ゲーム紹介

*全員協力型

「赤ずきん」─こどももできるシンプルさ、けど大人でも難しい協力型ゲーム─

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「赤ずきん」はオオカミより早くおばあさんの家に着くべく、プレイヤー全員が協力するタイプのゲーム。童話をモチーフにしていて、パッケージが本に見立てたデザインなのもかわいいです。

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中身のセット例はこんな感じ。このゲーム、プレイヤーがすることは、ほぼ「次のカードをめくるかどうかの判断」だけ。ただ、かわいいモチーフに反して、ミッションを成功させるのは結構難しいです。

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説明書で「お花あつめ」と名づけられている小さなセットを繰り返していくこのゲーム。セットのはじめに、まず山札の一番上のカードをめくります。そして、出てきたカードで咲いている白い花の数だけ、「お花あつめトークン」を裏側のまま乗せます。上の写真の例だと2つ。

ここで手番プレイヤーは「次のカードをめくるかどうか」の判断をします。ここではめくることにしてみましょう。

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4のカードが出てきました。さて、ここで数字比べをします。

比べるのは、「ここまでに並んでいるカードの枚数」と「今めくったカードに書かれた数」。写真では目印に置いた白いペンの先の数字を比べることになります。この場合、後者の方が大きいですよね。このときはセーフとなり、次のプレイヤーがさらにカードをめくるかどうかを判断します。ここではめくることにしましょう。

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出てきたカードは2なので、数字比べは同じ。この場合もセーフとなり、次のプレイヤーがまためくるかどうか決めます。ここではもうめくらないことにしましょう。

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その場合、カードに乗ったトークンをめくります。トークンの表には花か石が描かれていて、花の数を確かめます。上の写真では3つ。

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セットはこれで一区切り。赤ずきんコマを花の個数だけ進めます。また、セットの区切りではオオカミコマも必ず1マス進みます。

さて、ではちょっと時間を巻き戻します。めくるのをやめずに続けていたらどうなったか、見てみましょう。

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出てきたカードは1。数字比べではめくったカードの数字が小さくなり、判定はアウト。トークンをめくらずにセットはおしまいとなり、赤ずきんは進めず、オオカミだけが進みます。実際のゲームでは、欲張りや不運でセットが失敗することも結構ある。

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一度使ったカードとトークンは伏せて別の場所に置いておく。セットを繰り返す中でそれぞれ足りなくなったら、再びシャッフルして使いなおします。カードもトークンもぐるぐる回るわけです。

実際にやってみると、手堅くやろうとすると赤ずきんの進みが遅く、運に賭け過ぎてもセットが失敗して進めないままならなさがある。なんだこれ、毎セット1マスずつ進んでくるオオカミのルートは赤ずきんルートと比べてマスが少ないので、やたらと早く感じられる。

ただし、カードをめくるかどうかの判断は、運まかせだけではありません。カードとトークンの内容構成は上の写真のように一覧表としてまとめられています。つまり、すでに出てきたカードやトークンを覚えて把握することで、残りの内容がどんなものか、ある程度予想できるというわけです。

出てきたカードやトークンの情報をもとに、めくるか否かを決めていく。…それにしても、やっぱりオオカミ早くないか?

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コマを進めていくと、あらかじめ裏向きシャッフルで乗せておいた「?」マークのタイルのマスが4か所。赤ずきんかオオカミがそのマスまで進んできたらめくって確認。4か所のうち1つがおばあさんの家で、赤ずきんが先に到着したらミッション達成です。

数ゲームやってみたけど、オオカミがどんどん進んで全く勝てない。これ、ほんとにクリアできるのか?と疑問に思いながらも、繰り返すうちにコツをつかんで、カード構成の把握がだんだんできるようになる。少しずつ勝てそうな見込みがもてるようになり、10回目くらいでやっと勝利。

始めは勝ち方がさっぱりわからないくらいの難しさだが、何度もやることで「ん?そういうことか…」と徐々に判断の精度が上がっていくのが楽しい。めくるかどうかの判断は順番が回ってきたプレイヤーがするけれど、「この場合は行けるでしょ!」「ここ、慎重に行っとこうよ」と他のプレイヤーの意見も自然と飛び交うのが面白い。

やることはめくるかどうかを決めるだけなので、慣れないうちはとりあえず適当な判断でもいい。ただ、適当だけではおそらくクリアできないゲームバランス。ゆえに「どうしたらうまくいくんだ?」と知性を刺激されるのが楽しいゲームです。

(おわり)

「メルヘン王国を救え!」─時にはあきらめて、中成功を目指す─

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「メルヘン王国を救え!」は、庭園に忍び込み、恐ろしい王様が破り捨てたおとぎ話を取り戻して脱出するゲームです。プレイヤーはメルヘン王国のこどもたちになって、目的達成のために協力します。

