「チーキーモンキー」─袋からコインを引いて動物をたくさん集めよう─

「チーキーモンキー」は、袋から動物のコインを引いてたくさん集めるゲーム。無難だと得られるものが少なく、よくばり過ぎてもパーになるのが考えどころ。プレイヤー同士、取ったり取られたりのやりとりも楽しいです。

箱の中身のメインは、8種類の動物が描かれた丸タイルとコイン。丸タイルに描かれた数字は、その動物のコインが何枚存在しているかを表しています。一番少ないゾウは3枚、最も多いサルは10枚というわけです。

さて、ゲームは2~6人でプレイできて、何人で遊ぶ際もセット例はこんな感じ。コインは全て袋の中に入れ、タイルは場に並べます。

ゲームの大まかな目的は、たくさんのコインを集めること。自分の番ではまず、中身をのぞかずに袋からコインを1枚取り出します。コインは自分の前に置きますが、この記事では置く場所をトレーにして「集合場所」と呼ぶことにします。

このあと、2つの選択肢があります。

1つ目は集合場所からコインを取り出して、自分のものとして確保すること。確保したコインはゲームを通して1つの山にして重ねていきます。この記事では確保して重ねたコインを「動物園」と呼ぶことにします。集合場所に一時的に集めた動物を連れてきて、自分の動物園を作るというイメージです。

動物園に連れてきたら、次のプレイヤーに交代です。

選択肢の2つ目は、もう1枚コインを取り出すこと。より多くの動物を集めるというわけです。このあと再び、確保かコイン取り出しかの選択を続けていきます。ただし……

引いたコインが既に集合場所にいるものだった場合、集合場所のコインを全て袋に戻して自分の番が終わりとなります。新入りが集合場所に来ると、同じ動物同士でケンカをはじめてパーになる…というイメージかもしれません。

もう1枚引くかやめるか…自分なりに考えて判断することがポイント。各動物のコインの枚数は丸タイルに書かれているので、情報を踏まえて考えることも成功率にかかわってくるはず。また、自分や人の動物園にどの動物がどれだけいるか覚えておけば、方針も立てやすくなってきます。

また、集合場所に入れたコインと同じものが、他のプレイヤーの動物園の一番上にあるならチャンス。そのコインを奪って、自分の集合場所に入れることができます。このとき、集合場所に同じコインが複数枚あることになりますが、袋に戻す必要はありません。仲間を他の動物園から呼び寄せるというイメージかもしれません。加えて、人の動物園から奪ったコインの下から出てきたコインが同じものだった場合、そのコインも奪えます。

コインを確保して自分の動物園に積むときは、確保するコインを重ねる順番を自由に決めることができることになっています。人に奪われないようにするために、情報や記憶を踏まえて重ねることがポイントになってくるわけです。

このゲームのルールブックには2つの追加ルールが載っているので、それを加えて遊ぶのもありです。

1つ目は「仲間と一緒なら安心だ」というルール。集合場所にあるコインが1種類である状態で確保するときに限り、それらを動物園の一番下に入れることができます。このルールをうまく使うことで、人から奪われづらくなるかもしれません。

2つ目は「チーキーモンキー」というルール。サルを引いたとき、そのサルと「誰かの動物園の一番上にあるコイン」を交換して集合場所に入れることができます。後述の得点ルールには、同じコインをたくさん確保していると得点がアップする要素もあるので、このルールの使い方も考えどころです。

こうして引いては積んでを繰り返し、袋の中にコインがなくなったらゲームは終了。得点計算に入ります。

動物園に重ねたコインは、そのまま1枚につき1点。また、各動物のコインを一番多く持っているのが誰かを確認しましょう。動物ごとに一番多い人はその動物の丸タイルをゲット。そこに書かれた数字がボーナス得点となります。

こうしてコインの枚数と丸タイルの数字を合計して順位を競います。動物ごとの最多獲得を狙ってボーナスを取るには、人のことも意識することが必要となるわけです。

追加ルールは入れるほど戦略性が増えますが、年齢や経験によって調整するのもよさそう。7歳からとなっているこのゲーム、もっと小さな子から遊びたいとリクエストを受けたこともあります。その際は追加ルールを入れないだけでなく、丸タイルボーナスや人からコインを奪うルールも取り除いて遊びました。つまりは袋引きでダブったらアウトという、くじ引きとちょっとした確率計算&記憶のゲーム。

それでも自分なりに考えたり、ドキドキ感を味わったりと十分に楽しそうでした。コインは重みがあって手にした感触も魅力的です。全部入りルールで大人もしっかり面白く、調整ルールで小さな子も楽しめる、幅広く遊べるゲームです。

(おわり)