「子やぎのかくれんぼ」─オオカミから隠れた子やぎを助け出す、記憶力勝負─

「子やぎのかくれんぼ」は、オオカミから隠れた子やぎを助け出す、記憶力勝負のゲーム。ほんわかムードでありつつ、記憶で脳が気持ちよく疲れます。

箱の中にはいろいろ入っていますが、一番たくさん入っているのは木製の子やぎコマ。全部で30匹います。

黒いのは子やぎを狙うオオカミ。右側にある6色の缶には、子やぎたちがオオカミから隠れる場所が描かれています。

さて、ゲームは2~4人で遊べて、何人でプレイする場合でもセット例はこんな感じ。子やぎたちの姿が見えなくなっているのは、6つの隠れ場所に5匹ずつ入れて隠れているからです。童話「オオカミと7匹の子やぎ」のように、お母さんが出かけている間、オオカミから身を隠しているというわけです。

自分の番でまずするのは、サイコロを振ること。各面には隠れ場所と対応する6色のマークがついています。上の写真の例で出た面はグリーン。この場合、グリーンの隠れ場所に注目しましょう。そして、その中に子やぎが何匹隠れているかを宣言します。

まあ今回は簡単ですよね。5匹です。

宣言したら開けて確認。宣言の内容が正しかったら、子やぎを1匹救い出すことに成功。子やぎコマを1つ取って、自分の前に置いて次のプレイヤーに交代です。最初に子ヤギコマを7つ集めたプレイヤーが優勝です。

…もしかすると、こんなの簡単と感じるかもしれません。私もそう思っていました。でも、ゲームが進んでいくうちに、それぞれの場所に隠れている子やぎの数が変わっていくので、油断はできません。

というわけで、よく見て覚えておくのがポイントとなるこのゲーム。同じ記憶モノでも神経衰弱と違って、進むに連れて変わっていく状況を覚えておく必要があるタイプです。

もしも宣言が間違っていたら、場のまん中にいたオオカミが自分のところにやってきます。「こいつは頼りないぞ」と嗅ぎつけられた感じです。このオオカミは他のプレイヤーが間違えるとその人のところに移動しますが、それまでは自分のところに居座り続けます。

自分のところにオオカミがいる状態で、再び宣言を間違えると大変。自分のところにいた子やぎを1匹、連れ去ってしまいます。1回間違えてもオオカミが来るだけでセーフですが、続けて間違えると1点マイナスというわけです。

ここで「オオカミに連れて行かれた!」さらには「オオカミに食べられちゃった!」なんて言葉で表現すると、小さい子の中には本気で怖がりすぎる子もいるようです。もちろん、いずれ空想の世界での出来事として受け止められるようになるとも思いますが、恐怖心が強くて心配なときは「オオカミに誘われて留守番中なのに遊びに行っちゃったねー」なんて表現にするのもありかもしれません。

誰かが子ヤギコマを7つ集めたらそのプレイヤーが優勝ですが、それより先にオオカミが子ヤギを6匹連れ去ったら、オオカミが勝ちで全員が負け。こんな展開になる可能性もあります。たくさん連れ去られると、もう誰も間違えないで…と一体感が出るかもしれません。もちろん自分自身、人の番のときにも観察・記憶することが大切です。

また、箱には「やさしい応用ルール」用として、赤・青・黄の3色が2面ずつのサイコロも入っています。このルールにする場合は、隠れ場所も対応する3色のみ使い、オオカミ関連のルールはナシでおこないます。4歳からと書いてあるこのゲーム、こちらのルールからステップアップしていくのもよさそうです。

私が遊んだ際には、より難しいルールがあってもいいなと思い、開始時に5匹ずつ隠すはずの子やぎを場所によって適当に変えてやってみました。こうすると結構な難度アップとなり、個人的にはかなりしんどくなりました。

それでも、サイコロで前のプレイヤーと同じ色を出すと、直前の記憶を生かせる幸運となる場面もあります。テーマやデザインのほんわかムードの中、記憶と運とがほどよく絡み合うのが楽しいゲームです。

(おわり)