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中身をセットするとこんな感じ。箱の中のタイルは3つを除いて2段重ねになっていて、上段のタイルは15パズル(スライドパズル)のように動かせます。

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自分の番にすることは2つ。1つ目は、タイルを2回スライドさせること。1枚でもいいですが、指で一押しできるなら複数枚いっぺんでも1回カウントです。タイルの上にいるこどもコマごとスライドもできます。

このゲームの目的のひとつは、王様に真っ二つに破り捨てられたおとぎ話を取り戻すこと。どうすればできるかと言うと…

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タイルをスライドさせた結果、絵のつながった2枚が同時に見えるようにする。こういう状態にできると、おとぎ話カードをもらい、絵のつながったタイルを裏返しにします。こうしてうまくつなげることができた場合は、茶色の枯れ草タイルをどれか1枚裏返して、緑の草にすることができる。

プレイヤーは全員でひとつのチームなので、つなぐべきタイルがどこにあったかは教えあっていい。記憶を共有して解決できるのだ。

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自分の番にすることの2つ目は、自分の色のこどもコマを1マス移動させること。枯れ草には移動できませんが、緑の草には移動できます。これで次のプレイヤーに交代。

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こうしておとぎ話を取り戻しつつ、庭園の出口から抜け出ることを目指すのがもう1つの目的。ただし、自分の番でタイルを揃えて絵をつなげることができないと…

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庭園の出入り口から外に出た王様が一歩進みます。こどもたちが全員脱出する前に、王様が一周して出入り口に戻ってきてしまうと、プレイヤー全員の負け。

取り戻すべきおとぎ話は12種類。もちろん、全て取り戻して全員が脱出するのが大成功。ただ、全員が脱出する前に王様が一周するとプレイヤー全員の負けなので、状況によってはいくつかあきらめて中成功を選んだ方がよい場合もあるかもしれない。

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誰かがぎりぎりまで粘っておとぎ話を取り戻そうとしても、王様が戻ってきてしまったなら、いくらたくさん話を取り戻していても負け、というのがこのゲームのルール。おとぎ話の奪還より、こどもが無事に戻ることの方が価値が高いというのがこのゲームの世界観なのだろう。

2つの目的を目指すとき、メインの目的を得るために、サブの目的を妥協したり一部あきらめたりする。あるよね、そういうこと。大人ならわかる。

でも、サブの目的も可能な限りは達成したい。安易に妥協やあきらめに流れず、できるところまで手に入れたい。あるよね、そういうこと。大人ならわかる。

(脱出の)戦略を練りつつ、(記憶を共有して)協力しながら(スライドパズルという)状況を動かしていくだけで十分やりごたえのあるミッションであろうに、加えて目的達成レベルの調整と決断も求められる。舞台はメルヘン王国だけど、要素の組み合わせとしては、大人が生きてく上でしばしばしなくちゃいけないやつだぞ、これ。

そう言ってしまうと仕事みたいでつまんないようにも聞こえますが、やればわかるようにこのゲームはとても面白いので、仕事の方のことをゲームみたいで面白いと思った方が得だと思います。

(おわり)

「アミーゴバンデッド」─ほどよくもめながらジャングル探検─

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「アミーゴバンデッド」は、忍び寄るドラゴンより早く宝を得るべく、ジャングルの道をつないで宝箱にたどり着くことを目指す、全員協力型のゲームです。探検隊になった気分で盛り上がります。

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中身をセットしたところはこんな感じ。ボードの周りにはたくさんのタイルを散りばめます。プレイヤーは全員でチームになって、ジャングルを出たところにある洞窟の宝箱を目指します。

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自分の番にすることは、タイルを1枚めくって道をつないでいくこと。すでに並べてあるタイルにつながるようにしか置けないので、上の写真のように分岐がある場合は考えどころです。

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ジャングルに落ちているカギのところまで道をつなげられると、カギをゲット。カギは全部で4つありますが、宝箱の錠前は3つ。つまり、1つは取らなくても大丈夫なので、道をつなぐときに取捨選択を考える必要が出てきます。

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さて、タイルをめくって出てくるのは道ばかりとは限りません。時には写真のようにドラゴンも登場。これはボード下部の枠に並べていきます。これが出るたびに、ドラゴンも宝箱に近づいていきます。

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どのカギを取るか、どう道をつないでいくか。最後はタイルをめくったプレイヤーが決めるべきでしょうが、よりよい選択に気付いてなければ他のプレイヤーもどんどん意見を出すといいでしょう。中には意見が分かれる場面もあって、それぞれ自分の考えのよさや理由を伝え合います。

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ほどよくもめていくうち、プレイヤーチームもドラゴンもだんだん宝箱へと近づいていく。上の写真は、次に出るタイルが道かドラゴンかで、探検の成否が決まる場面です。ちなみに下の丸いのはおやつタイル。取らなくてもよいですが、取っておくとドラゴンタイルを1枚おびきよせることができるので、取っておくかどうかが迷いどころ。

