを戻す」「自分が作ったのを人がどんな風に戻すかを見る」という、することの根幹がすでに十分おもしろい。

特に、自分が作ったのを人が並べて戻す様子を見ているのが楽しい。自分以外の発想をライブで覗き見ていると、心の中で「あー、違う違う」「そういう言葉もあったか!」と言いたくなる。そのうちルールを忘れて「ヒント出そうか、ひとつは食べ物だよ」「1文字目は合ってる!」といったやりとりもしたくなる。

特にこどもとやるときは得点を競う要素を除いて、作った言葉のクイズをいろいろやりとりしながら解き合うアレンジにしてもじっくり楽しめていい。言葉を作るのも楽しいけど、他の人がわかってくれて戻してもらえることも嬉しく感じるからだ。本気ゲームとしても、コミュニケーションツールとしても楽しいゲームです。

(おわり)