「ユニコーンカルテット」─質問しあって同じカードを集めよう─

「ユニコーンカルテット」は、お互いに持っているかどうかの質問をしあいながら、同じカードを4枚揃えることを目指すゲーム。簡単ルールながら、名前を呼びあったり、記憶を活かしたりするのが楽しいです。

箱の中身はこんな感じ。メインは上段2列に並んでいる32枚のキャラクターカードで、8種類が4枚ずつ。ゲームの目的は、同じキャラクターカードを4枚セットとして集めること。下段にあるのは、得点表示用の雲カードと、そこに乗せるクリスタルとなっています。

さて、メインのルールでは3~6人で遊べて、4人プレイ時のセット例はこんな感じ。キャラクターカードは同じ枚数ずつ配りきり、手札となります。雲カードは各自1枚手元に置き、クリスタルはまとめて並べておきます。

ゲームの目的は、同じカードを4枚集めること。それを目指して自分の番ではまず、「○○さん、□□を持ってますか?」と質問します。「田中さん、黄色いユニコーン持ってますか?」という感じ。名前を呼ぶゲームというのは意外と少ないので、これもこのゲームの特徴の1つです。

ただし、質問できるのは自分が最低でも1枚持っているカードだけ。持っていないカードは質問できません。

聞かれた人はもし持っていたなら、「持ってます」と答えてそのカードを1枚渡しましょう。複数枚持っていても、渡すのは1枚だけです。質問した人は見事正解、カードを手札に入れてもう1回質問できます。質問する相手・狙うカードは、同じでも変えてもオッケーです。

もし、相手が「持ってません」と答えた場合は残念ながら失敗。次の人の番に移ります。

もし同じカードを4枚集められたら、それを前に出しましょう。得点の目印としてクリスタルを1つゲット、雲カードに乗せたら次の人に交代です。

これを繰り返し、8組全てのカードが出されたゲームはおしまい。手に入れたクリスタルの数で競います。

ルールはシンプル。やりとりを通して「あの人はウサギを持ってるはず」「チョウチョはあっちからこっちに移動したぞ」など、やりとりからわかる情報をもとに行動を選択するのがおもしろどころ。やってみるとわかりますが、記憶があやふやになって「あれっ?」となるのもしばしばです。

実のところ、トランプでも1~8のカードを使えばできちゃうこのゲーム。「カルテット」はドイツで古くから親しまれているゲームで、現地ではいろいろなバリエーションのカードが販売されています。

このカルテットはご覧の通りかわいらしい生き物の絵柄。実際に口に出す質問が「1、持ってますか?」と「ピンクのユニコーン、持ってますか?」とでは、漂う雰囲気も変わってきそうです。

経験のある大人は見落としがちですが、小さな子にとって「人に見せないように複数枚のカードを持つ」というのは手先の使い方として新鮮だったりします。ずらして持つとわかりやすいわけですが、そこにもちょっとした器用さが求められます。

また、「同じカードは隣り合わせて持つと何枚あるかわかりやすい」「絵柄が全部見えなくても、角のマークや背景色で対応している」という要素も、ゲームの基本として体験できます。加えて「自分の持っているカードでないと質問できない」というルールによって、「お互い確認できないことを、個々が守って成立するゲーム」となっているのもポイントです。

4枚組を前に出せば得点状況は一目でわかるのですが、わざわざ得点表示のためにクリスタルがあるのも特徴。カードにもキラキラ印刷が施してあって、視覚要素で「集めたい!」感を刺激してきます。ビジュアルで気を引きつつ、遊んでいくうちにゲームの本質的な面白さに気づく…なんてこともあるかもしれません。

子ども向けのデザインですが、大人数で遊ぶと大人の方が記憶に自信がなくなって、本気で負けて盛り上がります。本来のルールとは別に、神経衰弱としても遊べますし、カードを並べてのお話作りも楽しいと思います。いろんな要素の詰まったゲームです。

(おわり)