タイル運に道のつなげ方という思考が絡み、その選択に意見を出し合って決めていくのが面白いところ。「こっちがいいよ!」「いや、そっちだろ!」と、ほんとに道なきジャングルを探検してるかのような気分を味わえるのが楽しいゲームです。

(おわり)

「果樹園カードゲーム」─みんなの運を引き受ける─

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「果樹園カードゲーム」は食いしん坊のカラスがやってくる前に、果樹園のフルーツを全て取ることを目指すゲーム。プレイヤー間の勝敗はなく、カラスVSプレイヤー全員のチーム戦。さいころ運にみんながドキドキさせられます。

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中身のセット例はこんな感じ。カードゲームと言っても手札はなく、場全体が並べたカードでできているという感じです。

プレイヤーは順番にさいころを振り、出た目と同じ色フルーツを取って自分用のバスケットカードの上に乗せることができます。こうして全てのフルーツを取るのが目的。

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そこにやってくるのがカラス。さいころでカラスが出ると、道カードのはじっこからスタートするカラスが一歩進んできます。フルーツを全て取る前にカラスが道の最後の果樹園にやってくると、プレイヤー全体が負け。何の目が出るか、固唾をのんで見守ってドキドキする

このゲーム、勝負のゆくえの大部分はさいころ運。それが個々のものではなく、全員で共有しているところがおもしろい。カラスが出たらがっかりだけど、思考や判断の誤りではないので責めたりするのは違うよな、と受け止めたいところ。もちろん、うまくいったときのうれしさもチーム全員のものだ。

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運だけではない場面もある。バスケットの絵が出たらラッキーチャンス、2つのフルーツを自由に選んで取っていいのだ。

サクランボが好きだから2つ取っちゃう? いやいや、場になくなったフルーツの色の目が出たら、何も起きずに次のプレイヤーの番に移る。ということは、カラスが進む確率が高くなる。ということは、バスケットが出た時はどうすればいいかというと……という成功率が高くなる考え方に誰かが気付けるといい

最後まで成功するかどうかわからない展開になることが多く、そういった面でのバランスも絶妙。運を共有してみんなで一喜一憂し、ちょびっとだけ戦略性もあるのが楽しいゲームです。

(おわり)

「おしゃれパーティ」─かわいさ炸裂の記憶&全員協力型─

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「おしゃれパーティ」は仲のよしあしが入り混じるてんとう虫の模様をうまく交換して、アリより早くみんなでパーティに出かける協力型ゲームです。まずはデザインと仕掛けのかわいさに、こどもおとな問わずにやられます

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中身はこんな感じ。これは…絵本の世界がそのまま遊べる舞台になってる……と、すっかり大人である私の心にもファンタジーが切り込んでくる。

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自分の番では、盤面まん中の矢印を指で弾きます。そして、矢印の先が止まったところのてんとう虫を動かすことができます。

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動かす先は、別のてんとう虫がいる花びらのところ。どこか選んでてんとう虫を置くと、相手の虫が反応します。上の写真ではそっぽを向かれてしまいました。

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こちらではチュッと鼻先同士がくっつきました。そう、てんとう虫の鼻先は磁石になっていて、くっついたりそっぽを向いたりするわけです。

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くっついたらなら仲良しの証拠、背中の斑点を交換できます。こうして、お互いだんだんカラフルになっていきます。

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これを繰り返して斑点を交換し、5つの斑点が違う色になっておしゃれになったてんとう虫は、パーティーに出かける準備完了。葉っぱの上に移動します。こうして8匹のてんとう虫が全員葉っぱに乗るのを目指します。

この過程、磁石の性質を知ってる大人なら「AはBにそっぽ向いた、AはCにもそっぽ向いた、だからBとCもそっぽ向き合う」とすぐに推論し、効率的に進めることができる。しかし、それをすぐにこどもに説明するのは野暮だろう。くっついたりそっぽ向いたりする中で試行錯誤して自分で法則性を見つけたら、当人にとってものすごい喜びだろう。

どの組み合わせのときにそっぽを向いたか、あるいはくっついたか、覚えておく記憶力も必要だ。それだけでも効率はぐっと上がるはず。

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矢印は花びらの間にある小さな葉っぱを差すこともある。このときはてんとう虫を動かすことができず……

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パーティのごちそうを狙っているアリが葉っぱを上がってきます。てんとう虫が揃う前に、アリが7匹上がってきたらプレイヤー全員の負け。

プレイヤー間で競うのではなく、てんとう虫とアリでどっちが先に揃うかの競争。だから、記憶や推論を共有するやりとりも自然と生まれるはず。

ほんわかした舞台の中で、「矢印のルーレット運×組み合わせ記憶×ちょっとした論理思考×協力コミュニケーション」と、実はいろいろな要素が絡み合うのが楽しいゲームです。

(おわり)

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