「はじめてのゲーム・果樹園」─カラスが来る前に、協力して果物を収穫しよう─

「はじめてのゲーム・果樹園」は、カラスがやってくる前に全員で協力して果物を全部収穫することを目指すゲーム。筆者が大好きなゲームのひとつで、アレンジルールも紹介します。

説明書には「1~4人用」となっていますが、遊ぼうと思えば何人でもプレイできます。何人で遊ぶときも、セット例は上の写真のような感じ。

よく見るとわかりますが、丸タイルに描かれた木の根元には、緑・赤・青・黄のアイテムが描かれています。この色と対応させて、木製の果物コマを乗せていきます。箱に「2歳から」となっているこのゲーム、こうした部分の準備も楽しそうです。

果物の下には道とカラス。ゲームの中では、カラスが道を進んでいきます。カラスが道を越えて果樹園にやって来るまでに、全ての果物を集めることがゲームの目標です。

自分の番にまずするのは、サイコロを振ること。写真でもわかるように、かなりでっかいこのダイス。小さな子でも誤飲しない配慮だと思います。

振ったサイコロで色の面が出た場合、同じ色の果物をゲット。収穫して、箱に入れておきましょう。次のプレイヤーに交代です。

もしもカラスの面が出た場合は、カラスが道を一歩進みます。「わー!」「きゃー!」と盛り上がる場面。勝敗があるゲームと異なり、同じ場面で同じような気持ちになるのは全員で協力して目的を達成するタイプのゲームの特徴だと思います。

バスケットの面が出たときはチャンス。好きな果物を選んで1つ収穫できます。

さて、何色がいいかな…。赤が好きだから取っちゃう? いや、他に選んだ方がいい色があるかもしれない。運の要素が強いゲームですが、こうした場面にはどうしたらうまくいくかの考えどころもあります。全員協力型なので、意見を出したり相談したりするのもオッケーです。

こうしてサイコロの面に対応したことをしていき、カラスが来る前全ての果物を収穫できたらミッション成功。カラスが来てしまったら失敗、となります。

ここまでが説明書ルールの遊び方。私が子供と遊ぶときはこのルールでクリアしたあと、アレンジルールに進むことがよくあります。

アレンジAのセット例はこんな感じ。「今度は枝に果物が隠れて見えなくなっちゃった」なんて言いながら、果物を紙コップで覆います。続いて「うわー、風が吹いて揺れてる~」と、紙コップをシャッフルしてしまいます。

こんな感じで準備完了。自分の番でサイコロを振るのは同じです。

サイコロで色の面が出たら、紙コップをどれか1つ開けてみます。同じ色ならゲット、違っていたら紙コップを戻します。

戻すとまた見えなくなりますが、この先出てくるサイコロによっては、中の色を覚えておくと正しい色のコップを開けられるかもしれません。よく見て覚えておくことがポイントになるというわけです。全員協力型なので、自然と確認や相談も生まれてきます。

バスケットの面の場合、まず好きな色を宣言してから紙コップを開け、合っていたらゲット。カラスの面で進むのは説明書ルールと同様ですが、このルールの場合はカラスが来るまでのマスを多くしておかないと難しくなるので、適宜調整するのがおすすめです。

アレンジBでは、果物を全て袋の中に入れます。サイコロを振ったら中を見ないで手を入れ、同じ色の果物を取り出せたらゲット。手先で形をよく確かめるのがうまくいくためのポイント。バスケットはアレンジAと同じ扱いをします。

洋ナシ(黄)とプラム(青)は独特な形をしているので、よく手で探ればわかるはず。これは偶然なのでしょうが、リンゴは同じ形で赤と緑があるので、この分別は運まかせ。この不確定要素もゲームを盛り上げます。

基本ルールの「運+ちょっぴり思考」に加え、アレンジルールでは記憶や触覚の要素で遊べます。他にも工夫すれば、いろいろな楽しみ方ができそうなゲームです。

(おわり)